2022/11/12 山形晩秋山行 豪士山・駒ヶ岳周回
紅葉はほぼ里に下りて、山はすっかり晩秋の装い。
そんな週末、穏やかな天気の土曜日は、山形南部の置賜の山歩き。
目指すは、山形・高畠町と福島市の県境の豪士山、そして高畠町と米沢市の境の駒ヶ岳。
地元の"豪士山の会"の方が整備されている道を辿り、二座を周回で歩きます。
沢沿いの狭い林道を走っていくと、豪士山登山口に到着。
登山口の前に7~8台、橋を渡ったすぐ先に2台ほど駐車可能なスペースにまきchin隊一番乗り。
#トイレなし。下山してきたら満車でした。
#林道をこのまま進んだ駒ヶ岳登山口にも3台ほど駐車可。
時計回りで豪士山から周回するか、反時計回りで駒ヶ岳から歩くか迷ったけど、一定の斜度で山頂まで歩ける豪士山から歩こう、と時計回りでスタート。
登山口のすぐ先で小川を渡って、杉林の中をゆる~りと。
なおこの山域は熊が多く(というか東北はどこでも熊多いけど)、高畠町や南陽市の市街地でも数日前に熊が出たとのこと。
先行者もいないので、ドキドキしながらのスタートです。
道はすぐに、雑木とアカマツの林の中へ。
急斜面の九十九折りの道をぐい~っと登り上げていくと
露岩の広がる"花の肩"に出てきました。
なんだか華やかな名前ですな(^^
ここで初めて、駒ヶ岳がお目見え。
駒ヶ岳は全山ブナ原生林が広がる山だそうで、ぐるりと歩いていくのが楽しみ♪
そして道はここから穏やかな尾根を辿ります。
すっかり晩秋色の尾根には朝日が当たり始めて、暖かな色合いに包まれた尾根歩きが心地よい(^^
尾根を巻くように、斜面に広がる雑木林をトラバースで歩く箇所があれば
明るく開けて、朝日がタップリと射し込む尾根上を歩く箇所もあり。
そして道は穏やかで緩やかで、とっても歩きやすくて気持ちいい!
こんな晩秋陽だまりハイクには最適な道だなぁ。
ブナやコナラ、アカマツの木立の向こうに、周回で歩く稜線や駒ヶ岳を眺めつつ。
これからあの山並みを歩くんだな、と思うとワクワクする。
明るい尾根上の道をのんびりと歩いていくと、いつしかブナ斜面のトラバースへ。
九十九折りも交えつつ登っていくと、沢筋がだんだん近づいてきて
沢源頭部の水場(水止り)に到着。
ちょろちょろと水が流れる音はしていたけど、さすがにこの時期は水量が少ないためか流れはほとんど見えず。
水場を過ぎると、豪士峠へ向けて急斜面を九十九折りに登ります。
斜面は急だけど道は緩やかに切られているので、すこぶる歩きやすい。
そんな道をゆる~り歩いて高度を上げていくと
稜線が近くなってくると木立が低くなり、雲海に覆われた高畠町や南陽市が一望!
この時期は、朝霧がよく発生するのかな。
盆地にたぷたぷと溜まった一面の雲海に見とれつつ登り上げて
稜線上の豪士峠に到着です。
この豪士峠、高畠町と福島市を結ぶ古い峠で、江戸時代はここを通って行き来していたそう。
そうか、だからここまでの道も穏やかで歩きやすかったんだな。
福島方面に分岐するいにしえの道を左に分けて、まきchin隊は豪士山へ向けて稜線上の道を辿ります。
灌木と笹の中の道はすっかり落葉して明るく展望もあり、前方に豪士山を仰ぎ見つつ。
というわけで、早速ぐるりと景色を眺めます♪
北東には蔵王連峰がずら~り。
まだ黒々として見えるけど、エコーラインはもう通行止めだそうで。
もう冬だなぁ。
北西~西側には、一面雲海に覆われた置賜盆地。
雲海の手前の山並みは、亀岡文殊のある文珠山、"置賜の卑弥呼"とも言われる古代女性の骨が出土した戸塚山古墳のある戸塚山、一年峰などなど。
そして置賜盆地の奥には、うっすらと冠雪した朝日連峰が見えてました。
南西側には、雲海の切れ間から米沢市街がちらり。
その向こうに連なるのは、冠雪の飯豊連峰♪
南側には、先日歩いた吾妻連峰。
あのあたりが東大巓や家形山、兵子かな、と眺めます。
いやはや、素晴らしい展望。
遠くは少し靄っていたけど、近くの山並みはずらりと一望。
こんなに展望いいところだったとは、びっくりです。
そんな山々の展望や下界の雲海を眺めつつ、開けた山頂でのんびり一息。
たぷたぷと溜まった雲海の下は、高畠町や南陽市かな。
下界は朝霧の中なんだなぁ。
さて、のんびり一息ついたら、山頂を後にして稜線を先へと進みます。
目の前には、これから目指す高畠町最高峰と駒ヶ岳。
なんか意外と近く見える。
豪士山からは、いったん150mほど急坂を下ります。
ここまでずーっと緩やかな道だったので、この日ほぼ初めての急坂!
しかも足元は少々藪っぽく、ちょっとワイルドな感じ。
所々ぬかるんでいて、滑りやすいところもある急坂を一気に下っていくと、ひかば越えの草原に出てきました。
目の前には、これから辿る稜線が連なります(^^
ひかば越えから振り返って、豪士山を見上げます。
一気に下ってきちゃったな~、山頂部はすっかり落葉して、ちょっとはげちょろけな感じが面白い。
このひかば越えから沢沿いに下って、豪士山登山口へと戻る道もあり。
膝の調子が悪くなったらここから帰ろうかと思っていたけど、この日はまだまだ絶好調。
天気もいいし、これは予定通り周回続行でしょう、というわけで駒ヶ岳へ向けて出発です。
ひかば越えを過ぎると、駒ヶ岳までは緩やかにアップダウンを繰り返す稜線の道を辿ります。
ここまではコナラやアカマツなどの雑木林だったのに、ひかば越えからはがらりと変わってブナ原生林が広がります!
大きく枝を広げた見事なブナも多い。
こんなにがらりと植生が変わるなんて、なんだか不思議。
すっかり落葉したブナ林の向こうに豪士山を眺めつつ。
結構ブナが密集しているけど、落葉しているおかげで明るい稜線の道です。
背丈の高いブナ林。
黄葉の頃に来たら、凄いことになってそうだな。
しかし、ちょうどこの稜線付近が紅葉している時期は、他にも行きたい山がいっぱいあるしなぁ。
それに今年は、その時期は日本海側の天気がぱっとせず、なかなかこの辺りには来れなかったのでした。。。
足元はやや藪っぽい道だけど、ブナ林の見通しはヨシ。
木立の向こうに、駒ヶ岳とそこから下る尾根筋を眺めつつ。
晩秋のブナ林に癒されつつ稜線上の道をゆる~り辿っていくと、1,075mの小ピーク、高畠町最高峰(焼枯)に到着です。
灌木に囲まれた小ピークはそれほど展望もなく、熊にかじられた標識がぽつねんとたってました。
木立の向こうに見えるのは、緩やかな稜線の先に続く駒ヶ岳。
目と鼻の先ですな。
というわけで、焼枯を後にして駒ヶ岳へ。
ここから先、道は踏み跡はしっかりしているけどちょっと笹薮が濃いめ。
朝イチだったら、膝から下が朝露でびしょ濡れになりそうな。
焼枯直下は50mほどやや急な下り、そこから緩やかに登り返して
駒ヶ岳山頂に到着。
ここもまた灌木の中にて展望はなく、ちょっと拍子抜け。
というわけで、さくっと山頂を後にして下山開始。
ブナ林の中、足元にわしゃわしゃ覆いかぶさる笹をかき分けつつ下ります。
いかにもブナ原生林っぽい感じだな。
それにしても、ほんとキレイなブナ林。
高畠町最大規模のブナ二次林でもあるそうで。
いろんな季節に歩きたくなっちゃいますねぇ(真夏は除く(笑))。
駒ヶ岳からいったん100mほど下ると、灌木の中のアップダウン繰り返す尾根歩きに。
アップダウンは面倒だけど、展望が開けてそれはそれで気持ちよい。
背後に聳える駒ヶ岳を眺めつつ、尾根を辿ります。
そして岩場を過ぎて歩いていくと、969mの小ピークに到着。
ここで一息つきつつ、景色を眺めます。
眼下に続くのは、これから下る尾根。
上から見下ろす晩秋の斜面が、なんともぐっとくる渋い色合いで。
そして眼下には、すっかり雲海が晴れた置賜盆地が広がります(^^
振り返って眺めるのは、駒ヶ岳。
その向こうは、豪士山へと続く尾根とその北側の山並みかな。
その奥は蔵王連峰か。
さて、ではここからはいよいよ本格的な下り路。
展望開けた尾根の道は、まるで紅葉の斜面に飛び込んでいくかのようで、なかなか壮観。
ちょっと斜度があり、狭くて滑りやすい尾根道なので足元注意だけど、景色は素晴らしい!
左手には置賜盆地を眺めます。
その奥には朝日連峰も♪(靄ってるので写真には映ってないけど)
右手には一面の紅葉の斜面が広がります(^^
下界の紅葉をこうやって眺めるのもオツなもんですな。
景色を眺めつつ展望開けた稜線を下っていくと、次第に雑木林の中へ。
落ち葉踏みつつ明るい林の中を下っていくと
尾根分岐に到着。
ここからは尾根を離れて、沢へ向けて斜面を下ります。
急斜面を九十九折りに下る道は、ブナ主体の雑木林。
梢に残る葉っぱが、風が吹くたびにはらはらと落ちてきて、それがまた晩秋感タップリでステキ。
何度も足を止めて頭上を見上げて、舞い落ちる葉っぱを眺めちゃう(^^
急斜面の道だけど、それを感じさせないくらい心地よい林の道。
梢を見上げつつ、明るい林の景色に見とれつつ、落ち葉をざくざく踏んで気持ちよく下ります。
登りだったらまた印象が違うんだろうけどな。
木立を透かして眺める、対岸の斜面の紅葉も素晴らしい。
晩秋はまた晩秋の美しさがあるんだよなぁ。
そんな対岸の紅葉の斜面が近づいてくると、沢へ向けた急斜面の下りも終了。
沢音がどんどん近くなってきて
ここからは、沢沿いの道をゆる~り下ります。
何か所か渡渉もあるけど、飛び石で渡れるので問題なし。
沢沿いの道で茂みもあちこち多いので、朝イチはちょっとドキドキしそうな道ですが。
今は日も高い昼なので明るく、気持ちよく下って、林道に出てきて山道終了。
林道を10分ほど下って、車を停めた豪士山登山口に戻ってきて終了、です。
標高800mより上はほぼ落葉、そこから下もすっかり晩秋色で落葉進んだ林の中の道。
豪士山へと登る道は終始穏やかで歩きやすく、稜線上の道は細かなアップダウンはあるものの、大きな段差や急坂はあまりなく、これまた歩きやすい道でした。
豪士山より先は、足元がちょっと藪っぽい感じだったけど、道はしっかり踏まれていたので問題なし。
そしてなにより、ひかば越えから先の駒ヶ岳は素晴らしいブナ原生林が広がっていて素晴らしかった!
すっかり落葉していてもあれだけキレイなんだから、芽吹きの頃や黄葉真っ盛りのころはすごいだろうな。
ここはまたぜひ、歩きに来たい。
この日、稜線ですれ違ったのは反時計回りで周回されていた単独の方5組のみ。
まきchin隊と同じく時計回りで歩いていたのは、我らを入れて3~4組かな。
歩きやすいのにそこそこ歩きごたえもあり、展望もブナ美林も楽しめる山ですが、とっても静かな山でありました。
いい山でした♪
下山後は、赤湯温泉に6月にできたばかりの日帰り入浴施設"湯こっと"へ(300円)。
源泉かけ流しの温泉を贅沢に楽しんだら、龍上海赤湯本店でラーメン。
その後は、日本三大熊野の一つ、南陽市の熊野大社で大銀杏ライトアップを鑑賞です。
まさに今が黄葉真っ盛りのイチョウ、ライトアップされて鮮やかな色合いが素晴らしかった(詳細は速報)。
そしてこの翌日は天気下り坂ということで、米沢市の上杉博物館で国宝の上杉本洛中洛外図屏風を鑑賞、その後は"米沢牛登起波"ですき焼き、と観光満喫dayでありました。
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