2022/10/1 吾妻連峰・東大巓周回
久しぶりに土日ともスッキリ晴れ予報。
そろそろ紅葉も進んできているけど、メジャー所には人が集中する傾向にて、そんなところはなるべく避けたい。
でも人混みは嫌だけど紅葉は楽しみたい、というわけで、この週末はマイナールートを歩いて吾妻連峰を歩こう計画。
(結局、日曜は超メジャールートに変更しちゃいましたが)
この日は、吾妻連峰の北側、山形県米沢市の姥湯温泉からの周回ルートを歩きます。
反時計回りで薬師森、明月荘を経由して稜線に上がり、東大巓、烏帽子山、兵子(ひょっこ)と歩いて姥湯温泉に戻るルート。
いかにも歩く人が少なそうな(笑)
登山口の姥湯温泉は、山形県内温泉旅館随一の秘境・秘湯だとか。
温泉に向かう道は舗装されているものの、かなり狭いのですれ違う際にはやや緊張する感じ。
そんな渓谷沿いの道を走っていくと、姥湯温泉手前の駐車場に到着です。
10数台くらい停められそうな駐車スペースはほぼ満車でびっくり!
温泉の駐車場とも共用なので、ほとんどは宿泊客の車なのかな。
#この手前の兵子新道登山口前にも10台ほど停められそうなスペースあり。トイレなし。
駐車場からは、少し道路を歩いて吊り橋で渓谷を渡り、対岸へ。
このまま道を歩いていくと姥湯温泉ですが
登山口は、吊り橋を渡り切ったところにありました。
切り立った渓谷に付けられた登山道につき、最初からいきなりの急坂。
急斜面に付けられた九十九折りの道を登ります。
薬師森の展望台までは、温泉に泊まった人がハイキングで足を伸ばすことがあると見えて結構整備されていて、斜度はあるけど割と登りやすい。
木立の隙間から、姥湯温泉の上部に広がる斜面を眺めつつ。
ここまで紅葉がおりてきたら、なかなかすごい景観になりそう。
そんな道を1時間弱、300mほど登り上げて、薬師森に到着。
木立に囲まれた小さな広場に、熊にかじられてボロボロになった標識がある小さなピークです。
薬師森は展望なかったけど、少し歩いたところにある展望台に足を延ばすと、なかなかな展望が広がってました♪
雲海の上に浮かぶのは、月山と葉山。
その向こうには鳥海山もうっすらと。
ここでこんなに周囲の山々が見えるとは、稜線からの展望も楽しみ。
気分が盛り上がったままに薬師森を後にして、先へと進みます。
・・・が、薬師森を過ぎるといきなり藪っぽくなって、マイナールートな雰囲気満点な道に。
踏み跡はあるから、歩いている人はそこそこいるんだろうけど。
道に覆いかぶさる笹や灌木が結構煩わしい。。。
薬師森から潜滝までは、沢沿いの高巻き道をアップダウン繰り返しつつ歩きます。
まだ歩き始めたばかりで元気だからいいけど、後半にこの道が来たら消耗しそうだな。
行きにこっちから歩くことにしてよかった。
朽ちかけたハシゴもあったりして。
そして所々にある標識は、もれなく熊にかじられてズタボロ(笑)
秘境感漂う道を歩いていくと、潜滝に到着です。
渡渉する沢の奥に、岩の間を流れる滝が見えてました。
沢を少し遡行すれば滝の全容が見えそうだったけど、とりあえずパス。
潜滝の渡渉はこんな感じ。
大岩がごろごろと積み重なる沢を岩を伝って渡ったら、沢を離れて稜線に向けて再びの登りが始まります。
所々木立が開けたところから、稜線を見上げつつ。
日当たりのよいところは木々もほんのり色づいていて、登りつつも心うきうき。
木立の梢も色づいてきてますね~(^^
淡い黄色の色合いが、ふんわり優し気でいい感じ。
でも歩く道は全然優しげではなく、相変わらずの藪っぽい道(笑)
斜度のあるところには丸太の段が設置されていたりして、道は整備されている感があるんだけどな。
道に覆いかぶさる笹や紅葉し始めた灌木をかき分けつつ、だんだん斜度がきつくなってくる道を登ります。
斜度のある道をぐい~っと登り、やや緩やかになると、前方には紅葉の斜面が広がってました♪
コメツガの緑が主体ながら、そこに赤や黄色、橙の色合いが混ざり合った錦の斜面(^^
見上げる斜面が色とりどりということは、歩く道もそこそこ紅葉しているわけで。
道沿いには、いろんな木々の色とりどりの紅葉が。
それぞれちょっとずつ色合いが異なっていて、それが太陽を透かして更に彩り豊かになって。
やっぱり紅葉はいいなぁ、鮮やかな色合いに心も浮き立ちますね♪
そんな紅葉を眺めつつ、周囲の景色を眺めつつ。
高度を上げていくと
木道のある湿原に出てきました!
湿原はすっかり草紅葉だなぁ、こんがり黄金色の草原が美しい。
青空と紅葉とのコントラストが堪りません(^^
そして藪道からようやく開けた箇所に出てきて、気分も爽快。
紅葉の斜面の向こうには蔵王連峰。
さすが吾妻、蔵王がこんなに近いんだな。
左手には、これから歩く昭元山や烏帽子山、その先の家形山や一切経山も見えてきて。
吾妻の主稜線もだいぶ近くなってきた♪
開けた斜面に緩やかに続く丸太の階段の道や木道をゆる~り歩いて
明月荘に到着。
弥兵衛平湿原にある避難小屋ということで、弥兵衛平小屋とのカッコ書きが小屋の外壁にありました。
小屋の中を覗いてみると、2階建ての頑丈でキレイな小屋(トイレもあり)。
結構広くて人数泊まれそうな小屋、ここに泊まってのんびり吾妻連峰縦走ってのも楽しそう。
小屋で少し休憩したら、弥兵衛平湿原に寄り道です。
ハイマツや笹の中、小さな湿原が点在する中を木道辿って歩いていくと
開けたとこに出てきました!
花の時期の湿原もいいけど、草紅葉の時期の湿原も素晴らしい。
黄金色に輝く湿原に、青い空を映して真っ青な池塘がよく映える。
広大な弥兵衛平湿原は、もっと奥まで歩いていくと明星湖という湖もあるそうだけど、寄り道はここまで。
景色眺めつつ、秋の高層湿原をしばしゆるりと楽しみます。
木道の脇には、赤く色づいたチングルマなどの高山植物がみっしり。
秋の晴天の高層湿原、最高だな。
こんなにキレイなとこなのに誰もいなくて、この景色を贅沢にのんびり楽しむことができました。
さて、では湿原を後にして先に進みます。
東大巓が間近に近づいてきて、いよいよメインの稜線歩きも近し!
東大巓に向けては、緩やかに広がる草原に木々の茂みが点在する斜面の中、木道を辿って登ります。
明月荘までは灌木多めだったけど、ここからはコメツガやシラビソがメインな感じにて、いかにも吾妻連峰。
・・・そういえば先日山形県立博物館に行ったとき、吾妻連峰や蔵王連峰はなぜだかブナなど広葉樹林帯がほとんどなくて、コメツガやシラビソの針葉樹林帯がメイン、てあったけど、確かにそんな感じ。
少し登って振り返ると、一面に広がる草原の向こうに弥兵衛平湿原、そしてその先には山形南部の山並みが!
弥兵衛平湿原、アップ。
途中に白い柱が立ってるのは、スキーのツアー標識。
木立の中にぽつんと建つ明月荘の向こうに連なるのは、蔵王連峰。
蔵王連峰は、ほんと絵になるな。
朝日連峰や月山、葉山もずら~り一望。
朝日や月山の紅葉も思い浮かべつつ、この素晴らしい展望に足が止まります♪
こんな景色眺めながらのんびりと木道を辿っていくと、稜線上の道に合流。
稜線に上がれば人がいるかと思いきや、全く人影はなし。
中大巓からこっちは、全然人がいないんだな。
そんな静かな道を一登りで
東大巓山頂に到着。
木立に囲まれて展望ナシな山頂なので、ここはさっくり通過です。
東大巓を過ぎると、しばらくは開けた斜面の展望の道を下ります。
これぞ稜線!な道ですこぶる気分爽快。
(今回の行程の中では、東大巓の前後が一番開けて気持ちの良い道だった)
黄金色の湿原の先には、これから歩く昭元山や烏帽子山。
その奥には家形山や一切経山、東吾妻山と連なる山並みが連なっていて、展望最高。
これぞ秋、な草紅葉の湿原に、赤く紅葉したチングルマやミズゴケが彩りを添えて。
赤と金色と、空の青と山並みの青のコントラストが美しい。
谷地平へと下る分岐を過ぎると、コメツガや笹の緑の中に灌木の紅葉が点在する道へ。
それでも鞍部までは視界が開けて気持ちよい道。
足元は木道多めだけど、所々木道崩壊してたり岩ごろだったり。
鞍部付近までゆる~り100mほど下って、東大巓を振り返ります。
湿原と紅葉の点在する東大巓、静かでいいとこでした!
さて、ここからは針葉樹林帯の中、ピークをいくつか越えつつ100mほどのアップダウン繰り返す道へ。
そして、兵子まで続くこの稜線の道が、なかなか歩きづらくて曲者。
シラビソが鬱蒼と生い茂る林の中は、結構倒木が多く、跨いだりくぐったりとなかなか忙しい。
足元も、木の根が絡まりあっていたり岩ごろだったり藪っぽかったりとやや歩きづらく、こりゃ歩く人も少ないわけだなぁ、なんて思ったりして。
(それでもトレランの人中心に何組かとすれ違った)
林の中にはあちこちに、西吾妻・一切経縦走路の標識が取り付けられてました。
一切経山付近は火山な雰囲気だし、ここらあたりは針葉樹生い茂る林だし、そうかと思えば開けた湿原もあったりして、縦走したらいろんな雰囲気が楽しめそうだな。
そして鞍部から100mほど、岩ごろの急坂を登って昭元山に到着。
木立に囲まれた、ひっそりした山頂であります。
行先に見えているのは、お次の烏帽子山。
山頂直下は大きな岩がごろごろと積み重なっていて、なかなか展望よさそうな感じ。
烏帽子山へも、相変わらずの鬱蒼とした針葉樹林の中、100mほどの下り登りを経て向かいます。
木の根も大岩もごつごつと絡まりあった道。
結構古い倒木も多いんだけど、この区間はあまり歩く人もいないから整備入ってないのかしらん。
吾妻主稜線にも、こんなに秘境感あるところがあるんだな(歩くのはなかなかめんどくさい感じ(笑))。
鞍部から登り上げていくと、ハイマツやシャクナゲの中、大岩がごろごろと積み重なった開けた斜面の道へ。
岩を伝ってぐい~っと登り上げて
山頂から、歩いてきた山並みを眺めます。
吾妻連峰の一切経山より西側は積雪期以外は来たことなかったので、こうやって連なる山並みを眺めるのはなんだか新鮮。
烏帽子山を過ぎれば、緩やかにアップダウン繰り返す道を辿ります。
相変わらずの針葉樹林帯の中を歩き、ニセ烏帽子を過ぎると
稜線から姥湯温泉に下る、兵子新道の分岐に到着。
危険個所アリだけど通行は可能だそうで、ここで稜線から姥湯温泉に向けて下ります。
ここからは下る一方かな、と思いきや、いきなりすごい岩場が登場。
どこを登るんだろう?!と思いつつ、とりあえず岩場の上まで登ってみると、これがどうやら兵子(ひょっこ)のピークだったようで。
兵子のピークからは、360°のすごい展望が広がってました!
こちらは歩いてきた稜線。烏帽子山に東大巓、その向こうには西吾妻山。
お隣の一切経山や東吾妻山もこのとおり。
一切経山の山頂には、人がいっぱいいるのが遠目にもよくわかる。
南側の中吾妻山の向こうには、磐梯山や猪苗代湖も見えてました。
兵子、地味なピークながらも素晴らしい展望!
稜線を後にして下る前に、ご褒美の展望をいただけて満足満足。
兵子の岩場を過ぎると、あとはひたすら姥湯温泉に向けて下ります。
シラビソやコメツガの針葉樹林の急坂は、ここも結構荒れてるなぁ。。。
登山道の土が流されて木の根が露出していたり、トラバース道が崩壊していて足幅程度の踏み跡辿って下る箇所も何か所か。
踏み跡はしっかりしてるけど、一般ルートではない感じだな。
最後は長いハシゴで林道に下って、登山道終了。
いやはや、なかなか大変な周回ルートでありました。
紅葉は見たい、でも混んでるルートは嫌、ってことで、姥湯温泉からのマイナールートを選択。
狙いは的中、すれ違う人はほとんどなく静かな道だったけど、割と荒れ気味な道だったかな。
踏み跡はそこそこしっかりしていたので、歩く人はそれなりにいそうなんだけどねぇ。
東大巓手前の弥兵衛平とか、東大巓前後の草紅葉の湿原とか、景観素晴らしい所はたくさんあったので、もっといろんな人に歩いてもらいたい道でありました。
超久しぶりの吾妻連峰、膝を痛めないようにゆっくり歩いたので思った以上に時間かかったけど、大満喫です。
下山後は、穴原温泉いづみやの日帰り入浴へ(700円→JAF割で500円)。
さらりとしたお湯にのんびり浸かったら、この日は道の駅国見で車中泊です。
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