2021/10/31 山形紅葉山行・翁山
昼前から雲が広がる予報のこの日は、短時間で歩ける山が吉、ってことで山形・宮城の県境にある翁山へ。
猟師が追っていた白い鹿を、白髪の翁の姿をした春日大明神の使者が助けた、という伝説がある翁山。
長年、地元の「翁山を愛する会」が登山道整備されてきたのですが、この6月に解散されたとのこと。
来年以降、登山道がどうなるかわからないのでその前に、ということで行ってきました。
朝の新庄や尾花沢は、濃い霧の中。
下界がこれだけの霧だったら、きっと山の上は晴れてるだろうな、と期待(^^
尾花沢から未舗装の林道を走っていくと、登山口に建つハリマ小屋に到着。
ここまでの林道はかなり狭くてすれ違える場所もほとんどなく、しかも結構荒れててドキドキしちゃいました。
この日も遅めスタートだったので、車いっぱいいるかな?と思ったら3台ほどが停まるのみ。
今日も静かな山歩きが楽しめそうです。
#小屋前に10台ほど駐車可。トイレなし。
杉や灌木の中の道を歩いていくと、分岐に到着。
県境稜線に登り上げる道が右に分岐してますが、そっちの道は帰りに通ることにして、標識に従って左の道へ。
時計回りの周回ルートで歩きます。
ブナ林に突入!
黄金色を通り越して濃いオレンジ色に色づいた、晩秋のブナ林であります。
紅葉、間に合った~
そんな晩秋のブナ林に、柔らかな日ざしが射し込みます。
落ち着いた色合いに癒される♪
黄葉真っ盛りのキラキラのブナ林とはまた違った、深くあたたかな色合いがいいんだなぁ。
心までほっこり温かくなるような。
落ち葉をざくざく踏みつつ、穏やかなブナ林をゆる~りと。
広く緩やかな尾根上の道を歩いていくと、ほどなく斜面のトラバース道へ。
足元の道はやや細くて滑りやすいところもありますが、頭上にはこの紅葉にて。
ウットリ見とれちゃいます。
道を横切るいくつかの沢筋の一つに、白髪の泉、の標識。
泉というよりも、水が染み出してちょろちょろ流れている感じでした。
・・・それにしてもこのネーミング、翁山っぽい(^^
白髪の泉を過ぎると、明るい雑木林へ。
急斜面の九十九折りの細い道を登り上げて
尾根上に出てきました。
ここにもブナ林が広がってますが、もうすっかり落葉していて、心なしか寒々しい感じ。
落葉したブナ林は、なんだか一気に季節が進んだ感あり、ですな。
尾根上のブナ林は、登り上げていくほどに背丈が低くなってきて。
落ち葉をざくざく踏みながら、緩やかな尾根上を歩きます。
周囲の林がブナから灌木になったあたりで振り返ると、雲海に覆われた尾花沢市街が一望。
雲海に浮かんでいるのは村山葉山、その右奥には月山がうっすらと。
左手には神室連峰。
前日に歩いた杢蔵山も見えていて、なんだか嬉しくなりつつ登っていくと
山頂手前の翁山神社に到着(到着した時点では、ここが山頂だと思ってた)。
小さな広場にある石造りの祠の脇には、翁山神社の石碑が立ってました。
伝説の、白髪の翁と白い鹿が彫り込まれてますね(^^
ここが山頂、と思い込んでたまきchin隊、しばらく神社の前から景色を眺めてましたが、稜線の先にはここよりも高い所があるような。。。
案の定、先に進んでいくと2~30歩で
翁山山頂、到着。東北百名山97座目。
こっちが山頂だったかー!
神社のところもそこそこ展望は良かったけど、こちらはさすが山頂、ぐるり360°の展望が開けてます。
早速、周囲の景色を眺めます。
北西側には神室連峰。
前日歩いた杢蔵山から八森山、火打岳、小又山、神室山と続く稜線が一望。
手前に重なる紅葉の山並みもいい感じ。
北側の栗駒山・禿岳方面。
さすがに雲が多くて、栗駒山の形ははっきりとは見えませんが。。。
あっちの鳴子も紅葉真っ盛り、きっと道路は大渋滞だろうな。
南東側には、これから歩く県境稜線。
その奥には、七ツ森や船形山、泉ヶ岳、蔵王連峰と宮城の山々がずら~り。
南西側には、村山葉山と月山。
雲海はだいぶとれてきたけど、まだもやっと漂ってますね。
翁山、こんなに展望いいところだったとは、びっくり。
しかも、もっとスカッと晴れていれば、鳥海山や朝日連峰も見えるそうで。
展望の県境稜線の山でありました。
さて、では下山開始。
ここからは県境稜線を歩きます。
登りの道は山頂直前までブナや雑木の林が続いてましたが、下りの県境稜線は笹の中の道。
視界が開けて気持ちよい♪
稜線を下る目の前がバーンと開けて、村山葉山や月山が正面に聳えます。
解放感タップリ(^^
所々に、すっかり落葉した灌木帯が登場。
稜線上の林らしく、幹が曲がりくねって背丈の低い木々がいっぱい。
緩やかに下って振り返り、翁山山頂を見上げます。
山頂部が見えるのが嬉しくて、何度も振り返って眺めちゃう。
左手に船形山から続く山並みを眺めつつ、稜線上の道をのんびり下ります。
稜線の先に見えてるのは黒倉山、この稜線を辿って黒倉山やその先の吹越山まで歩いていくこともできるそうで。
眼下の紅葉の林の中には、ハリマ小屋の赤い屋根が見えてました。
小人の家みたいで可愛らしい♪
そんな道をのんびり歩いていくと、黒倉山手前の鞍部からハリマ小屋へと下る道の分岐に到着。
ここで稜線を離れて、ブナ林の斜面を下る道へ。
ブナ林の中を一気に200m弱下る道は、ロープがそこかしこにかかる急坂。
落ち葉に隠れた木の根で足を滑らさないよう、慎重に下ります。
ここまではずーっと穏やかな道だったのに、ここだけはかなりワイルドな急坂。
急坂の道は気を遣うけど、だんだんと色濃くなっていくブナ黄葉にワクワクしつつ、一気にぐい~っと下ります。
急坂が終わるころには、再び晩秋色のブナ林へ。
最後にまたこのブナ林を歩くことができるとは♪
すらっと伸びた幹が美しいブナ林。
空は曇ってきたけど、濃いオレンジ色の紅葉はとっても鮮やか。
そんな紅葉に、シャッターを押す手が止まらないごろ太君。
昨日も今日も紅葉の写真がいっぱいですな。
紅葉に見とれて何度も足を止めながらブナ林の中の平坦地を歩いていくと、不老長寿の泉なる湧き水が登場。
ここら一帯、いろんなところから水がこんこんと湧き出していて、小川となって流れていて。
さすがブナ林の山、こんなにあちこちから湧き出るほどとは!
ブナの保水力にはびっくり。
そして晩秋色の美しいブナ林に癒されて満足!
行きの道との合流の手前には、こんな看板。
白髪の老人と白き鹿にお会いすることはできなかったけど、気持ちの良い稜線と展望、美しいブナ林に出会うことができました♪
感謝です。
ハリマ小屋まで戻ってくると、行きよりも車が増えてたけど、山中で出会ったのは反時計回りで歩いていた1組と、黒倉山を越えてこられたお一人のみ。
のんびりスタートで、まきchin隊と同じく時計回りで歩いている人が大半だったようで、この日も静かな山歩きを楽しむことができました。
下山後、尾花沢から見上げる翁山。
短時間で歩ける山でありながら、展望よく美しいブナ林も楽しめるいい山でありました。
でも来年からは登山道の整備がどうなるのかな。。。
ともあれ愛する会の皆さまには、長い間の登山道整備ありがとうございました、感謝です。
下山後の温泉は、徳良湖温泉花笠の湯へ(400円→JAF割で350円)。
とろっとしたお湯にのんびり浸かったら、天童の"水車生そば"で腹ごしらえ(詳細は速報)。
お蕎麦屋さんの鶏中華と板蕎麦に舌鼓を打ってから帰宅、でありました。
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