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2021年10月 8日 (金)

2021/10/2-3 紅葉・大展望の南ア・白峰南嶺(2日目)

2日目は、雲一つない青空が広がる好天。

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広河内岳へと続く白峰南嶺の稜線を辿って、紅葉と大展望を満喫♪

===白河内岳~大門沢===
2021/10/3(日):白河内岳2,740m地点(6:30)~▲白河内岳(6:50-7:00)~▲大籠岳(7:45-7:55)~▲広河内岳(9:25-9:55)~大門沢下降点(10:20)~大門沢小屋(12:25-12:35)~登山口(14:30)~奈良田(15:30)
歩行距離:16.0km
累積登高:420m
累積下降:2,400m
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> 10/2 白峰南嶺1日目へ

前日の夕暮れ時はやや風が強く、遠雷も鳴っていてちょっと不安でしたが、ハイマツの陰にテントを張っていたので風の影響はほとんどなし。
雷雲が近づいてくることもなく、穏やかな夜。
穏やかすぎてうっかり寝過ごして、薄明るくなってきた夜明け前に早立ちの人の鈴の音で目が覚めるというぐだぐだっぷり(笑)

それでも展望好地にて、日の出を眺めるには全く問題なし。
出発準備しながら日の出を拝みます♪

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富士山の横から朝日が昇ります。

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みるみる茜色に染まっていく白河内岳。

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もちろん、笹山や荒川岳も茜色。
その向こうには笊ヶ岳や大無間山。
一斉に夜明けを迎える南アルプスの稜線であります。

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塩見岳は、朝日に照らされて真っ赤っか♪
燃えるような赤とはこのことか。

雲に朝日が遮られることもなく、辺り一面が茜色に染まる素晴らしい夜明けにウットリ。
今日は素晴らしい天気になりそう(^^

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すっかり日が昇ってから、のんびり出発です。
せっかくの好天なので、帰りの時間は気にせずに、景色を眺めながらゆっくり稜線歩きを楽しみます!

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白河内岳への登りは、岩がごろごろと積み重なるガレ場の道。
岩とハイマツが入り混じっていて踏み跡もわかりづらいけど、白河内岳までは真新しいペンキマークがあり迷うことはなし。
(ガスってたり暗かったりしたら迷いそうですが)

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振り返れば、蝙蝠岳や荒川岳、笊ヶ岳。なんとも贅沢な眺め♪
南アルプス南部の山並みを眺めつつ、幕営地から50mほど登り上げて

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白河内岳に到着。
目の前には広河内岳、そしてその向こうには農鳥岳や北岳の山並みが連なります!

白河内岳の広い山頂から眺める、すかーんと開けたこの景色が素晴らしいんだよなぁ。
歩き始めたばかりですが、早速ここで足が止まってしまって、ぐるりと景色を眺めます。
今日はのんびり稜線歩き、と決めてるので、これでよいのだ!

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まずはこちら、広河内岳に続く白峰南嶺の稜線。その向こうに連なるのは農鳥岳や北岳、鳳凰三山、八ヶ岳。
ゆったりと広河内岳に向けて伸びる稜線がたまりませんな。
これからこの稜線を歩くと思うと、楽しみすぎてドキドキする。

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反時計回りに目を移します。
仙塩尾根の向こうには、中央アルプスと乗鞍岳。
なんと北アルプス・槍穂も見えてます。空気が澄んでるんだな。

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昨日からたくさん眺めている塩見岳。
何度眺めても迫力ありますね(^^

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蝙蝠岳と蝙蝠尾根の向こうには、荒川岳。
朝の陽ざしを受けてクッキリ。

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笹山の向こうには、笊ヶ岳へと続く南嶺の稜線。
その先に連なるのは南アルプス深南部の山並みかな。
渋い山並みであります。

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そして東側には富士山。
手前に連なるのは櫛形山、雲海の先には丹沢や奥秩父の山並み。

白河内岳からの景色はほんとうに素晴らしい。
この景色にまた出会えたのがほんと嬉しくて、飽くことなく何度もぐるりと景色を眺めちゃいました。
稜線上はかなり風が強くて寒いけど、そんなのも忘れちゃうくらいステキな景色。

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さて、では広河内岳へ向けて出発。
これからまだまだ素晴らしい景色が待っている、と思うと心浮き立ちます♪

白河内岳から大籠岳までは、やや下り気味のガレ場の稜線。
踏み跡はかなり薄く、よそ見してたら道を外しちゃいそうなんだけど、それでもよそ見せずにはいられない。

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振り返れば塩見岳。

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左手には、仙塩尾根と中央アルプス、乗鞍岳。
ひと気のない静かな稜線上には、まきchin隊の影2つ。

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そして前方には、ずい~っと連なる白峰南嶺の稜線。
いやもう、この景色、何度見てもいいですね(^^
飯豊や朝日の稜線には東北ならではのよさがあり、アルプスの稜線にはアルプスならではのよさがあるなぁ、としみじみ思いつつ。

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何度も立ち止まって景色を眺めながら、岩ごろの稜線をのんびり歩いて大籠岳に到着。
稜線の途中にある穏やかなピークの大籠岳、ここまで来ると広河内岳が目前に迫って迫力たっぷり。

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塩見岳も、見る角度が変わって大きく裾を広げたお姿に。
でも、コブのように盛り上がった姿は変わらないな(笑)

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大籠岳を過ぎると、足元はザレ気味の道に。
少し下ってから緩やかに登り、最後は広河内岳へ向けてぐい~っと登り上げる、南嶺終盤の稜線歩きであります。

そしてここからは、大展望に加えて色鮮やかな紅葉も景色に加わります!

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圧巻だったのが、広河内岳東面に一面広がるダケカンバの黄葉♪
キラキラと黄金色に輝く斜面がとっても華やか。

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黄葉の斜面越しに眺める塩見岳と蝙蝠岳、荒川岳。
鮮やかな黄葉に縁どられて、さっきまでとはまた違って華やかな景色(^^

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黄葉にうっとり見とれつつ、広河内岳へ向けて緩やかに登る稜線を歩きます。
前方から歩いてくる人とのすれ違いもちらほら、最近は、前日に北岳や農鳥岳に泊まって帰りに南嶺を歩く人も結構いるのかな。

途中、前日農鳥小屋に泊まったという方と立ち話したら、小屋は大混雑だったそうで。
それに比べたら南嶺は静かそのもの♪

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南嶺の東斜面に広がるダケカンバの黄葉の向こうには、鳳凰三山と八ヶ岳、奥秩父の山並みが連なります。

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薄靄に浮かぶ富士山と黄葉の斜面。
幻想的でステキ。

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こんなに鮮やかな黄葉が見られるとは思ってなかったなぁ。
連なる山並みだけでなく紅葉も楽しめるだなんて、もう最高♪
しかも人が少なくて静かな稜線なので、思う存分のんびり楽しめるし。

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何度も足を止めて景色を眺めながらゆっくり稜線を歩いていくと、いよいよ広河内岳が目の前に。

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右手には農鳥岳へと続く主稜線が近づいてきて。
南嶺ゴール(広河内岳)も間近!

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稜線は直角に向きを変えて、広河内岳へ向けて150m登り上げる道に。
山頂からの展望を楽しみに、最後の急坂に取りつきます。

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ザレてずるずる滑る急坂を登りつつ振り返れば、歩いてきた白峰南嶺の稜線が眼下に連なって。
今回も素晴らしい稜線だったなぁ、と眺めます。

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足元に広がるのは、ウラシマツツジやクロマメノキの真っ赤な紅葉。

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紅葉と黄葉と蝙蝠岳、荒川岳。
色鮮やかな絶景!

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150mを一気に登り上げる急坂ですが、こんな景色を眺めながらなのでそれほど苦でもなく。
ザレた足元に気を配りつつ、ぐい~っと登ります。

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ザレ続きかと思いきや、山頂直下では岩場も登場。
なかなかさっくりとは登らせてくれない広河内岳、でもそれがまたいいんだな。

急坂につき、立ち止まって息を整えつつ景色眺めつつ、ゆっくり登って

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広河内岳山頂、到着!
この山頂からもぐるり360°の大展望、もちろんザックおろしてぐるりと展望を楽しみます。

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正面に聳えているのは農鳥岳。
ここから先は、3,000m峰の山々が続く白峰三山の稜線です。

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北アルプス槍穂や乗鞍岳、中央アルプスもずら~りと。
中央アルプスの向こうには御嶽も見えてます。

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塩見岳、蝙蝠岳、荒川岳といった南ア南部の山々。
昨日からずーっと眺めているお山たち。

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歩いてきた白峰南嶺と、笊ヶ岳へと通じる南嶺南部の稜線。
その奥には南ア深南部の山並み。

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富士山もまだまだキレイに見えてます♪
今日は、富士山よりも南アルプスの山並みのほうに目を奪われちゃってますが。

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鳳凰三山、八ヶ岳、奥秩父の山々も、まだまだクッキリ。

いくら眺めても飽き足らない大展望にウットリ。
広河内岳山頂からのこの景色も素晴らしいけど、ここに来るまでの南嶺からの景色もほんと素晴らしかったなぁ、としみじみ思いつつ、のんびり景色を眺めるこのひと時の幸せなこと!

気持ち的にはここで終了、て感じなのだけど、まだまだ標高差も距離も長い下山路が待っている。
後ろ髪ひかれつつ、下山開始です。

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ここから先は地図上でも実線ルート、歩く人も多い道を辿ります。
まずは大門沢下降点までザレ気味の稜線歩き。

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南アルプス南部の山々の展望とはここでお別れ。
振り返ってご挨拶。

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緩やかなアップダウンを繰り返しながら下っていくと、大門沢下降点に到着。
ここで稜線歩きは終了、奈良田まで2,000m下る下山路が始まります。

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大門沢下降点でフリース脱いで、いざ、下山路へ。
下り始めは、ハイマツと灌木の中の急斜面をつづら折りに下ります。

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真っ青な空と緑のハイマツ、赤や黄色の灌木の取り合わせが色鮮やか♪
ザレてて所々ロープもかかる道を、一気に下ります。

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稜線直下はハイマツ多めだったけど、下るほどに灌木やダケカンバ主体に。
黄葉のダケカンバの斜面の向こうには、鳳凰三山。

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行きの笹山ダイレクトは針葉樹多めの道だったので、こんな一面に広がる紅葉はなかったのだけど、こちらは斜面一面が色づいて華やかな道。
紅葉時期のアルプスは久しぶり、目を奪われつつ下ります。

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先日歩いた北アルプスのブナ立尾根も、上部はダケカンバ林だったなぁ。
あちらも今頃はこんな紅葉かな、なんて思いつつ。

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標高2,600mを過ぎると、周囲の木々は針葉樹主体に。
そしてこの道一番の急坂、標高差500m弱を一気に下る道に突入です。

大岩がごろごろ積み重なっていたり、木の根が絡み合って階段状になっていたり、大きな段差には木のハシゴがついていたり。
なかなか痺れる急坂ですな。

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木々の隙間からは所々紅葉が覗きます。
そんな彩りに心和みつつ。

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稜線から700mほど下ると、針葉樹林からいったん出て沢沿いのザレ尾根上へ。
左手に轟々と流れる沢を見下ろしながらざくざく下ります。

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沢沿いにしばらく下っていくと、再び針葉樹林の中へ。
トラバース道だったり道が沢状になっている箇所があったり。
以前は木橋がかかっていたところは橋が土砂や岩に埋まっていたり、崩壊地を高巻いているところがあったり、と自然の脅威も感じつつ下っていくと

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標高1,730mの大門沢小屋に到着。
小屋の前で一休み、と思いきや、小屋前は団体さんでいっぱい。
小屋の脇で立ち休憩しながらそそくさと腹ごしらえしたら、先へと進みます。

大門沢を過ぎれば急坂はほぼ終了。
でも奈良田まではまだあと標高差で900m。。。まだまだ長いぞ。

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大門沢小屋を過ぎてすぐ、大きな沢を2度渡りますが、さすがにしっかりした丸太橋が完備。

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沢沿いの道を過ぎると、広葉樹林の中の緩やかな道へ。
あと800mほども下らなくちゃいけないのに、こんなに緩やかで大丈夫なのか?と思っちゃうくらい。
明るい林の中の歩きやすい道ですが、むしろ急坂で一気に下ってくれた方が、歩く距離が短くていいかも。。。だらだら歩きは疲れる。
そういう点では登りに使った笹山ダイレクトのほうが好きだな。
この道、登りには使いたくないもんなぁ。

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緩やかな道続きかと思えば、急斜面のトラバース道あり、つづら折りで一気に下る箇所あり。
そういえば、大門沢小屋までは割とさくさく下ってこれるけど、そこから先が長くてキツかったっけな、なんて思い出しつつ。
既に棒になりかけてる足を励ましながら下ります。

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沢沿いまで下ってくると、枝沢をいくつか渡りながら歩きます。
・・・これ、橋のつもりかな?(笑)
水量も沢幅もさほどでもなかったので、じゃぶじゃぶ渡渉しちゃいましたが。

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橋がなくて渡渉のところもあり。
水量多いと厳しそう。

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沢の高巻き道には何か所か登り返しもあって消耗しつつ、沢沿いの道を下って

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発電所取水口の吊り橋に到着。
やれやれ、これで登山道はほぼ終了。

あとはのんびり下って吊り橋2つ渡ってくだるのみ、と思っていたら、なんと2つ目の橋(コンクリ橋が新設されてた)はなぜか渡れず、いったん河原に降りて渡渉、とな。

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意外と水量多くて深くて、これ渡れるのか?な感じだったけど、飛び石でクリア。
いやはや、最後に冷や汗かきました。

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渡渉後、3つ目の立派な吊り橋は無事渡ることができて、ようやく登山道終了。
いやー、今回も大門沢の下りはやっぱり疲れた。

そして道はまだ終わりではなく、奈良田までは1時間の林道&車道歩き。
30分ほど砂利の林道を下っていくと、奈良田第一発電所のあるマイカー規制始点に到着。
下りの奈良田行きバスが10分後くらいに来るみたいだったけど、ここでバスに乗っちゃうのもなんだか悔しくて、そのまま歩いて奈良田へ。

いやはや、最後の林道歩きで足にとどめを刺された感じ、疲れました。
それでもこの日はスッキリ晴れて、紅葉に縁どられた南アルプスの展望が素晴らしくて大満足です。
白峰南嶺では人とのすれ違いもわずか、静かな稜線をのんびり歩くことができたのもよかったなぁ。
稜線ビバークにて2日分の水を担いで結構な重荷でしたが、歩ききることができて良かったです。
また来れるかな。来れるように鍛えとかなくちゃな。
#南嶺上には水場なく、笹山ダイレクトで登るのであればビバーク必至。
#広河内岳までは点線ルートで踏み跡わずかなので道迷いの可能性も大、笹山ダイレクトも踏み跡薄いので要注意(過去に遭難も発生)。
#歩かれる方は、各自でよくよくご判断ください。

下山後は、市川三郷町のつむぎの湯へ(400円)。
広くて空いてるお風呂にのんびり浸かってから帰宅、でありました。

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コメント

こんばんは。
長いコースおつかれさまでした。

ここの稜線は本当にいいですよね\(^_^)/
もちろん人もいないし。
僕は南行でしたので、ずーっと塩見、蝙蝠を見ながら歩いてました。
大門沢の下の森もいいですしねぇ。

さすがですねぇ。
こんなキツイコース歩いて、10分後のバスのらないとは(^_^)
僕は迷うことなくバス待ちます(^^;

投稿: katsu | 2021年10月11日 (月) 20時53分

katsuさん>
ありがとうございます!
この稜線、ほんといいですよねぇ~
南行も素晴らしい景色でしょうね、だんだんと塩見や蝙蝠、荒川岳が近づいてくるなんてステキ(^^

大門沢の下の森は、確かにかなり雰囲気いいんですけど。
今回は、早く下りたいのになんでここで緩やかになっちゃうの?!と殺意を覚えつつ歩いてました(笑)

投稿: まきchin | 2021年10月11日 (月) 23時53分

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