2021/10/2-3 紅葉・大展望の南ア・白峰南嶺(1日目)
金曜日に大型の台風が過ぎ、日本列島は台風一過の好天かと思いきや、土曜日は所々不安定な天気。
標高の高いところは紅葉真っ盛りのようですが、緊急事態宣言明けということもあり人気の山はかなり混雑しそうなので、なるべく避けたい。
さてどこに行こうか、と直前まで頭を悩ませて、久しぶりの南アルプス・白峰南嶺に行先決定。
ここなら、点線ルート&稜線ビバークということもあり、人は少ないに違いない!
登山口の奈良田には前夜のうちに到着。
第二駐車場に停めてしばし仮眠して。
#第二駐車場の手前500mに、今年から第一駐車場開設(これまで第二駐車場の500m先にあった駐車場が移転)
#第二駐車場は20台程度(水洗トイレあり)、第一駐車場は100台以上(簡易トイレあり)
この日の広河原行きバスは5時半発。3台ほど出てました。
バスで広河原に向かう人たちを見送ってから出発です。
稜線上は寒そうなので冬用シュラフ持参、そして稜線上には水場がないので2日分の水を担いで今年一番の重荷、無事歩ききれるか?!
まずは、駐車場から400mほど戻ったところにある吊り橋を渡ります。
しっかりした造りなのであまり揺れず、全然怖くない(^^
吊り橋を渡った先には、確か渡渉ポイントが。。。と思ってたのだけど、今はもうしっかりとした道になってました。
大雨とかで土砂が流出したとか、工事の為とかいろいろあるんだろうな。
沢を渡り、第三発電所の横を過ぎたところが笹山登山口。
ここから笹山まで、1,900mを一気に登り上げる笹山ダイレクトが続きます!
気合を入れなおして、いざ、登山道へ。
杉林の中、つづら折りに続く道を登ります。
手すり完備なのは、発電所の人も歩くからなのかな。
この道とは別に、発電所の人のためのモノレールが設置されていて、あれ乗りたいなぁ、なんて思っちゃったりして(^^;
斜面を150mほど登っていくと、発電所設備の脇を通って尾根上へ。
さらに50mほど登ると
大きな木の脇にひっそりと佇む山の神に到着。
道中の無事と好天を祈ります。
さぁ、山の神にお詣りして心清々しく、再スタート!
尾根上に伸びる急坂に取りつきます。
狭い尾根の右手は杉林、左手は雑木林。
ちょうど境目の尾根上の道は、常緑樹の中ひたすら続く急坂。
最近急登の山が続いてるので、多少は体も慣れてきてるんじゃないか?なんて思ってたりもしてたのだけど、やっぱりキツいぞ。
木の根が絡まりあった急坂の道。
2日分の水でずっしり重いザックを担いで、一歩一歩ゆっくり登ります。
それでも木立の中の道はひんやり涼しくて、助かる。
暑かったらこりゃ無理だな。
尾根上の踏み跡は結構薄いので(地図上では点線ルート)、見失わないように注意しながら登ります。
まぁ、登りでロストすることはそうそうなさそうだけど、下りの場合は枝尾根に入り込んじゃいそうなところも何か所かあるので要注意かも。
(過去には、笹山ダイレクトで道迷いにより遭難している事例もあり)
山の神から300mほど登っていくと、明るい雑木林の斜面へ。
薄い踏み跡を辿りつつ、落ち葉をざくざく踏みながら登っていくと
標高1,603m、水場入口に到着。
水場はここから往復20分程度ってことで(水も担いでるし)寄り道はせず、ちょいと腹ごしらえ休憩するだけで通過です。
さて、まだまだ続く急坂の道。
しかも、登山口から水場入口まで800m登ってきたのに、笹山まではまだあと1,100mもある!
軽く山一つ分はあるんですけど(笑)
あとどれだけ登らなくちゃいけないか、なんてことは考えるのはやめて、ゆっくりと歩を進めつつ頭上を見上げると、ほんのり色づき始めた梢が広がってました。
標高1,900mより上は、こんな感じで色づき始めた木々がちらほら。
大きな切り株の上には、苔むした小さな可愛らしい庭園♪
小人が棲んでいそう。
標高2,000m近くなってくると、明るい雑木林からシラビソ中心の林の中へ。
大きな岩もそこかしこに登場、岩や道端の木々をつかんでえいやぁ、と登るところも多い。
所々で斜度が緩むところもあるけど、ほぼひたすらの急坂続きで、そろそろアキレス腱が痛くなってきた。。。
そんな道をひたすら登っていると、木々の隙間からは富士山がお目見え。
南アルプスから眺める富士山は、耳が2つあるにゃんこ富士(^^
標高2,256m付近では、崩壊地の上を歩きます。
展望開ける右手に仰ぎ見るのは、白峰南嶺とそこから伸びる尾根。
その先には、三角形にとんがった北岳!
鳳凰三山もずら~りと。
久しぶりに間近に眺める南アルプスの山々に、なんだか心が浮き立ちますな。
そして稜線に上がればもっといろんな山々が眺められる、と思うと元気も湧いてくるってもんで。
崩壊地からの展望に元気をもらって、更に高度を上げていきます。
苔むした針葉樹林の中の急坂。
ひんやり涼しい木立の中をぐい~っと登って
標高2,320mの幕営適地に到着。
針葉樹林の中、テント数張りはいけそうな広場と焚火跡がありました。
よくこんな水もない林の中で焚火するなぁ、なんて思っちゃいましたが。
ともあれ、ここまで来れば稜線まであと400m。
最後の一登りに向けて腹ごしらえしてから、いざ出発です。
密集した木々の隙間を抜けて、しばらく緩やかな道を歩いてくと、背の高いダケカンバに囲まれた場所にひょっこり出てきました。
黄葉した明るい梢にほっと一息つくのも束の間、最後の急坂へ突入。
これがまた、鬱蒼と茂るシラビソ林の中、痺れるような直登の急坂。
倒木も多く、木々を乗り越えたり回り込んだりしながら登ります。
最後の最後に試練の道。
が、このひたすら急坂続きの潔さが、むしろ好ましかったりしますが(笑)
いかにも南ア南部っぽい林の中、岩や木の根が絡まりあった階段状の道。
これが最後の急坂だ、と思えば気合も入るってもんで。
木をつかんでえいやぁ、と体を引き上げつつぐい~っと。
そして道がようやく緩やかになり、周囲の木々がハイマツやシャクナゲに変わるとほどなく
標高2,717mの笹山南峰に到着!
標高差1,900mの笹山ダイレクトを登り切りました~
黄葉のダケカンバの向こうには、目指す白河内岳。
周囲は雲多めだけど稜線上は晴れてそう、早く大展望を楽しみたい、というわけで、木立に囲まれた南峰を後にして先へと進みます。
笹山北峰、到着!
稜線の東側は雲が湧いているけど、稜線上と西側は晴れ♪
早速大展望を満喫です。
まず正面に広がるのが、塩見岳と蝙蝠岳。
どちらもどっしりと聳えるお姿がカッコいい。
この山々をこんなに間近に眺めることができるのは、笹山だけでしょう。
そしてこちらは、これから歩く白峰南嶺、白河内岳。
その奥に見えてるのは仙塩尾根ですな。
久しぶりの南アルプス南部の大展望に感激、写真を撮る手が止まりません(^^
塩見岳も蝙蝠岳も荒川岳も、なかなかこんなに間近には眺められないもんなぁ。
特に南アルプス南部は、台風の影響やコロナ禍で最近は行きづらいエリアだし。
素晴らしい景色に胸がいっぱいになりつつ、稜線歩きに出発。
左手にはこんな大展望が広がってます♪
目指すは、白河内岳手前のビバーク地。
そこまでは、黄葉に彩られた稜線歩きです。
ダケカンバだけでなく、足元の高山植物も鮮やかに色づいてます。
秋真っ盛りの色鮮やかな道♪
笹山からは、いったん50mほど下って100m登り返し。
ダケカンバ混じりのシラビソ林の中、緩やかな道をのんびりと。
白河内岳が近くなってくると、ハイマツと灌木の中を歩きます。
木々の向こうに、ダケカンバの黄葉に染まる白河内岳の斜面を眺めつつ。
紅葉の色合いには和みますねぇ。
ここまでの笹山ダイレクトも上部は紅葉してたけど、鬱蒼と茂るシラビソ林の中に紅葉の木々が点在している感じだったので、紅葉を楽しむという雰囲気でもなく。
それとは対照的に明るくスカッと開けて色づいた稜線がとっても良い。
稜線上には、大きな岩がごろごろ積み重なった岩場もあり。
白河内岳の周辺は、こんな道が多い。
稜線を歩きながらも、振り返って笹山を眺めます。
笹山北峰山頂の標識がずーっと見えてるのがなんだか嬉しくて。
でもやっぱり、左手の塩見岳や蝙蝠岳に目を奪われちゃいますね~。
ほんと迫力あって男前な山並みです。
岩場を抜けると、いよいよ目の前に白河内岳。
ようやくゴール目前、足もなんだか軽くなってきたような?
そんな軽くなった足元を這うのは、ハイマツの枝。
足をすくわれそうで、気が抜けません。ワイルド!
そんなハイマツトラップを過ぎ、ダケカンバの黄葉の中をえいやぁと一登りで
白河内岳手前の広場に到着。
本日の行程は無事終了、今回もここでビバークです!
#笹山周辺やここに来るまでの間にも、何か所かテント張れそうな箇所あり
風を避けるべくハイマツの陰にテントを張ったら、あとはのんびり景色を眺めながらの贅沢タイム。
大きく聳える塩見岳。
ごつごつと無骨な感じが際立ってますね~。
蝙蝠岳と荒川岳。
笹山から見るのとはまた角度が変わって面白い。
稜線の東側は雲が多くてほとんど展望はなかったけど、富士山は辛うじて顔を出していてくれました。
テント張ってのんびりしていたら、単独の人が2人ほど通過。
この日は登っている途中で3人ほどとすれ違ったかな。
思ったより人いるなぁ、という感じでしたが、それでもメジャー処に比べれば格段の静かさ。
頑張って登ってきてよかった!
この日の予報は昼前から雲多め、南嶺より東側は天気不安定で雷発生ということでしたが、予報通り午後は雲が多く、夕方には雲が広がって夕焼けは見えず。
遠雷も鳴ってましたが近づいてくることはなく、風もそれほど強くなくて穏やかな夕暮れ。
日が沈むと同時に、疲れもあってかバタンキューのまきchin隊でありました。
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