2021/8/27-28 北アルプス・前穂高岳(1日目)
8月に入ってからの週末は、ずっと不安定な天気続き。
コロナ禍ということで昨年に引き続き小屋もテン場も予約必須のところが多いし、そうでないところは人が多くてなかなか気軽には行きづらい。
今年は北アルプスは行けず終いか?と思っていたら、なんとこの週末は高気圧に覆われて好天予報。
これは是非とも行かねば、というわけで、金曜日に急遽お休み取って北アルプスへ。
目指すは、未踏の3000m峰・前穂高岳。
天気が一番安定している金曜日に、上高地から岳沢を経由して前穂高岳往復、岳沢小屋(予約必須)に泊まって翌日のんびり下山する予定です。
上高地へは、沢渡の駐車場に車を停めてバスorタクシーでアクセス。
数日前から、平日のバス始発が6時になったとのことで、それだとこの日のうちに前穂高岳往復するのは難しい。
ちょっとでも時間を確保したいまきchin隊は、4時半発のタクシーで向かいます。
#釜トンネルのゲートが5時に開くので、それに合わせてタクシーは出発。
#沢渡バスターミナルのタクシー配車センターが4時open、係の人に声をかけてタクシー確保です。
そうして到着した上高地バスターミナル。
まきchin隊と同じようにタクシーで到着した人や、早朝着の登山バスの人たちで意外と賑わってます。
そんな中準備して、出発。
バスターミナルから5分程歩いて到着した河童橋。
朝靄の中に浮かぶ穂高の山並みが、まるでそそり立つ壁のようで。
これからあれを登るのか~。。
河童橋を渡り、白樺荘の横から伸びる林道に入ると、こちらは全く人がいなくて静かな道。
みんな涸沢方面目指してるんだな。
岳沢方面を示す標識がなかったので、ちょっと不安になりつつ10分ほど歩いていくと、岳沢登山口に到着です。
さて、ここからいよいよ山道へ。
歩き始めは、苔むした原生林の中の緩やかな道。
足元は石畳で整備されていて、さすがは上高地の道ですな。
沢沿いの道は所々ぬかるんでいて、木道や木橋もあり。
しっとりした原生林の中を緩やかに登っていくと
天然クーラー、風穴に到着。
岩が積み重なっていて、その岩の隙間から涼しい風が吹き上げてくる!
辺り一帯がなんだかひんやりして気持ちよい(^^
酷暑の下界にこの涼しさを持って帰りたい~、なんて思いつつ、先へと進みます。
風穴を過ぎると、足元がちょっとガレ気味な道に。
緩やかな道は木立に日差しが遮られて涼しく、気持ちよく歩いて
岳沢に出てきました。
視界が一気に開けて、目の前にそそり立つ穂高の山並みが大迫力!
奥に見えているのはジャンダルムに奥穂高岳。
西穂も目の前に。
ちょうど一年前に登ったんだなぁ、と思いながら稜線を目で辿るのも楽し。
沢の先を振り返ると、雲がたなびく上高地と、それを囲む六百山や霞沢岳が一望。
その向こうには乗鞍岳も見えてます。
いやー、やっぱり展望開けると気持ちよいですね。
一息つきがてら山並みを見上げて、アルプス来たなぁ、とじんわり実感したりして。
展望地を過ぎると、岳沢沿いの灌木の中の道を登ります。
やや斜度は増したけど、それでもまだまだ歩きやすい道。
足元には岩が敷き詰められていたり岩の階段が作られているところもあり、岳沢の岩で整備されているのかな、なんて思いながら登り上げて
岳沢小屋に到着。
前身の岳沢ヒュッテが2006年に雪崩で全壊した後、2010年に再建された岳沢小屋。
今日はここにお世話になります!
小屋の前のテラスはまだ人も疎ら、一息ついたら、いざ、前穂高岳へ出発。
当初の予定では、前穂高岳へ登るのは2日目にしようかと思っていたのだけど、天気予報的には金曜日は絶好の登山日和、てことで初日のアタックにしたのでした。
上高地から前穂高岳への標高差は1,600m、そして岳沢小屋から前穂高岳へは950m弱の登り。
久々のガッツリ登りに気合入れなおして、前穂高岳へと続く重太郎新道に取りつきます。
小屋の先で岳沢のガレ場を渡り、テン場の中を登っていくと、お花畑の中のつづら折りの道へ。
いろんな花が咲き乱れていて華やかな花畑。
まだ日が射し込む前なので、花畑は帰りに楽しむことにして黙々と登ります。
頭上に仰ぎ見るのは、穂高の稜線。
このそそり立ちっぷりと言ったら(^^;
急坂続きの雰囲気がぷんぷん漂ってくる。
花畑を過ぎると、ダケカンバの中の岩がちな急坂へ。
どんどん増してくる斜度、そしてどんどん岩っぽくなってくる道!
重太郎新道、いよいよ本領発揮です。
ハシゴも登場。
頑丈なハシゴなので心強い、が、振り返るとナカナカの高度感。
割とがっつり岩場な道だけど、ダケカンバの林の中なので見た目は優し気な雰囲気。
しかも木立の中なので涼しいのが幸い、小屋から450mほど気持ちよく登り上げて
岩のテラスのように開けたカモシカ立場に到着。
ジャンダルムや奥穂高岳、吊尾根が青空にクッキリ聳えているのを間近に仰ぎ見ます。
この景色、圧倒されますね(^^
カモシカ立場を過ぎると涼しいダケカンバ林の中の道は終了、灌木の中の岩場の登りが続きます。
日射しが照り付けて暑い!
・・・でも日射し照り付けるってことは、視界が開けて展望も素晴らしいってことで。
所々に鎖やハシゴがある岩場の道をぐい~っと。
足場や手掛かりは結構しっかりしているので、急坂ながら登りやすい。
カモシカ立場から150mほど登ったところで、標高2,670mの岳沢パノラマに到着。
すかーんと開けて、その名の通り岳沢が一望!
赤い屋根の岳沢小屋はもちろん、西穂、焼岳、乗鞍岳、霞沢岳の大パノラマが素晴らしい♪
頭上を見上げると、ジャンダルムから奥穂高岳へと続く稜線と吊尾根!
間近に眺める穂高の稜線や岩壁がほんと大迫力で。
さすがは岩の殿堂、穂高連峰です。
そんな景色に圧倒されつつ岳沢パノラマで一息ついたら、先へと進みます。
ここから先はハイマツの中の岩稜の道、高度感も展望も抜群の道!
頭上の岩壁に、先行する方たちが小さく見えているのを見上げつつ。
稜線、全然近づかないな。。。
しかも頭上に見えてるのは前穂高岳じゃなくて、その手前の紀美子平なんだよな。。。
左手には、西穂から間ノ岳、天狗岩と続く岩峰。
だいぶ目線の高さになってきた。
ガレ・ザレ気味の岩場が続く道には、木枠の階段が設置されているところもあり。
これ、すごく歩きやすくて助かる!
そんなガレた尾根上をひたすら登ります。
そういえば西穂から重太郎新道を眺めた時は、ほぼ垂直じゃん!て思っていたっけか。
確かにほぼコンスタントに急坂続き、でも西穂に登った時のような岩稜よじ登り続きではなく、結構足場のしっかりした岩場の急坂登りなので、意外と登りやすい気もしたりして(キツイけど)。
右手には、鋭くとがった明神岳の岩稜が連なります。
このぎざぎざっぷりがすごい。
クライミングしてる人もいるかな。
トウヤクリンドウ、イワツメクサ、イワギキョウ、クロトウヒレン
穂高の岩稜の山並みに目を奪われつつも、足元には岩場に咲く花々が咲いていて癒されます。
トウヤクリンドウが咲く季節になったか~、なんてしみじみ思いつつ。
岩だらけの道を登っていくと、スラブ状の大岩の鎖場が登場。
表面がつるっとしていて、雨の日や下りは足を滑らせそう。
(行きはそれほどでもなかったけど、帰りは滑りそうでちょっと怖かった)
鎖が付いてるのはありがたく、えいやぁ、と一登りで
標高2,920mの紀美子平に到着。
岳沢小屋から750m登ってきました。
この紀美子平で、前穂高岳に登る道と、奥穂高岳へ続く吊尾根が分岐。
ザックをデポして前穂高往復している人が多いみたいだけど、まきchin隊は軽荷にて、そのまま担いで前穂を目指します。
紀美子平から前穂までは標高差170m、されどこの170mが遠い!
岩場の斜面をつづら折りに山頂へ向けて高度を上げていきますが、ここにきてぐっと足が重くなってきた。。。
それでも登るほどに、奥穂から槍へと続く稜線が見えてきて励まされます。
早く山頂からあの稜線を眺めたい、と逸る心を抑えつつ、一歩一歩ゆっくりと。
なかなか高度感のある道で浮石浮き岩も多く、足元やつかむ岩に注意しながら登ります。
久々の標高3,000m越え、なんとなく空気が薄い気がして、何度も足を止めて息を整えつつ。
永遠に続きそうにも思える、天空へと続く道!
一歩一歩高度を上げていって
標高3,090m、前穂高岳に到着!
久々の北アルプス、久々の3,000m峰♪
百高山98座目でもあります。ようやく来ることができました(^^
そしてもう昼近いのに、まだスッキリ晴れていて、山頂からは360°の素晴らしい展望。
風もほとんどなく、広くて穏やかな山頂からぐるりと景色を眺めます。
雲海に浮かぶ、蝶ヶ岳から常念岳、大天井岳、燕岳と続く表銀座の山並み。
八ヶ岳や南アルプス、中央アルプスは雲海の上にちょこんと顔を出してました。
その奥に連なるのは鹿島槍や白馬三山といった後立山の山並みと、蓮華岳、針ノ木岳、立山。
手前に見える、鋭くとがった槍ヶ岳がカッコいい♪
そして、奥穂高岳から涸沢岳、北穂、槍ヶ岳と続く槍穂の岩峰!
名だたる山々が連なる穂高連峰は、さすが圧倒的な景色。
これが見たかったんでした♪
奥穂高岳から南西側には、ジャンダルム、天狗岩、西穂高岳と岩峰が続きます。
奥穂に通じる吊尾根と、そこを歩く人たちも見えてますね~。
それにしても、紀美子平からさらにこの吊尾根を登って奥穂へ行く人たちって、凄すぎるな。
前穂に登ったところで、これ以上もう登れない~、と燃え尽きた感じなんですけど(^^;
登ってきた岳沢の先には、明神岳、霞沢岳、焼岳や乗鞍岳。
上高地も眼下に見えてます♪
表銀座や、槍穂の後ろに続く黒部の山並みが雲をせき止めてくれているのか、ここ穂高連峰は雲もかからず素晴らしい天気。
最高の山日和!
足場に注意しつつ涸沢方面の岩場に少し行ってみると、眼下には涸沢の景色が広がってました。
こうやって間近に涸沢を眺めるのは14年ぶりくらいかも?
山頂は意外と広く、こんな感じであっちこっちへ移動しつつ景色を眺めてのーんびり。
さすが3,000m峰、吹き渡る風も爽やかで、しかもこの日は昼寝できちゃうくらいの穏やかな天気。
平日なので人も少なく静かな山頂で、時間が過ぎるのを忘れてゆっくり過ごしちゃいました。
贅沢なひと時♪
ほんとに何時間でも過ごせちゃうくらいの素晴らしい山頂でしたが、そろそろ下山しないと小屋に到着するのが遅くなってしまう。
後ろ髪をひかれつつ、1時間ほど山頂で過ごしてから下山開始。
下山時もまだまだ素晴らしい天気と素晴らしい展望が続きます。
足元注意しつつも、やっぱり何度も立ち止まって景色を眺めちゃう。
浮石を踏まないように、石を落とさないように注意注意。
慎重に下ります。
目の前には、岳沢と霞沢岳、焼岳、乗鞍岳の大展望。
昼過ぎてもまだこの展望とは、この日はほんと秋のような天気。
左手にそそり立つ明神岳。
眼下に眺めていたのが、だんだんと見上げるようになってきて。
岳沢パノラマ付近から稜線を振り返って見上げます。
前穂高岳、ありがとう!
またこんな素晴らしい天気の日に来たいな。
カモシカ立場を過ぎると、ダケカンバの林の中へ。
高度が下がってだんだん暑くなってきた道ですが、木立の中はやっぱり涼しい。
ホッと一息つきつつ、でも足元はまだまだ岩場やハシゴの道が続くので気は抜かずに下ります。
そしてテン場の上の花畑まで下ってきて、やっと一安心。
お日様の光をたっぷり浴びた明るい花畑の中を、つづら折りにのんびり下ります。
岩だらけの道が続いていたので、最後にこんなお花畑の中を歩けるのは嬉しい♪
色とりどりの花に癒されますね~。
天狗沢にも花畑が広がっているそうですが、岳沢の花畑もなかなかの規模で素晴らしかった。
なんといっても、穂高の山並みと花畑の取り合わせがステキ(^^
そして岳沢小屋に戻って、この日は終了。
いやはや、よく歩きました!
足も無事で一安心。
歩いてきた道、というか壁を見上げます。
急坂続きの重太郎新道でありました。いやー、しびれた。
早速小屋で受付して、部屋に荷物を置いたら、あとは夕飯まで小屋の前で景色を眺めながらのんびり。
#コロナ禍ということで、定員の半分くらいで営業中
夕飯は2巡目。アジフライがすごく美味しかった!
お味噌汁も美味しくて沁み渡りました。。。
夕飯をいただいたら、早くも日没。
谷合いの小屋なので日没は早い、夕日に照らされる山並みを眺めつつ。
ごろ太君、夜中に起きだして満点の星空をパチリ。
天の川がキレイに輝いてました。
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コメント
こんばんは。
重太郎新道は下ったことしかないヘタレですw
下りでさえ、へばっていつも岳沢でカレー食いながら大休止してますwww
あのコースを登る人はスゴいと思います\(^_^)/
ホントに素晴らしい景色ですね。
槍穂高の山々はもちろん、何気に上高地→横尾→涸沢→奥穂→岳沢→上高地と全部目で追えるのがうれしかったりします。
貧乏症なので、なかなか泊まる機会がありませんがいつか岳沢に泊まってテラスから星を眺めてみたいです。
個人的には大きな不幸が重なって再建は無理と思ってたので、本当によかったです。
投稿: katsu | 2021年9月 1日 (水) 23時23分
katsuさん>
重太郎新道を登って、前穂往復してから吊尾根へと向かっている人も結構いて、皆さんすごすぎです(^^;
前穂からの展望って、ほんと素晴らしいですね!
確かに、山並みだけでなく道のりをぐるりと目で追えるのもいいですよね。
至福のひと時でありました。
岳沢小屋がなかったら、きっとうちら前穂には登れてないです。。。
再建、ほんとによかったです。
投稿: まきchin | 2021年9月 2日 (木) 22時34分