2021/6/26 金華山で開運祈願登山
東北の山が好きなまきchin隊としては、一度は行ってみたかった金華山。
石巻市の沖合に浮かぶこの島へは、女川か鮎川からのフェリーで渡るのですが、定期便は日曜のみ(土曜は臨時便)、しかも1日1便。
金華山滞在可能時間も2時間ほどしかなく、山を登るには時間が足りない!
海上タクシーを手配すれば時間は自在ですが、それはかなりお値段高め。
お正月や祭事の日はフェリーが複数便出るとのことなので、その時を狙おうかと思っていたのですが。
よくよく調べてみると、女川便は、月1回土曜日に「パワースポット便」として金華山滞在時間長めの便が出るらしい。
これを使えば金華山に登れる!てことで、早速フェリー予約して行ってきました。
#出発2日前には満席になったとのこと。早めに予約していてよかった(^^
女川港の離島航路ターミナルには、出発1時間前に到着。
東日本大震災ですっかり流されてしまった女川港は、10年経ってずいぶん復興が進んできてました。
#港前の市営駐車場(無料)はかなり広い。港沿いにもたくさん停められます。
早速受付してチケット購入。
この日の便はパワースポット便にて、行きは女川発11:00、帰りは金華山発15:15。
#通常の便だと、行きは同じ時間ですが帰りは金華山発13:30。
滞在時間2時間弱なので、トレランの人でもない限り登山は無理。。。
この日は明け方まで雨が降っていて、ちょっと怪しげなお天気。
フェリーの出発を待つ間も雨がぱらついたりして、天気晴れてくれるかなぁ、と不安に思いつつ。
出発15分前にフェリー乗船です。
定員60名ほどの船ですが、コロナ対策にて定員の7割程度で運航しているとのこと。
パワースポット便ということでガイド付きの別料金ツアーも組まれているので(昼食お寿司付き!)ツアーな人が大半かと思っていたら、登山の人も4~5組おられました。
金華山に登るには、パワースポット便が狙い目だもんね。
船長さんの震災話や金華山話を聞きつつ、船に揺られて30分ほどで、金華山が近づいてきました。
そこそこ早い船なんですが、まきchin、ちと船酔い気味。
船に乗るのは久しぶりで、船酔いしやすいの忘れてました。。。
というわけで、上陸した金華山。
さすが全山神域の島、海辺に建つ大きな鳥居から出発です。
まずは、黄金山神社を目指します。
神社へ向けて緩やかに登り上げる道から見渡すのは、折よく雲が取れてスカッと広がった青空の下の青い海。
水がとっても澄んでいてキレイな海!
道路をゆる~り登っていくと、参道入口に到着。
表参道と裏参道がここで分岐、行きは表参道を辿ります。
参道の両脇には杉並木。
神域な雰囲気満点ですな。
この金華山、青森の恐山、山形の出羽三山とともに東奥三大霊場に数えられているそうで、それも納得な神聖な空気が流れてます。
厳粛な気持ちになりつつ参道を歩いていくと、黄金山神社の入口に到着。
ここから登山道に入ることもできますが、まずは神社にお詣りしてから、ということで
鳥居をくぐって拝殿に向かいます。
この鳥居、震災により倒壊してしまったそうですが、立派に再建されてました。
大きな拝殿に到着。
聖武天皇の御世に、この地域で金が産出したことから、金を司る金山毘古神と金山毘売神がお祀りされているそうで。
3年続けてお詣りすると一生お金に困ることはない、とも言われる黄金山神社、心静かに開運金運健康成就をお祈りしました。
さて、ではお詣りもして心清々しくなったところで、登山開始。
拝殿の脇から沢を渡り、小さな鳥居をくぐって、奥の院登拝路を辿ります。
ここから山道が始まります。
歩き始めは、ちょろちょろと水が流れる沢沿いの道。
標高450m弱の島なのに湧き水あるんだなぁ、とちょっとびっくり。
緩やかな道を登っていくと、ブナの大木があちこちに登場。
地表を這うように根を張り巡らせた木々は、なんだかすごい迫力。
大きなコブのある木も。
たんこぶのような、布袋さんのおなかのような。
こちらのブナも、根張りがすごい。
なんでも、山全体が花崗岩のため地中に根を張れず、地表を根が這っているとか。
溢れる生命力!
それにしても、金華山にこんなに多くのブナ大木がある林が広がっているとは、びっくり。
海が近くて標高低いので、なんとなくそんな鬱蒼とした林があるとは思っていなかったのですが。
さすが、神域として歴史的に保護されてきた島ですな。
そんな山中では、神の使いの鹿があちこちでお食事中。
神社前の鹿はあまり逃げなかったけど、こちら山中の鹿はかなり警戒心強く、一定距離以上近づくとぴょんぴょん跳んで逃げていっちゃいました。
気持ちの良い林の中をのんびりと、神社から250m弱登っていくと、水神社に到着。
黄金山神社の水源泉が涸れることのないようにと願って建てられた神社だとか。
座禅を組んでいるような石像が2体、小さなお社の前にありました。
面白い形の木も多い林の中は、ひんやりと涼しくて気持ちよい。
キレイに整備されていて歩きやすい緩やかな道をさくさく登って
稜線上の八合目に出てきました。
ここで一気に海の展望が開けます!
そしてしかも、頭上には青空が広がってすこぶるいい天気。
出発するときにはまだ雨がぱらついていたのに、島に到着したのとほぼ同時に一気に天気回復♪
金華山のご加護か!と感謝しつつ、明るい稜線上を登って振り返ると
ばーんと広がる太平洋とリアス式海岸!
なんとも気分爽快な景色。
女川方面、アップ。
ギザギザと入り組んだリアス式海岸と小さな島々の景色がいいですねぇ。
こんな景色が背後に広がっているんですもん、歩きつつも何度も振り返って景色を眺めちゃいます。
海沿いの山でも、なかなかこんなに海がばーんと広がった景色は見られないですもんね。
しかも青空映して真っ青な海。
いやはや最高ですな。
開けた明るい稜線上には、所々にブナ大木。
木陰で涼みつつ、歩きやすく整備された道を登って
金華山山頂に到着。
山頂には、頂上奥の院 大海祇神社がありました。
海上安全、大漁豊漁の守護神の大海祇神、市杵島姫神(弁財天)がお祀りされているとのこと。
神社の脇には、二等三角点。
見晴らし良くて展望開けた山だから、一等三角点かな?と思ってたら違った。
神社のある山頂は木立に囲まれているので、西側に少し下って展望を楽しみます。
ここからの展望が、すこぶる素晴らしい!
開けた岩場から眺めるのは、牡鹿半島。
青い海に伸びる半島の向こうの島は、網地島と、猫で有名な田代島。
その先に広がるのは石巻湾。
石巻の市街地も見えてました。
牡鹿半島の北側には、ずい~っと青森まで続くリアス式海岸が続いてます。
三陸の海ですな。
牡鹿半島と金華山を隔てる海峡には、時折船が行き交ってました。
それにしても海底まで透けて見えるくらい澄んだ海、三陸の海はほんとキレイ。
パノラマで見るとこんな感じ。
目の前に広がるこんな景色に圧倒されてしまって、時を忘れて見入っちゃいました。
吹き抜ける風も爽やかで、ほんと気持ち良かったなぁ。
フェリーの時間がなければ、ずっとここでのんびりしていたいくらいでした。
・・・が、帰りのフェリーには遅刻厳禁。
遅れたら置いていかれちゃう。
名残惜しいですが、下山開始です。
下山は、二ノ御殿跡を回って下る周回ルートを辿ります。
二ノ御殿跡までは、開けた稜線上の道。
目の前に広がる太平洋を眺めながらの道が気持ちよい♪
この道、みちのく潮風トレイルのルートでもあるようで、所々にお馴染みの標識も。
金華山の東端、鮑荒崎に建つ金華山灯台も見えてます。
明治9年に点灯した、花崗岩造りの白亜の灯台だそうで。
灯台フリークにはたまらん感じかな?
展望の良い、明るく開けた道をゆる~り150mほど下っていくと、草地が広がる二ノ御殿跡に到着。
昔はここに何か建物があったのかな、今は何もない草地でした。
二ノ御殿跡からは90°向きを変えて、山の西斜面に広がる林の中を下ります。
行きの林と同じく、こちらも地表に根を這わせた大木があちこちに。
道はやや荒れ気味だけど、踏み跡はしっかりしてました。
林の中には猿も登場!
なんだか白っぽい毛並みのお猿さん、この金華山には200匹以上生息しているとか。
林の中はコケが生えてたりぬかるんでたり、湿っぽいところも何ヵ所か。
そんな所であっちにちょろちょろ、こっちにちょろちょろと寄り道しながら写真を撮っていたごろ太君の靴をふと見ると、大きなヒルが!
ヒル注意とは聞いてたけど、ほんとにいるんだな。
行きに登った道はヒルがいそうな雰囲気は皆無だったので、ちと油断してました(笑)
もちろんヒルは退治して、それから後は踏み跡を外さないようにして歩きます。
造林小屋を過ぎてしばらくすると、杉の植林の中の緩やかな道へ。
ここでも踏み跡を外さないように注意してたんですが。
あれ?
なんか藪っぽい道に突入してしまったような?
いくらこっち側は歩く人が少ないとはいえ、ちょっと藪が過ぎるんじゃないか、と思いながら歩いていると
廃墟ホテル跡に来ちゃいました。
ありゃー、道ロストしちゃったか。
どこで間違えたのかな。
幸い、正しい道に続く踏み跡がわずかながらあったしGPSも持ってたので、薮を漕ぎつつも正しい道に戻ることができましたが。
この日は帰りのフェリー便には必ず乗らないといけないので、ここで時間大幅ロストして船に乗り遅れたらどうしよう、と少々焦りました。。。
いやはや、いつ如何なる時も油断大敵ですな。
正しい道に戻った後は、海を高巻くほぼ平行な道を辿ります。
2年前の台風の影響か、所々道幅が狭くなっているところもありましたが、難なく歩いて無事黄金山神社の入口に到着、です。
やれやれ。
さて、では帰りのフェリーの時間まではまだ少し余裕あるので、境内をぶらぶらお散歩。
頂上にあった大海祇神社の遥拝殿、弁財天奉安堂にもお詣り。
八角形のお堂が美しい。
奉安堂の手前には、弁財天銭洗所。
もちろん洗っちゃいました、諭吉さん♪
お財布も洗ってお清めしましたよ~。
下山してからもお詣りできてよかった!
黄金山神社を後にして、心軽く港に向かう途中、のんびりと草を食む鹿たちに遭遇。
ここらあたりにいる鹿は、人が近くにいても逃げないのね。
山を見上げつつ、澄んだ海を眺めつつ、のんびり下って港に戻ってきました。
3時間半、山も神社も楽しめました!
これも天気回復してくれたおかげですな、弁天様に感謝です。
帰りの船から見る金華山。
来年も再来年も来て(できれば季節を変えて)、開運金運健康祈願したい(^^
帰りはそれほど船酔いすることもなく、無事女川に戻ってきました。
行きにはどんより曇り空で鉛色だった海も、帰りはスカッと晴れて真っ青な海。
穏やかな海でありました。
3時間足らずで歩ける山だし、と軽く考えていたら、ブナ大木のある林は美しく、稜線や山頂から眺める海は美しく、景色に心洗われて清々しく気持ちよく歩ける山でした。
折よく天気回復してくれて、ずっと青空が広がってくれていたのも良かった。
山全体が神域で厳かな空気が流れていて、黄金山神社にお詣りして山を登ることで、なんだか心もスッキリ浄化されたような。
3年続けて通えば一生お金に不自由しない、という金華山ですが、それだけでなく、この空気を感じにまた訪れたい島でありました。
下山後は、女川港近くの"女川海の膳 ニューこのり"で海鮮丼とうに丼に舌鼓(詳細は速報)。
新鮮な海鮮をいただいたら、道の駅上品の郷に移動して、併設の日帰り入浴ふたごの湯(700円)ですっきりサッパリ、です。
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コメント
金華山は敷居が高いと思っていましたが、パワースポット便で行けるのですね‼️
海鮮の食レポも、とても参考になりました🤗
投稿: 青空 | 2021年6月30日 (水) 21時19分
青空さん>
そうなのです、鮎川便しかないかと思っていたら女川便もあり、しかも女川は月1回、滞在時間長めのパワースポット便がありまして。
複数便出る正月に行くしかないか~、と思ってたのですが、パワースポット便、ナイスです!
私らと同様、山歩きの人も4~5組おられました。
ぜひ予約して、行ってみてくださいませ。
女川の海鮮、応援の気持ちも込めてぜひ召し上がってください!
食事処おかせい(かなりお勧め)は、営業時間10時~15時なので出発前にギリギリ狙えるかも?
ニューこのりは、金華山から戻ってきてからも行けます。
どちらも、この4月に整備されたばかりの道の駅女川(街全体が道の駅、というコンセプトだそう)至近ですし、港からも至近です(^^
投稿: まきchin | 2021年6月30日 (水) 21時44分
覚えていますかな…ご無沙汰しております。
おら方さ来たんだね。(嬉笑)
ここは小粒ながら原生林の残る、東北の屋久島…ですど。
もう少し早かったら沢沿いにクリンソウがお迎えでしたが…。
今度はブナの原生林が色づく秋に来ますとマリンブルーに映える紅葉が見られますよ。
牡鹿半島との海峡は3.11の大津波で底が見えたとかです。
んでまず。(それではごきげんよう)
投稿: maro7 | 2021年7月 1日 (木) 21時01分
maro7さん>
こちらこそ、大変ご無沙汰しております!
こんなご時世ではありますが、お邪魔させていただきました。
金華山、空気も自然も隔絶されている感がたっぷりで、思った以上に素敵な山(島)でした。
大震災の時のお話は、フェリーの船長さんからもいろいろお聞きして言葉を失いました。。。
またお邪魔させてくださいませ。
投稿: まきchin | 2021年7月 1日 (木) 21時43分