2021/6/20 北蔵王の稜線歩き・雁戸山、南雁戸山
東北地方も梅雨入りしたこの週末は、日曜日のみの山歩き。
土曜日は雨、日曜は雲多めながらなんとか天気もちそう、ということで、まだ歩けていなかった北蔵王の稜線歩きへ。
蔵王と言えば、花いっぱいの南蔵王・不忘山や屏風岳、お釜を眺められる熊野岳や刈田岳がメジャーどころですが、それらの山並みを眺めることができる北蔵王も、一度は歩いてみたかった山。
雁戸山の近辺は岩稜が多く、ガンドウ(大型の鋸)の歯のような形状をしていることから雁戸山(がんとさん)という名がついたとか。
登山口は、宮城と山形の県境の笹谷峠。
30台くらい停められそうな大きな駐車場にはまだ数台停まっているのみ、今回も人少な目な早朝出発です。
#トイレあり
#下山してきたら駐車場は満車かつ路駐の列でしたので、早め出発がおそらく吉
4年前には、この駐車場から北側の稜線を辿って山形神室、仙台神室を歩いたわけですが、今回はここから南側の稜線を辿って雁戸山と南雁戸山を目指します。
駐車場から道路を挟んだ向かい側にある雁戸山登山口から出発。
電波塔や高圧電線の鉄塔が立ち並ぶ中、コンクリ舗装の道を歩いていくと
立派な山工高避難小屋の傍らには、お地蔵様が佇んでました。
平安時代からの街道が通る笹谷峠に立つ六地蔵の一つだそう。
お地蔵様や峠近くの史跡を巡って歩ける笹谷遊歩道も整備されてるそうで。
小屋を過ぎると、刈払いされた笹原の中の道。
さすが笹谷峠、一面笹原が広がってるんだなぁ、なんて思いつつ。
そしてこのまま開けた稜線上を歩いていくのかと思いきや
ブナやナラ、ダケカンバの雑木林の中へ。
こんなにキレイでいい感じの林が広がってるんだ!
道沿いには、北蔵王縦走コース、の古びた看板。
北蔵王縦走コースは、笹谷峠から雁戸山を経て熊野岳に続く、18km近くもある縦走路。
通り抜けで歩く猛者もおられるようですが、我らは笹谷峠から雁戸山、南雁戸山をピストンで歩きます。
タニウツギ、ガクウラジロヨウラク、ツクバネウツギ、サラサドウダン
濃い緑の林の中には、色とりどりの花がたくさんで華やか♪
タニウツギやウラジロヨウラクの薄桃色や、しゃらんしゃらんと鈴の音を響かせてそうなサラサドウダンが可愛らしい。
急なところはなく終始緩やかに登る道で気持ちいいんですが、足元はかなりぬかるみが多く滑りやすい。
快適、ではないなぁ。。。
ドロドロというよりも、にゅるんにゅるん。滑りまくり。
前日に雨が降ったからかなぁ、と思っていたけど、どうやら雨が降っても降らなくてもいつもにゅるんにゅるんらしい。
にゅるんベルグ(=山)じゃないか!!なんて冗談言いつつ(^^;
滑らないように足元に神経集中して登りつつも、ふと顔を上げると頭上には満開のサラサドウダン。
圧巻ですな。
そんな道をのんびりゆる~り、登山口から450m弱登り上げて
宮城コースとの分岐に到着。
今歩いてきたのは、稜線の山形側につけられた山形コース。
帰りはここから、宮城側の宮城コース方面へと下る予定。
さて、ここから蟻ノ戸渡り手前の滑川分岐までは、ブナ林の中のトラバース道をほぼ平行移動で歩きます。
木立の隙間から見上げるのは、目指す雁戸山!
いよいよ見えてきた山頂に、テンション上がります(^^
根元が大きく曲がったブナの木々。
豪雪に負けないよう、ブナも頑張ってるんだな。
ハクサンチドリ、ユキザサ、ズダヤクシュ、マイヅルソウ
足元には小さなお花たち。
顔を上げれば、タニウツギの向こうに雁戸山♪
ピンクのタニウツギに縁どられた景色がいいですね~(^^
・・・が、このトラバース道、道幅狭く、根曲がりブナを越えたり滑りやすいところあったり、とちとめんどくさい。
まぁ楽ちんなトラバース道なんてないもんなぁ、とか思いながら25分ほど歩いて
小さな広場の滑川分岐に到着。
新山を経由して山形市へと下る滑川コースが分岐してました。
さて、ここからは雁戸山目指して稜線上の道を辿ります。
山頂までは標高差120mほどの登りですが、まずは目の前に聳える蟻ノ戸渡りの狭い岩稜の道を越えねば、とドキドキ。
これまで歩いてきた林の中の道から一転、開けた稜線の道。
それでも、意外と道幅あり足場もしっかりしているし、灌木の中の道なのでそれほど怖いところはなかったかな。
まぁ、足元注意なことには変わりないですが。
岩場の登りもあり。
そんな岩場の道ですが、ここにもまたいろんな花が咲いてます。
花に和みつつ岩場な道を登っていくと、間近に雁戸山が迫ってきて。
いよいよ最後の急坂に取りつきます。
登ってきた稜線や、仙台神室や大東岳の山並みを背に、急坂をぐい~っと。
浮石の多い道にはロープもかかってます。
そして、道沿いにはコバイケイソウがいっぱい!
真っ白でふさふさのコバイケイソウ、まさかここにこんなに咲いてるとは。
今年はコバイケイソウが各地でたくさん咲いているとのことなのだけど、当たり年なのかな。
つい最近まで春の花を見ながら歩いていたのに、コバイケイソウが咲き始めると一気に初夏な雰囲気ですな。
そんな道をえいやぁと登り上げて
雁戸山山頂、到着。
山頂標識の向こうには、熊野岳や刈田岳といった中央蔵王の山並みがずら~り。
山頂付近には雲がかかってるかな、もう少ししたら晴れるかな。
東側には仙台市の街並みと太平洋。
海に浮かぶ金華山も見えてます!
太平洋側はいい天気ですな。
もちろん山形市の街並みも一望。
仙台神室に登った時も、山形の市街地がキレイに見えていたなぁ、と思い出したりして。
雲多めながら、ぐるり大展望を楽しむことができました。
先行の1組はどうやら南雁戸山方面へと歩いて行ったようで、山頂到着時には誰もいなかったですが、後からトレランのお二人が到着。
朝早くの出発が幸いし、静かな山頂でありました。
さて、では我らもこの先の南雁戸山目指して出発。
せっかくの稜線歩きなのでもうちょっと歩きたいし、10時近くには雲も晴れてきそうな予報だから展望も期待できそうだし。
山頂から少し下って笹雁新道の分岐を過ぎると、一気に100m下る急坂に突入。
この道がまたすごい道だったなー、ちょうど顔のあたりに灌木が茂っていて藪っぽく、しかも足元かなり滑る(にゅるんにゅるん)!
道が滑り台のようになっていて、これどうやって下るの?!てなところもあり。
・・・あまりのにゅるにゅるっぷりに、引き返そうかと思っちゃったよ(^^;
それでもどうにか下りきり、南雁戸山に向けて100mの登り返し。
南雁戸山へ登る道は、滑りやすいところはほとんどなくてちょっと岩がちな道で一安心。
シャクナゲ、ナナカマド、ミヤマハンショウヅル、ツマトリソウ
シャクナゲは、まだつぼみの株も結構多く、これからたくさん咲きそう。
ミヤマハンショウヅルはすごかったなぁ、シャクナゲにみっしり絡みついてたくさん花を咲かせてました。
これだけたくさん咲いてると、なんだかちょっと怖い(笑)
雁戸山を背に、開けた稜線をぐい~っと登ります。
風がかなり強く吹き抜ける稜線ですが、おかげで涼しいし虫もいないし、で快適。
南雁戸山山頂、到着。
先行の方は熊野岳までの縦走なのか、先に進んで行かれたようでお姿なし。
2人占めの山頂♪
そしてこちらも雁戸山に負けず劣らず好展望の山頂!
折よく、刈田岳や熊野岳の稜線も顔を出してくれました。
そこに向けてずい~っと伸びる北蔵王縦走路がなんともかっこいいですな。
中央蔵王の山並みの左後方には、南蔵王の不忘山や屏風岳も見えてました。
蔵王のお釜、アップ。
刈田岳のレストハウスや、刈田岳山頂の神社や鳥居も見えてます。
歩いてきた山並みを振り返るとこんな感じ。
真ん中の雁戸山、ひときわどっしりしたお姿でありますね(^^
山頂はかなり風が強かったので、少し下ったところで風をよけつつ景色眺めつつ一休み。
一息ついたら、来た道を戻って下山開始、です。
目の前に雁戸山を眺めながら、の大展望の道。
帰りも風に吹かれながらの気持ちいい稜線歩き、と思っていたら、下山とほぼ時を同じくして風が弱くなり、同時にブヨが大発生してたかられまくり。
久々に耳喰われました(^^;
いやー、もう虫な季節かぁ。。。
行きによじ登っていた岩場も、下りは高度感かなりあり慎重に下ります。
まぁ、にゅるんにゅるんで滑る道よりは全然いいな。
コルまで下ったら、雁戸山へはそのにゅるんにゅるんの道を登り返し。
下りよりも登りの時のほうが滑りにくいんだなぁ、なんて思いつつ、それでもだいぶ苦労して登り返し。
しかも藪っぽいし。
顔にかかる灌木をかき分けつつ登っていたら、袖口にダニがついていて、うへぇ、と振り払ったり。
ちょうど下ってくる方とすれ違い、いやー大変な道ですね~、なんて話しつつ。
山頂直下の笹雁新道分岐に到着してヤレヤレ。
南雁戸山への道は、人がいなくて静かだし大展望の稜線が気持ちよかったけど、雁戸山からの下りの道がずるずる滑りすぎて難儀でした。
そして戻ってきた雁戸山山頂は、ちょうど団体さんがおられて大混雑。
早々に山頂を後にして、下山開始です。
山頂直下の滑川分岐までは、開けた稜線上の道。
登ってくる人、下る人とのすれ違いも多く、行きとは打って変わって賑やかな道をさくさく下ります。
滑川分岐からトラバース道を過ぎ、山形コースとの分岐からは宮城コース方面へ。
下りは、稜線の宮城側の宮城コースを辿ります。
やや藪っぽい道を5分ほど緩やかに歩いていくと、開けたカケスヶ峰に到着。
避難小屋の向こうには、歩いてきた雁戸山が聳えてます。
歩いてきた山をこうやって眺めるのって、いいよねぇ。
ベニバナイチヤクソウ、イワシモツケ
草原広がるカケスヶ峰の片隅には、こんな花が咲いてました。
気持ちよく開けた草原で、目の前にどっしり聳える雁戸山を眺められるカケスヶ峰。
のんびり一休みするにはよさそうなとこでありました。
さて、まきchin隊は、景色をぐるりと眺めたら下山続行。
こちらも山形コースと同様、ブナやナラ、ダケカンバの明るい林の中の道。
美しい林に癒されます♪
でも、足元はやっぱりずるんずるんのにゅるんにゅるん。
山形コースよりもにゅるんにゅるん度合いは上をいっている気がする。。。
ブナ大木も多く、とっても美しい林なのですが。
いやはや、滑りやすい足元に参りました。
そんな林の中をゆる~り下っていくと、笹谷峠が近くなったところで笹原に出てきました。
ここからちょこっと寄り道したところに
有耶無耶の関跡。
平安時代から、太平洋側の奥州と日本海側の羽州を結ぶ重要な街道が通っていた笹谷峠にあった関。
風土記によると、近くに旅人を捕らえる鬼が棲んでおり、山中の鳥が、鬼がいるときは「有也」、いないときは「無也」と鳴いて旅人に知らせたのがその名の由来だとか。
伝記はともかくも面白い名の関跡、ここにも寄り道したかったのでした。
有耶無耶の関跡の近くには、延命地蔵も。
行きに拝んだお地蔵様と同じ、六地蔵の一体であります。
関跡に寄り道した後は、笹原の中の道を歩いて笹谷峠に戻って終了。
駐車場は満車で路駐の列、雁戸山へ登る人も仙台神室へ登る人もこの笹谷峠から登るということもあり、人気の山域でありました。
もっと急峻な山道をアップダウン繰り返す道なのかと思ったら、急坂な道はほとんどなく穏やかな道でした。
蟻ノ戸渡りや南雁戸山の手前がやや岩っぽかったくらい。
道がかなりぬかるんでいるところが多く難儀したけど、稜線からの景色は素晴らしかった。
蔵王の山並みや、山形宮城の県境の山々、そして太平洋まで眺めることができました。
朝早くの出発ということもあり、静かな稜線歩きも楽しめたのもよかったです。
下山後は、笹谷IC近くのるぽぽかわさきオートキャンプ場の日帰り入浴へ(500円)。
やや狭いけどキレイなお風呂にのんびり浸かったら、近くのラーメン渓流で味噌ラーメンに舌鼓(詳細は速報)、でありました。
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コメント
こんばんは!
ランキングから来ました!
綺麗なお花と緑の多い山はとても気持ちが良さそうですね!!
投稿: じゅん | 2021年6月28日 (月) 22時31分
じゅんさん>
色とりどりの花がいっぱいで、楽しい山歩きでした。
これからの季節は、緑も花も楽しめますね(^^
投稿: まきchin | 2021年6月29日 (火) 22時10分