2020/11/1 南東北晩秋山行・栂峰
晩秋の山歩きと飯豊連峰の大展望を楽しみに、栂峰へ。
山形と福島の県境、飯豊連峰と吾妻連峰に挟まれたこの山は、毎年白露の日(9月8日頃)に例大祭が行われるそうで、その前に地元の方がアプローチの林道や登山道を整備されているとのこと(なんともありがたい!)。
歩くなら秋、ということで、晩秋のこの季節を狙って行ってきました。
登山口へは、飯豊町の小屋集落の奥から林道を4kmほど走って向かいます。
林道は、例大祭前に整備されたと思しき箇所も多くて結構走りやすかったけど、所々渡渉や溝があり、また車高低い車だと確実に擦りそうな所もあり要注意。
登山口手前には切り返し必須なヘアピンカーブがあり、そして登山口直前は結構悪路でおっかないところも。
それでも地元の方が整備してくださってるおかげで、登山口手前の広場に無事到着。
まぁ、白神の小岳や藤里駒ヶ岳に比べれば、全然走りやすい林道でした(比較対象が・・(笑))。
#広場には10台くらい駐車可能。
やっぱりこの日も誰もいないなぁ、と思いつつ、準備して出発です。
広場の奥に続く道を辿っていくと、すぐに小さな沢を渡る木橋が登場。
一面苔で覆われていて滑りそうだったので渡渉したけど、実はこの苔のおかげで全然滑らなかったらしい。
(なので帰りは橋を渡りました)
木橋を渡ったところには、天照大神の祠と黒滝神社の祠がありました。
そういえば林道入口にも大きなお社があったなぁ。
ここから先、山頂までの道の途中にも様々な神様がお祀りされている、信仰のお山であります。
祠に道中の無事をお祈りしたら、出発。
最初は杉林の中の急坂を九十九折りに登り上げて
明るい紅葉の尾根上へ。
ちょうど登山口付近が紅葉まっさかりということもあり、この尾根上も明るい紅葉に包まれてます(^^
細身のブナが多い道ですが、中にはこんな大木もちらほらと。
どの木々もいい色合いだなぁ。
暖かな色合いの黄葉を楽しみつつ、狭い尾根上の急坂をぐい~っと200mほど登っていくと
道は再び杉の植林地の中へ。
この幹の曲がりっぷりが、このあたりの豪雪っぶりを現しているような。
杉林や草藪の中の道は、刈り払いもばっちり。
歩きやすく整備された道をありがたく100mほど登っていくと
道は再びブナ林の尾根へ。
ちょうどこの尾根に登り上げたところはまだ紅葉がかろうじて残っていたけど
すぐに紅葉は終了、すっかり落葉した道に。
ここから先はずっと、明るい晩秋の道を落ち葉をざくざく踏んで歩きます。
落葉したブナの中の尾根はなかなかの急坂。
息を整えつつ登っていくと
1,102mの小ピークで、直角に向きを変えて緩やかな尾根上へ。
灌木に包まれた尾根道は、狭いトラバースでやや滑りやすいところもありますが。
所々にクロベやヒバの大木がかたまって立つ尾根上からは、所々で左手の展望が開けます。
山裾は紅葉真っ盛り、そんな山並みが重なる向こうには、朝日連峰と月山。
近くの斜面の木々もすっかり落葉して、白い梢がお日様に照らされて輝いてます。
なんだかパステルカラーのような色合いが面白い。
こんな晩秋の色もあるんだな。
緩やかに尾根上を歩いていくと、沢筋への踏み跡がある水場分岐を過ぎ、ブナ林の急坂へ。
かなりの急坂に息をつきつつ登りますが、ここらあたりのブナ林がこれまた見事。
見上げんばかりのブナ大木がにょきにょきと立つ道、これは新緑の時期や黄葉真っ盛りの頃もステキだろうなぁ。
ぐい~っと登り上げていくと、道の真ん中に御田神社の石祠が登場。
道の真ん中に祠があるなんて、びっくり!
そしてここから山頂までは、道端の所々に神様が祀られている道であります。
御田神社を過ぎてしばらく登っていくと、道は再び緩やかになり、所々にクロベの木々が登場。
いろいろ植生が斑になってて面白いな。
高度が随分上がってきたということもあり、展望も上々。
さきほど左手に見えた朝日連峰や月山も、ずいぶんクッキリ大きく見えてきた。
そして右手の木々の向こうには、いよいよ飯豊連峰も登場!
待ってました、この景色が見たかったのよね。
そんな尾根を歩いていくと、途中で保倉神の木札が、そしてその先には駒形神社が登場。
神社だけど祠はないのね。
なくなってしまったのか、それとももともとないのか。。。
駒形神社を過ぎると、再びブナ林の中を登ります。
前方に眺めるのは山頂稜線、いよいよ山頂が近くなってきた。
既に標高1,400mを越えているのですが、見事なブナ大木がにょきにょき立つ林。
森の山なんだなぁ。大木がいっぱい。
ブナ林を登りつつ振り返ると、そこにはお待ちかねの展望。
冠雪の飯豊連峰が、どかーんと!
大日岳から飯豊本山、北股岳とずら~り連なる山並みは壮観。
その手前には紅葉の山肌が重なっていて、これまたなんともいい感じ。
飯豊連峰を背にブナ林を登ります。
何度も立ち止まって、この素晴らしい飯豊の山並みを眺めちゃう。
・・・なんせ、ここが飯豊の一番の展望ポイントだものね。
そんな飯豊大展望のブナ林を登り上げると、ようやく山頂稜線へ。
稜線に上がったところには、御室神の石祠。
祠の前には、燃えさしのろうそくが2本立ってました。
稜線の北側に尾根続きで見えてるのは、お隣の飯盛山かな。
昔は飯盛山への道があったらしいけど、今は藪の中。
御室神の先には石凝姫神の木札があり、その先には蔵王神社。
この山頂稜線、立て続けに神様が登場します。
そして道も、オオシラビソに囲まれた森閑とした雰囲気に。
所々ぬかるんでるけど、キレイに刈り払いされていて穏やかで歩きやすい道。
オオシラビソの大木がにょきにょき。
この山は大木が多いんだなぁ、さきほどまではブナ大木やクロベの大木がいっぱいだったし、ここいらはオオシラビソ大木に囲まれてるし。
蔵王神社から先は、市祥島姫神、金山彦神、中奥神社、稲倉魂神、五社山神、鹿島神、伊左那左神、神武天皇、と木札が続きます。
まさに八百万の神々が祀られた道、信仰の山であります。
木札に手を合わせつつ、厳粛な気持ちでオオシラビソの道をゆる~り歩いていくと、山頂直下で再びブナ大木の中へ。
ここにきてまたブナブナ!
ブナ林を50mほど登り上げた先は、笹薮の中の刈り払い道。
日陰には前々日の雪が残る道を歩いていくと
山頂には2つの石祠が。
少名彦神、栂峰山大神の木札がそれぞれに添えられてました。
もちろんここでもお詣りです。
山頂からは展望がないけど、少し東に下ったところに展望台があり。
#展望台に立派なう○○があり、踏みそうになってビビった。。人が踏む心配のないとこでしてほしいな(^^;
こちらは月山。
登っている途中にも少し見えていたけど、さすがに栂峰山頂からはクッキリ大きく見えて感動。
・・・月山の左裾に真っ白な山が見えていたのだけど、もしかしたら鳥海山?
月山のお隣の朝日連峰。
飯豊ほどではないけど、こちらもすっかり冠雪。
遠くには越後三山や御神楽岳、守門岳、浅草岳も見えたりして。
山頂の周りを行ったり来たりしながらではありましたが、結構いろんな山々を眺めることができました。
山頂でのんびり日向ぼっこしながら腹ごしらえしつつ、展望台付近からの展望も楽しみつつ。
ゆっくり過ごしたら下山開始、来た道を戻ります。
栂峰の上空は雲が増えて日が陰ってきたけど、飯豊にはまだタップリ日が当たっていて、真っ白に輝く山並みがまぶしい。
今年も行けなかったなぁ、なかなか遠い山並みでありますね。
途中、地元の4人組の方が登ってこられてしばしおしゃべり。
横浜からこんな地味な山に来るんだ!とびっくりされちゃいましたが、いやいやいい山じゃないですか~
というか、栂峰は、飯豊連峰をキレイに眺めることができるこの時期をずっと狙っていたのでした。
4人組さんと別れたら、あとはひたすら下ります。
落ち葉がざっくざくの急坂は、落ち葉がクッションのようにタップリ積もっていてとっても下りやすい。
前日に引き続き、落ち葉ざくざくの急坂を跳ぶように下るごろ太君(笑)
落ち葉のおかげで急坂下りも楽!
そんな感じでざくざく下っていくと、登山口近くの紅葉エリアに突入。
ここまでの晩秋モノトーンの世界から、一気にいろんな色に溢れる道に。
ほっこり暖まるような色合いに包まれて、心もほっこり暖まりつつ。
最後に紅葉でシメってのもいいですな。
ブナ林が主体ながら、途中クロベの大木もあり、そして山頂稜線はオオシラビソの森。
山頂近くまで見られるブナ大木も素晴らしく、まさに森の山。
数々の石祠や神様の木札に厳粛な気持ちなる信仰の山でもあり。
それになんと言っても、間近に眺める飯豊連峰は大迫力。
ズバッと開けた展望はないけど、朝日連峰や蔵王連峰、吾妻連峰など周囲の名だたる山並みも眺めることができて、しみじみいい山でありました。
期待通りの静かな晩秋山歩き、存分に楽しみました(^^
下山後は喜多方に移動して、桜井食堂でラーメン⇒本物の動くSL(SLばんえつ物語号)の迫力にビックリ⇒道の駅喜多の郷の蔵の湯(500円)でのんびり(詳細は速報)。
その後に帰宅、でありました。
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コメント
素晴らしい景色!よく晴れた秋空!
行ったことないので、ブログ記事を月1観て行きます!
投稿: 清水 瑛太 | 2020年11月 7日 (土) 11時03分
清水さん>
ありがとうございます(^^
雪や凍結等で状況一変しますので、十分チェックされた上で行かれてくださいね!
投稿: まきchin | 2020年11月 8日 (日) 23時29分