2020/8/13-15 北アルプス・裏銀座縦走(1日目)
1日目(8/13):高瀬ダム~ブナ立尾根~野口五郎小屋
2日目(8/14):野口五郎岳~水晶岳~鷲羽岳~三俣山荘
3日目(8/15):三俣蓮華岳~小池新道~新穂高
今年の夏休みは、諸事情あって土日含めた4日間のみ。
コロナの影響は全く収まっていないし、山小屋やテン場は営業していなかったり予約制だったり。
予約不要なテン場や日帰り圏内はかなり混んでいるとのことで、できるだけ空いてるところに行きたいまきchin隊、さてどうしようか?
・・・というわけで、先日(2020/8/1-2)歩いたばかりの裏銀座へ再び。
野口五郎小屋と三俣小屋テン場を予約して行ってきました。
8年前(2012/9/15-17)に歩いた時と同じルートを辿ります♪
#山行にあたっては、マスク、体温計、除菌スプレー等持参、体調面や最近の行動面で問題ないことは確認済。
スタートは、先日と同じく七倉から。
今回は新穂高へ抜けるので、贅沢に南安タクシーの車回送サービスを利用です。
#トイレは七倉山荘の奥にあり。キレイ。
七倉から高瀬ダムへは、5時半始発のタクシーで向かいます。
この日もタクシー待ちは6人のみの激空きの状況、2台に分乗して15分ほどで高瀬ダム着。
#始発時間は時期によって異なります。
#タクシー1台2,400円。
高瀬ダム堰堤の上でタクシーを降りて、さて出発。
ダムの周りの山肌には朝日が射しこんでるけど、その上の稜線にはみっしり雲が。。
どこからともなく雨粒も飛んできてるし(^^;
天気予報もそうだったけど、やっぱりこの日は雨かなぁ。
初っ端に通過する不動沢トンネルは、この日も真っ暗。
タクシーの運転手さんによると、最近の大雨で、照明がショートしちゃったそうで。
トンネル入口に懐中電灯が置いてありました(が、うちらはヘッデン装着で)。
トンネルのお次は吊り橋を渡ります。
先日はなんともなかった床板が、割れてる箇所もあったりしてビックリ。
踏み抜いたらシャレにならないでしょう~
ブナ立尾根の登山口へは、ダムから30分ほど歩きます。
砂地の河原をざくざく歩いて
最後は濁沢に架かる橋を渡ります。
・・・なんか先日より傾いてないか?!(笑)
というわけで、無事登山口に到着。
ここから標高差1,260mのブナ立尾根が始まります!
さぁ、今日も気合入れていきますよ~
登山口から歩き始めてほどなく、鉄製の階段が始まります。
まだ急坂に体が慣れてない朝イチの階段をゆっくり登ります。
階段を過ぎてからも延々と続く急坂。
そりゃ北アルプス三大急登の一つ、ブナ坂尾根ですもんねぇ。
その名のとおり、ブナ林の中の急坂をぐい~っと登ります。
さすが北アルプス、急坂なれどもばっちり整備されてて歩きやすい。
登山口のNo.12から始まり、烏帽子小屋のNo.0までほぼ100mおきに登場する番号標識を数えつつ登っていくと
No.9、ごんだ落としに到着。
この大岩が「ごんだ」なのかな。
カニコウモリ、コガネギク、タマガワホトトギス、ギンリョウソウモドキ
登山道沿いに咲く花々は、10日前とは随分変わってました。
特にタマガワホトトギス、10日前には道沿いにいっぱい咲いていて蕾もたくさんあったのに、この日はもうほとんど咲き終わり!
いやはや、花の命は短くて、季節は秋へと移ろいぬ。
No.9のごんだ落としを過ぎると、ブナ林からコメツガ主体の林の中へ。
コメツガの根がごつごつと絡み合った細い尾根上の道。
朝からぱらぱらと降っていた雨が、時折さぁっと降ってくるようになったので、ザックカバーつけて歩きます。
この日はテン泊装備ということもあり、ザックが重くてなかなか足が進まない。
しかも木立の中の道はかなり蒸し暑くて汗だくだく、結構体力消耗しますね。。。
ホタルブクロ、マルバダケブキ、オオバギボウシ、オミナエシ
所々で木立が開けたところには小さな花畑が広がってます。
天気良ければそこからちょっとした展望も楽しめるのだけど、この日はガスってて展望なし、代わりに?花々が疲れを癒してくれました。
そうして黙々と歩いて登山口から1,000m近く登り上げると、No.4の三角点に到着。
いやぁ、登ってきましたねぇ。
稜線上まではあと350m!
三角点を過ぎると、だんだん岩がちな道に。
大きな岩の間を抜けたり、岩の上をよじ登ったり。
足元も、これまでの土の道からザレた砂地っぽい感じになってきた。
ゆっくりではありつつも、順調に高度を上げていくまきchin隊。
このまま雨も降らずに天気回復してくれたらいいなぁ、なんて思ってたけど
その願いもむなしく、No.3の標識を過ぎたあたりから雨が本格的に降ってきました。
あーあ、やっぱり降ってきちゃったか。
雨具フル装備で歩くのは久しぶり。
木立の中ということもあって雨は大したことはないけど、蒸し暑い尾根の急坂なので雨具の中は汗でびっしょり。
ベンチレーションついてる雨具だけど、暑いもんは暑い。。。
雨足が強くなったり弱くなったりする中、時折下ってくる方とすれ違いつつ黙々と登ります。
稜線はどうなってるのかなぁ、この雨に加えて強風だったりするとかなり辛いなぁ。
そんなことを考えながら登っていくと、No.1の広場に到着。
広場を見下ろすようにどっしりと立つ大きなダケカンバの木に見送られ、最後の一登りで
稜線上の烏帽子小屋に到着!
小屋の前のイワギキョウの花畑は、10日前は満開だったけどこの日はもう7割方咲き終わってました。
ここも雨が降ってたので、軒下で雨宿りしつつ腹ごしらえ。
ここから野口五郎小屋への稜線は結構風も強そうだし、こんな汗びっしょりの状態では寒い(体温下がって危険?)だろう、というわけで、物陰でごそごそと乾いた服に着替えてから
いざ、稜線歩きへ出発。
烏帽子小屋の先に広がるテン場(今年は閉鎖)を過ぎると、あとはほぼずっと吹きさらしの稜線上の道。
風、めちゃくちゃ強い!
しかも雨は降ってないのに、富山側から吹き付ける風に飛ばされてやってくる雨粒がバチバチ打ち付けてきて痛い!!
雨粒が飛ばされてバチバチと顔に当たってくるのって、とばっちり感がハンパない(笑)
やめてくれないかなぁなんて思いつつ。
それでも、雨が降ってないだけでもありがたい(雨粒が飛ばされてくるくらいで済んでよかった)。
三ツ岳へと続く道を黙々と登り、ふと振り返ると歩いてきた稜線が眼下に。
まったくのガスガスというわけでもないのが、またありがたい。
三ツ岳の手前の砂ザレ斜面には、まだコマクサが所々に咲いてました。
淡いピンクの色合いにはかなり癒されます(^^
足元には、ミヤマコゴメグサの大群落があちこちに。
小さくて地味な花だけど、こんなに絨毯のように咲いてるとこれはこれで壮観で。
三ツ岳の肩に登り上げると、三ツ岳の岩場の斜面をトラバース。
所々で大きな岩を伝って歩くところもあるけど、ざらざらした岩なので濡れてても滑らないのがありがたいですな。
そして三ツ岳のトラバースを過ぎると、花畑コースと展望コースの分岐に到着。
こんな日はもちろん花畑コースでしょう!
花畑コースは稜線の長野側の窪地、したがって風も弱めでなかなか快適。
ほっと一息つきつつ、道沿いの花畑に癒されつつ歩きます。
ヨツバシオガマ、ミヤマキンバイ、ミヤマタネツケバナ、チングルマ
10日前まではあった残雪もこの日は既にすっかりなくなっていて、その跡にはいろんな花が咲いてました。
蕾もいっぱい、これからまだまだ咲きそう。
チングルマの綿毛もあちこちに。
まだ開ききっていない綿毛が、雨に濡れてしっとりしてるのもまた可愛らしい。
咲いてる花々の顔ぶれも随分変わっていて、季節の移ろいを感じる花畑でありました。
風も穏やかな花畑、癒されました!
花畑を過ぎると再び稜線上の道、こんなに風強くて吹き飛ばされないのかしら?なんて思いつつ。
眺める景色もないので、黙々と足を進めます。
風は相変わらず強いけど、吹き飛ばされてくる雨粒もだいぶ少なくなってきたような。
天気回復してきたかな、なんて思いながら歩いてると
ふと振り返ると、歩いてきた稜線が一望!
おまけに頭上にはうっすら青空までお目見え。
よっしゃー、最後の一登り頑張るぞ、と小屋手前の最後の登りを過ぎて歩いていくと
小屋手前で、とうとう野口五郎岳山頂が雲の中から登場!
やったー、と思わずガッツポーズ(^^
はい、そして無事野口五郎小屋に到着です。
またお世話になります!
今年は予約制で定員を半分に減らして営業している野口五郎小屋、この日も4畳半くらいの小部屋を2人で使用。
混雑時にはここに8人くらい入るってことなので、いやはやなんとも。
ブナ立尾根で降られた雨で濡れたザックカバーやレインウェアは、稜線上で風に吹かれてあらかた乾いてるような気もしたけど、なんとなくしっとりしてるので乾燥室へ。
小屋の外でビール飲んでしゃべってる間に、すっかり乾いてくれました。
ありがたい!
そして夕飯前に小屋の周辺をぶらっとお散歩。
黒部の山々方面も、だいぶ雲が少なくなってきた。
晴れてくれないかなぁ、なんて見ていると。
赤牛岳からの稜線の先には、水晶岳も見えてきました。
みるみるうちに雲が晴れていく景色、テンション上がりますね♪
立山や後立山にはまだ雲がかかってましたが、裏銀座の稜線はこのとおり!
風は相変わらず強いけど、雲が晴れて景色が見えてくれたのは嬉しい(^^
頑張って登ってきてよかったなぁ。
歩いてきた稜線を眺めて、満足満足。
そして小屋に戻っていただいた夕食は、ハート形の目玉焼きがのったカレーライス♪
これ、かなり盛りがいいしカレーも濃厚で美味しくて。
それに、こんな状況でもこんなにおいしい食事をいただけるなんてありがたい限り。
夕食を済ませたら、今度は夕陽を眺めに稜線上へ。
この日は雲が多めだけど、それはそれでまた幻想的な景色が楽しめたりして。
刻々と形を変える雲もまた楽し。
振り返ると、表銀座の稜線がほんのり染まりつつあり。
空もほんのり染まってますね。
薬師岳に沈む夕陽に照らされて、雲がキラキラと黄金色に輝いて。
スッキリ晴れてる日の夕焼けもステキだけど、こうやって雲が多い日の日の入りもまたステキ。
雲のフィルタを通して眺める夕陽が、なんとも幻想的。
日が沈んでからも、頭上に雲が染まってなんとも深い色合い。
淡い青に深い青、太陽の黄金色に雲の茜色。
いろいろな色合いが楽しめる日の入りでありました。
小屋に戻ったらバタンキュー。
それでもごろ太君は夜中に起き出して星空を撮影していたようで。
南の空を横切る天の川と木星と土星。
こんな満天の星空も久しぶり、山の中じゃないとみられないこんな景色も満喫、でありました。
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コメント
ブログランキングから到着し、拝見させていただいております。ハイキングしか知らないので、リュックの大きさに驚いています。さぞかし、おもいですよね。野口五郎という宿泊所の名前にもびっくり。景色も素晴らしいですね。最後の星の写真がなおいいですね。ありがとうございます。
投稿: hidechan | 2020年8月27日 (木) 23時26分
hidechanさん>
コメントありがとうございます。
この時は久々のテント泊装備だったので、ザックが無駄に大きくなってしまってたかもです(笑)
野口五郎小屋は、野口五郎岳の山頂直下にある小屋です。管理人さんもとても温かく、いい小屋でした!
山の上なので空も澄んでいて、星もとってもキレイでした(^^
投稿: まきchin | 2020年8月30日 (日) 15時36分