2018/11/24 七面山
晩秋の山歩きは、この時期お馴染みの山梨へ。
信仰の山歩きシリーズってことで、土曜日は七面山、日曜日は身延山を歩きます。
道の駅なんぶで車中泊して、早朝に七面山表参道の登山口の羽衣へ。
春木川沿いの細い舗装路を走って、登山口手前の駐車スペースに駐車です。
#登山口手前のトイレのあるスペースに10数台駐車可能。その手前にも駐車スペースがたくさんありました。
前日登って敬愼院に泊まった方達の車かな、登山口近くの駐車スペースは8割方埋まっててぎりぎりセーフ。
トイレ行ったりしながら準備して、明るくなったころに出発です。
一丁目の石燈籠が建つ山門から、50丁目の敬愼院、そしてその先の山頂目指してスタート。
ちょうど、白装束の信徒の方々が白糸の滝の前でお題目を唱えていて、谷間にこだまする声に送られて歩き始めます。
日蓮聖人の高弟日朗が開いた、七面大明神が祀られる信仰の山、歩き始めから神聖な気持ち。
杉並木の中の歩きやすい道。
緩やかに幅広に整備されていて、さすがは信仰の道。
5分ほど登ると神力坊に到着。
お休み処や売店もあり、坊の方が開店準備されてました。
神力坊を過ぎてもまだまだ続く杉並木の道。
丁目が刻まれた石燈籠を数えつつ登ります。
電信柱も杉の木と同じ色にカモフラージュされてて面白い。
ゆる~り登っていくと紅葉も登場。
ちょうど標高600~700m付近がいい感じに染まってます。
登山口から400m弱登ったところで、13丁目の肝心坊に到着。
どの坊にも休憩用ベンチがあり、トイレもあるのでありがたい(トイレは紙持参)。
道沿いにはベンチも多数。
10歩ごとにベンチが登場してるんじゃないか?!なくらい。
一つ一つが信徒の方の寄進だそうで、その数にびっくり。
(ちなみに、丁目が刻まれた石燈籠も寄進されたものだそう)
ありがたいお言葉や標語?もそこかしこに。
読み上げてふむふむとかみしめつつ、一歩一歩登ります。
肝心坊から200mほど登って、23丁目の中適坊に到着。
この頃になると、山頂直下の敬愼院に一泊した人達が下ってくるのとすれ違い多数。
皆さん口々に「ごくろうさまです~」とおっしゃるところも、すこぶる信仰の山。
(だって普通の山だと、おはようございます、とかこんにちは、とかだし)
そういえば登ってる人も、8割以上信徒の方のようでした。
普段山歩きをしない信徒の方にとっては、いくら緩やかに整備されてるとはいえ、この距離この標高差の表参道はかなりキツイだろうなぁ。。。
坊で一息つきつつ、明るい杉並木の道をゆる~り登ります。
東尾根上の道なので、明るくて気持ちいい!
ずっと木立の中の道なのかと思いきや、展望開ける箇所もあり。
身延山や櫛形山、その向こうの甲府市街の先には金峰山や瑞牆山も。
富士山もすっきりお目見え♪
敬愼院手前の遥拝台からは富士山が一望とのことで、それを楽しみに登ります。
そして中適坊から350mほど登って沢音が聞こえるようになってくる頃、36丁目の晴雲坊に到着。
小屋の前の水場からは水がじゃぶじゃぶ、トイレも水洗(穴の下を水が流れてる!)。
木々の隙間からは、北岳と間ノ岳、農鳥岳が♪
もう真っ白ですね~(o^-^o)
高度を上げていくにつれて、だんだん周囲の山々が見えてくるのも楽しくて。
晴雲坊を過ぎれば、次の目的地は山頂直下の敬愼院、あと一息頑張るぞ!と歩を進めます。
こまめに登場する○丁目の石燈籠に加えて、こんな古い町目石碑も。
元文三年って書いてあるけど、なんと280年前に設置されたものだそうで。
41丁目から上は、先日の台風21号の影響で倒木多し。
全てキレイに片づけられていたけど、41~42丁目の間は迂回路がつけられてました。
さて、ここまでずっと晴れていた道ですが、41丁目あたりから東側からガスが上がってきて霧の中に。
稜線から富士山や南アルプスを眺めるのを楽しみにしてたのに、なんてこった!
上のほうは晴れてるなんてことはないかな~、とほのかに期待しつつ登ります。
霧の中の道を登っていくと、46丁目で和光門が登場。
いきなり立派な門が出てきてビックリ。
ここから先は敬愼院の寺域、生ぐさものは禁止、との看板が。
門をくぐると、敬愼院へ向けてまっすぐ伸びる参道へと入ります。
いよいよ近づいてきた感が満載、わくわくしつつも厳粛な気持ちで歩を進めていくと
鐘楼のある広場へ。
自由に撞ける(連打は禁ず)とのことなので、ごぉ~んと一撞き。
鐘楼の脇の手水には、つららができてました。
あまり風もなく穏やかな天気なのでそれほど寒くはなかったけど、やっぱり結構冷え込んでるんですねぇ。
鐘楼の広場の上には、49丁目の随身門。この門もかなり立派。
この門をくぐって階段を下った先が50丁目の敬愼院ですが、そっちは後で寄り道することにして、まずは山頂を目指します。
#随身門のある広場が富士山の遥拝所だけど、ガスが上がってきてて富士山見えず。。。
ここまでは明るい杉林の中をかさこそと乾いた落ち葉を踏みながら歩いてたけど、随身門から先はちらほらと前夜の雪が残るしっとりした道。
苔や落ち葉の上に粉砂糖のようにうっすら積もってます。
随身門から先の道も概ね緩やか。
なんだか奥秩父のような雰囲気のカラマツ林をゆる~りと歩いていくと
目の前が開けて、ナナイタガレの大崩壊地が!
年々崩壊が進んでいるそうで、確かに見ている間もカラカラと音を立てて少しずつ崩れていってました。
そしてなんとここで、霧の中から抜け出して雲海の上へ。
その上にはスッキリ聳える富士山♪(o^-^o)
ここで晴れてくれたのも、七面大明神のご加護か?!なんて。
ナナイタガレの縁に沿って山頂へと登る道は、シラビソ林の中。
南アルプス南部っぽい雰囲気が満点の道を歩いていくと
七面山山頂、到着!
山頂は木立に囲まれて展望なし、でも開けた草地で一休みするにはいい感じ。
日向ぼっこしながら一息。
当初の予定では、ここから敬愼院へ戻って北参道を下るつもりだったのですが。
山頂で一休みしてた方はみんな、この先の希望峰まで足を延ばしている様子。
・・・希望峰に寄り道したら、時間的には表参道を戻らないとちょっと厳しい。
でも希望峰まで行けば、南アルプスの大展望もゲットできる!というわけで展望に軍配、周回プランは諦めて、希望峰へ寄り道決定。
希望峰までは、シラビソ林の中を50mほど下って登り返し。
かなり倒木も多く、乗り越えたりくぐったり迂回したりするところも多い。
#七面山から先は、倒木処理が追いついてないようで。
道が狭まってる箇所や少し急なところもあり、これまでとは打って変わっていかにも山道な道を歩いて
西側の展望が開けた希望峰に到着。
狭いスペースですが、ここから南アルプスの大展望を楽しみます。
笊ヶ岳や青薙山の稜線の向こうには、荒川岳や聖岳、上河内岳。
茶臼岳や光岳っぽいのも見えてました。
この角度から南アルプスを眺めるのって、なんだか新鮮。
山並みもクッキリ、稜線を目で辿って山座同定したり歩いた時のことを思い出すのも楽し。
希望峰、来てよかった!o(*^▽^*)o
20分ほどのんびり展望を楽しんだら、来た道をゆっくり戻ります。
シラビソの木々越しに見えてるのは希望峰ですな。
賑わっている山頂を過ぎて随身門まで戻ってきたら、50丁目の敬愼院に寄り道です。
彼岸の中日には、富士山山頂から昇る朝日がこの門を通って本堂のご本尊を照らすとか。
なんとも神秘的な場所、そしてこの山中にこんなに大きくて立派な建物が建っていて驚き。
そしてこの敬愼院の境内は身延山久遠寺の寺領で、身延町の飛び地だそう。
敬愼院に泊まって登拝する信者の方(もちろん登山者も)が多いようで、そんな人たちが到着する度にお坊さん達が出迎えてました。
私らにも、中で休めますからどうぞ~、と声をかけていただいてありがたし(o^-^o)
本堂の裏には一ノ池。
龍神である七面大明神がおられるそうで。
表面には一面氷が張ってました。
なかなか神秘的な空間。
漂う霧に射しこむ日差しも雰囲気ありまくり。
さすがは聖地。
すごいとこでした!
敬愼院を後にして下山を始めると、和光門の上で鹿さん登場。
何やらもしゃもしゃ一生懸命食べてました。
そして我らは、来た道を下ります。
それほど傾斜がキツイところもなく、行きは登ってるうちにいつの間にか山頂に着いちゃった、な感じだったので、下りも楽々かと思いきや、標高差も距離も結構あるので足にじわじわくる。。。
行きは坊で一息入れながら、でしたが、帰りは一気に下って登山口へ。
信仰の山歩きはなかなか骨のある道、でも歩く人を厳しくも優しく迎え入れてくれる道で、素敵な道でありました。
どんな人も敬愼院までは歩いて登らねばならず、信徒もそれ以外も何やら一体感が生まれてるようで、それも良かった。
ごくろうさまです、とお互いねぎらいあうっていいよね、とっても。
なんだか心が洗われました。
〆は、川向こうの白糸ノ滝へ。
ここで徳川家康の側室お万の方が身を清めて、七面山の女人禁制を解いたとか。
そんないわれのある滝を眺めて、この日は終了。
下山後は、六郷の里つむぎの湯へ(キャンペーン中につき、町外者400円)。
空いてるお風呂でのんびりして、スーパーで買い出ししたら、この日は道の駅みのぶで車中泊であります。
> 11/25 身延山へ
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