2018/8/13-15 南ア・荒川岳 単独テン泊山行(3日目)
1日目(8/13):椹島~千枚小屋
2日目(8/14):千枚小屋~千枚岳~荒川岳~荒川小屋
3日目(8/15):荒川小屋~小赤石岳~大倉尾根~椹島
事前の天気予報では、この日は一日いいお天気とのことでしたが。
早朝チェックしてみると、午前中から崩れて翌日いっぱい悪天予報。。。
当初の予定では、赤石岳を越えて百間洞まで、と思ってたのですが。
稜線上で天気崩れるのも、携帯の電波が入らない百間洞で停滞するのもいやだなぁ、というわけで、この日で下山決定。
というかそのつもりで、帰りのしずてつバスを稜線上からネット予約済だったのであります。
便利な世の中ですな。
テン場の皆さまは、暗いうちからヘッデンつけて出発されてましたが。
ヘタレのまきchinは、日の出前、ほの明るくなってから出発。
朝空を眺めたら、小屋の脇から登山道へ。
歩き始めは灌木の中の滑りやすい急坂、ほどなく開けたトラバースの道に。
そして森林限界を越えたところで、ちょうど日の出であります。
黄金色に輝く空と雲海がなんとも美しい!
進む先の斜面も、朝日に照らされて茜色♪
これ、ほんとにこれから天気悪くなるのかしらん、とか思いつつ、トラバース道をゆる~りと。
そしてほどなく、開けた大聖寺平に到着。
ここから小赤石岳までは、ガレた斜面を400m弱登ります。
西側には、雲海に浮かぶ中央アルプスと北アルプス。
この時点では、宝剣岳や槍穂もクッキリ。
ガレた斜面を九十九折りに登る道から振り返れば、荒川小屋からのトラバース道と荒川岳が背後にどかーんと。
なかなかいい眺め♪
150mほど登っていくと、傾斜が緩やかになってダマシ平に到着。
その名の通り、ここで楽になるかと思えばさにあらず、ここから小赤石岳の肩へは200m弱のガレた急斜面が待ち受けてます。
・・・いやまぁ、わかってることですけどね。
いつまで晴れてるかなぁ、なんて思いながら急斜面の九十九折りの道を登っていくと、前方の稜線には怪しげな雲がもっさり。。。
ありゃ、もう雲かかっちゃったか。
時を同じくして冷たく強い風が吹き付けてきて、いかにも天候崩れそうな怪しげな感じ。
フリース着込んで、若干足早に(といってもそれほど急げない)小赤石岳の肩へ向けて急斜面を登ります。
そしてなんとか雲に巻かれることなく小赤石岳の肩まで登り上げて振り返ると、前日歩いた荒川岳の稜線が一望。
こうやって、歩いてきた稜線を眺めるのって、縦走の醍醐味ですな♪
左手には富士山。
・・・が、雲がかなり湧き上がってきていて、今にも隠れちゃいそうな感じ。
こりゃのんびりしてる場合じゃないな、と思いつつ前方を見てみれば。
あれ?
小赤石岳の先には、まだ赤石岳の山頂が見えている。
もしかして、稜線は晴れたまま?
・・・なぁんてのはやっぱり甘くて、この直後には稜線の西側からガスが上がってきて、赤石岳山頂はガスに包まれちゃいました。
東側はまだ晴れてて、西側のガスのスクリーンにはブロッケンが!!
ブロッケンを見れるのは嬉しいけど、それよりもスカッと晴れてる稜線のほうがもっと嬉しいな。
背後の荒川岳にはまだ雲がかかりきってないけど、そろそろあっちも怪しそう。
というかこっちの稜線はもっと怪しい、いつガスガスになってもおかしくないので急いで歩くべし、と足早に歩いていると、あっという間にガスの中。
しかもそれだけでなく、霧雨&強風も襲来!
かなり寒いので、こりゃヤバい、と岩陰で雨具装着。
更に足早に稜線を歩いて
小赤石岳に到着。
写真撮るだけで、そそくさと通過。
早く稜線から下りたい、との一心で先を急ぎます。
小赤石岳から大倉尾根分岐まではほんの一歩き、と思ってたけど、なんだか意外と長く感じました。
ほんの10分ほどの稜線歩きだったけど、ガス&霧雨&強風&単独って、気持ち的に辛かった。。
大倉尾根分岐に到着したときは、思わず「よっしゃー!」と独り言。
天気良ければ赤石岳に寄り道するつもりだったけど、迷わず一目散に大倉尾根へ。
稜線からの下り始めは、急斜面のガレた九十九折りの道。
花もいろいろ咲いてるけど、カメラを取り出して写真撮る余裕もなくひたすら下るのみ。
一刻も早く、この霧雨強風の世界から脱出したい一心。
濡れた岩は滑りやすく、急斜面のガレ道も滑りやすく。
足元注意で黙々と下り、ようやく雨風が収まったところで下ってきた斜面を振り仰ぐと、こんな感じでありました。
・・・稜線はまた晴れたのかな。いやいや、晴れたりガスったりだろな。
稜線に若干未練を残しつつも下ります。
ミヤマシシウドやホソバトリカブト、ハクサンフウロ、ミソガワソウ、ホウキアザミが咲き乱れる斜面。
沢地形の中をがっつり九十九折りに下っていくと、尾根をトラバースする道へ。
若干登り勾配?なこのトラバース道、木立の中なので小雨程度なら濡れずに安心なのだけど、所々滑りやすい大岩あり、ロープのかかる岩場の登りあり、桟橋あり。
しかもアップダウン多くて、意外と絞られる。。。
随分ヤラレ気味になりつつ、最後にハイマツの中をぐい~っと登ると
富士見平に到着。
晴れてれば、ここから荒川岳、赤石岳、聖岳、上河内岳、白峰南嶺、富士山が一望だそうなのだけど。
生憎ガスガスにて何も見えず。
ここで一休みしてる人達もたくさんいたけど、なんだか雨もぱらぱら来てるようなのでさっくり通過。
ここから先はシラビソ林の中の道を一下りで赤石小屋に到着、同時に雨がばらばらっと。
トイレ休憩がてら、小屋の軒下で雨装備を整えて出発。
ここから先は林の中だけど、雨がばらばらと木立を通して降ってくる中を下ります。
小屋からはいったん小ピークに登るけど、あとは椹島までひたすら下り。
林道跡の樺段まで750m弱、シラビソ林の岩ごろの急坂を下ります。
岩も木の根も滑る!!
昔来たときは飛ぶように下ったけど、今はそんなことしたら膝壊しそうなので、しっかりゆっくり一歩一歩。
途中で雨足が弱くなり、しかも降ったりやんだりなので、雨具を脱いで下ります。
樺段から先は、少し緩やかになってヤレヤレ。
樹相も、針葉樹のシラビソから広葉樹になって、なんだかほんわかした感じ。
そんな緩やかな道を400mほど下っていくと、最後の300mは再び急坂。
ブナやダケカンバの林の中、岩や木の根がごつごつした道をぐい~っと下ります。
一人で黙々と下ってると、いい加減いったいどこまで下るんだ?!と息がつまりそうになってきたりして。
まだか~、長いぞ~、とぶつぶつ呟きつつ。
最後は杉だか檜だかの植林地の中、急斜面を九十九折りに下って
ようやく最後、ハシゴを下って林道に。
長かった。。。ほんと長かった!
稜線から一気に2,000m弱下ってきました。この道、絶対登りたくないな(笑)。
林道を左に進んで下ると、椹島に帰着。
いやほんと、なんだか安心して涙出てきました。。。キツかった~
椹島ロッジで宿泊受付して、部屋に荷物置いたら、あとはひたすらのんびりタイム!
#宿泊受付は13時から。そしてこの日も贅沢に個室泊(素泊)です。
生ビール飲みつつ、テントやマットを天日干し。
どんどん乾いていくのが快感、椹島は晴れててくれてよかった!
腹ごしらえは、椹島レストハウスで椹サンド&生ビール。
このサンド、具のベーコンがめちゃウマ♪
ロッジでお風呂にも入ってサッパリ、いやはややっぱり椹島は最高!
・・・そして翌日。
山中から予約してたしずてつバスは、畑薙ダム14時半発。
それに乗るには、椹島13時発の東海フォレストバスに乗ればいいので、朝からマッタリのんびりモード。
荷造り済ませて、ロッジチェックアウトの8時までうだうだ部屋で過ごしてから、レストハウスでモーニング(前日予約必要、1,000円。食べる時間は6時~8時の間で選べます)。
ベーコンエッグとサラダとパン、ヨーグルト、ブルーベリージャムとコーヒーのおしゃれなモーニング。
実はこれにソーセージもついてたらしい。
後から追加で(サラダとコーヒーはオマケ)出してくださいました(o^-^o)
モーニング、かなり美味しかった!椹島でノンビリするときにはお勧め。
その後はロッジのロビーでのんびり過ごして、椹島13時発の東海フォレストバスで畑薙ダムへ。
畑薙ダムからは、14時半発のしずてつバスで静岡駅へ(3時間半強かかった)。
静岡からは新幹線で横浜に帰着、であります。
初めての単独テント泊。
全てが自分の裁量に任されてるし、いろいろ自由で思ったよりも楽しかったけど、思ったよりもキツイとこもあったな。
でもやっぱり、山にいる時間は、単独でもそうでなくても素晴らしく、大好きでかけがえのない時間だなぁと思えた山行でありました。
毎日雨に降られたけど、それも込みでいろいろ学べたし楽しかった!
無事に歩けて良かったです。
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コメント
ごろ太さんのお怪我、お見舞い申し上げます
初めての単独テント泊とは意外でした
不安定なお天気とお盆の微妙な時期ながら効率良く山を楽しまれましたね
投稿: 青空 | 2018年8月23日 (木) 21時11分
青空さん>
ありがとうございます。
ごろ太君、おかげさまで随分良くなってきました。
単独での日帰り山行や小屋泊山行は何度かあるのですが、テント泊山行は初めて!
稜線歩きの日がちょうど晴れてくれて良かったです(^^
投稿: まきchin | 2018年8月24日 (金) 00時02分
おつかれさまでした。
ですよね(^○^)
僕もいつも大聖寺平を出るときはいつも
「今回こそは笑って小赤石まで行く」
と誓っていきますが…いつも返り討ちに(^o^;)
今日は風が…なんて自分にいつも言い訳してます(^o^;)
貧乏性なんで椹島も二軒小屋も泊まったことないんですよね。
下山して食う下界の食べ物ってなんであんなにおいしいんでしょうか?
投稿: katsu | 2018年8月24日 (金) 22時11分
katsuさん>
ですよね~
大聖寺平を通るときはやる気満々なんですけどね(笑)
椹島はほんと居心地よかったです。下山後に椹島でノンビリ、ってもう最高です♪
下界の食べ物、沁みますよね(^^
投稿: まきchin | 2018年8月24日 (金) 22時45分