2017/9/9-10 剱岳を見に、剱沢へ(2日目)
※雪渓や道の状況は、年や時期によって全く異なるので、事前にしっかり情報収集すべし、です。
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この日はかなりの長丁場。
道の状態も不安だし、黒部ダムから扇沢までのトロリーバスに乗り遅れたら大変なので、日の出と同時に歩きはじめる予定だったのですが。
・・・夜半から強くなった風は朝になっても収まらず、むしろ強くなってきているような?
テントも煽られまくってるし、外はかなり寒いし、剱岳には雲かかってるし、でテンション上がらず、結局明るくなるまでうだうだしちゃったヘタレなまきchin隊。
剱岳アタックの人たちは3時くらいには出発して、登山道沿いにヘッデンの明かりが列を作ってるっていうのに。(;´▽`A``
ぐずぐずしてたら、だんだん空が明るくなってきて。
おまけに、剱岳にかかっていた雲も晴れた!
よっしゃ、と急いでテント撤収して
朝日に照らされた剱岳を拝んで、出発!
予定より1時間以上も出発遅れちゃいました(^^;
まずは剱沢小屋までちょいと下り。
剱岳、晴れたのは一瞬で、あっという間にまた雲かかっちゃいました。
剱沢小屋の横から、剱沢雪渓へと下る道へと入ります。
沢の右岸のザレた道を下っていくと
雪渓末端に到着。
ここで軽アイゼンつけて雪渓の上へ。
雪渓の真ん中が結構薄くなってるように見えるけど大丈夫かなぁ、とビビりつつ。
初めて歩く剱沢雪渓は、それほど斜度が急なところもなし。
雪面硬めだけど、アイゼンつけてれば問題なし。
正面に見えるギザギザは、八ッ峰かな?
迫力ある眺め!
ごろ太君、『剱岳点の記』の登場人物の気持ちになりきって歩いてます。
なんか楽しそう。
両側から間近に迫る岩壁が大迫力。
細かな沢が合流してたり、岩壁からの落石や木の枝がごろごろ転がってたりする雪渓を下っていくと、平蔵谷の出合に到着です。
見上げると、岩壁に挟まれた狭くて急な谷。
なんと、スキー担いで登ってる方がおられました!!
こんなに雪面硬くてぼこぼこで、落石もごろごろしてるとこでも、滑る人いるんですねぇ。。。
いやはやびっくり。
すごいなぁ、としばし見上げて、我らは先へと下ります。
平蔵谷の先で少し急になったけど、それほど問題なくざくざく下って
バリエーションルートなので、私らには登るのは無理だけど、長次郎谷の入り口に立てたのは嬉しかったな。
さて、剱沢の管理所で確認した情報によると、長次郎出合の先で、真砂沢ロッジの取水ホースが雪渓を横切ってるところで左岸の夏道へ、とのこと。
仰せのとおり、左岸の岩ごろのトラバース夏道を下っていくと、また雪渓。
あらら。
もしかして、このまま雪渓歩いて真砂沢ロッジまで下れちゃう?とか思ったけど、やっぱりそうはいかなくて。
トラバースの夏道で滝を巻いて、最後にまたちょびっと雪渓を下っていくと、真砂沢ロッジが目の前に見えてきました。
小屋の前にはテン場もあり、水場もキレイなトイレも完備。
そんな小屋の前で一休み。
目の前には剱沢。
なんだかすごくいいトコじゃないですか。(o^-^o)
ここでテント張ってもう一泊したい!なあんて。
一息ついてから、この先の道の状況を小屋の方にお聞きすると、すぐ先の三ノ沢雪渓が崩落してて渡れない、とのこと。
手前で剱沢の雪渓を渡って右岸の迂回路を行くことになるけど、その雪渓も割れてきてるから気を付けて、だそう。
ありがとうございます!と左岸の道を下っていくと、三ノ沢の手前で
それでは、と剱沢に残る雪渓を渡って右岸へ。
・・・って、この雪渓も結構心もとない感じだし(^^;
で、渡った右岸からさてどう歩こう?と思ったら
ロープでよじ登って、ザレた崖の上へ。
雪渓の状態によって、どこを歩くかは変わってくるみたいなので、要注意でありますね。
崖の上によじ登ったら、あとは岩ごろの迂回路を歩きます。
細かくアップダウン繰り返しながら歩いていくと
ハシゴ谷乗越へ向かう道に合流。
さあて、ここからハシゴ谷乗越まで300mの登り返し!
尾根に登り上げるまでは、木立の中の岩ごろの道。
途中の水場までは沢の中みたいな道だったけど、そこを過ぎればひたすら岩ごろ道。
でも木陰が涼しくて、助かる♪
途中、開けたガレ沢を横切るところで振り返ると、どかーんと剱岳の東面が。
手前のギザギザしてるのは八ッ峰かな。
その向こうの剱岳には、まだ雲かかってるみたい。
乗越に着くころには、きっと剱岳の雲も晴れてくれるはず!
そう信じて、さらに傾斜を増した道をえいやぁ、と登ります。
尾根が近くなってくると、ハシゴの連続!
さすがはハシゴ谷乗越。(o^-^o)
そして、乗越から北側に延びる尾根に上がると
仙人峠方面が一望。
池ノ平小屋や仙人池ヒュッテも見えてます。
いつかは行きたい!
ウキウキ歩いていくと
ハシゴ谷乗越に到着。
ここからは剱岳方面は見えず、黒部別山方面に少し藪を分け入って、展望台(の手前)へ。
北側には、剱岳と八ッ峰。
ここからは剱沢は見えないのね。
でも、晴れてくれてうれしいな♪
南側の眼下に広がるのは、これから下る内蔵助平。
その奥には、丸山、鳴沢~赤沢、針ノ木の山並みですかね。
ここはほんといいとこだよ、と、2月に山で亡くなった山トモが言ってた山域。
ほんといいとこだね、今度は池ノ平や仙人池に行くね、と心の中で話しながら、しばし景色に見とれてしまいました。
・・・が、まだまだ先は長い。
あまりここでノンビリしてるわけにはいかず、景色眺めて一息ついたら、出発。
まずは、内蔵助平へ向けて330mの下りです。
下り始めは、キレイに刈り払われた笹藪の中の道、そのうち白い岩がごろごろ転がる涸沢の中へ。
岩だらけの道を下るのは、なにげにキツイ。。。
涸沢には、途中何本も枝沢が合流してきてました。
下ってる分にはいいけど、登りだと迷いそう。
そんな岩ごろの急坂を30分ほど下っていくと、「内蔵助平もう少しファイト!」の文字が。
おおお、予定より早いじゃないの!とテンション上がるも
傾斜が緩やかになっただけで、内蔵助平にはなかなか到達せず。。。
道が緩やかになってからが、えらく長かった。
はやく内蔵助平につかないかな~、と涸沢の岩ごろの道を黙々と下っていくと
ようやく、内蔵助カールからの道と合流する内蔵助平に到着。
あ~、疲れた。。。岩ごろの道は足が疲れますわ、ほんと。
ちょっと開けたここで一息ついて、水場で水も補給したら、内蔵助出合へ向けて出発。
内蔵助平を出てすぐ、沢を2回渡るけど、最初の沢には橋がかかってました。
橋の上から真砂岳方面を眺めます。
今度は真砂岳から内蔵助カールを下ってみたい。
そして2本目の沢をじゃぶじゃぶ渡ると、あとはひたすら、岩壁見上げながら内蔵助谷沿いのトラバース道を歩きます。
この道が結構辛かった!
基本的には下り傾向なんだけど、道幅狭いし、アップダウン多いし。
岩ごろだったり、ロープやハシゴがかかってたり、と足下にも気を遣う。
が、景色はすごい。内蔵助谷に迫る岩壁の眺めが圧巻。
右手を見上げると、頭上に聳える丸山東壁。
黒部の三大岩壁の一つ、黒部の巨人、ていうらしい。
そして左手には、これまた黒部三大岩壁の一つ、黒部の魔人こと大タテガビン(たぶん。でも違うかも)。
・・・つーか、どの山も岩々すぎて、どれもみんな魔人に見える(^^;
そんな岩壁を眺めつつ、沢を高巻く道を下っていくと、崩壊したよなガレ場を一気に下って沢近くへ。
ごうごうと音をたてて流れる沢の脇を、大岩伝って下る道。
ごろ太君がほんの芥子粒みたいに見えちゃうくらい、ものすごいスケールの沢。
これが黒部の源流か!!
岩壁も沢も大迫力な道を下ります。
前方の、岩小屋~針ノ木の稜線が近づいてきたな、と思っていると
内蔵助出合に到着。
ここで下ノ廊下への道が分岐しますが、今年は土砂崩れで通行できないそうで、分岐も閉鎖されてました。
上から見た出合はこんな感じ。
通行止めではあるけど、橋はかかってる。
さて、ここからは黒部ダム目指して歩きます。
心なしか、道幅も幾分広くなり、歩きやすい道。
相変わらずの高巻きトラバース道だけど、枝沢を横切るところや道幅が狭くなってるところには立派な木の橋がかかってたりして。
こんな感じで、岩肌に刻まれた道。先人がこの道を刻んだんでしょうな。すごい。
足下の黒部川は、黒部ダムからの放水で青白く濁ってます。
そんな道を、もうひたすら黙々と歩いていくと
ようやく黒部ダムに到着!
絶賛観光放水中、水しぶきがここまで飛んできてました。
しっかりとした橋で向こう岸に渡って、トラバース道は終了!
いやぁ、長かった。
ここまで来れてホッとした~(o^-^o)
・・・が、ここで山道は終了、ではなく。
ダムまで200mほどの登りが待ってます。
木立の中の九十九折りの道。
これが地味にしんどかった。。。(;´▽`A``
最後の最後にこれかぁ、と気力ふり絞って登っていくと、砂利道にひょっこり出てきて山道終了。
砂利道を少し登って、工事用車道にぶつかったところで左折(最初、間違えて右に行っちゃったら、工事で行き止まりになってた)。
このまま車道を歩いて、黒部ダムに出るのかと思ったら。
なななんと、ダムじゃなくてトロリーバスの駅に出られるのでした!
秘密の入り口みたいのが突然登場してびっくり。
入口をくぐると、水場やトイレがあって二度びっくり。
これ、どこに出るんだ?と歩いていくと
なるほど、そういうことか。
駅ホームのちょっと先の車道脇に出てきました。
そういえば、日電歩道・内蔵助谷方面登山者用出口、て書いてあるのがバスの中から見えたっけな、と思い出したりして。
というわけで、無事にトロリーバスの黒部ダム駅に到着、であります。
ちょうどバスが出たところだったので、30分待って次のバスに乗って、扇沢に下って終了。
いやはや、剱沢雪渓が無難にクリアできたのでホッとしてたのですが。
その後の、ハシゴ谷乗越から内蔵助平までの岩ごろの涸沢道、そして内蔵助平から内蔵助出合までの沢沿いトラバース道が結構キツかった。
それでも、キレイに刈り払いされてたし、わかりやすく整備されてたし(最近整備に入ったらしい)。
すれ違う人もほとんどなく、静かでマニアックな道。
立山にもこんなところがあるのか!と、キツイながらも私ら的にはかなり好みな道だったな。
下山後は、薬師の湯(物味湯産手形使用)で汗を流して、安曇野のひさりな食堂で腹ごしらえ(詳細は速報)。
久しぶりのテン泊、久しぶりの北アルプス、そして久しぶりのガッツリ山歩きに大満足、でありました。
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コメント
こんばんは。
劔沢から真砂経由とは…
健脚ですね(^O^)
天気もよくてうらやましいです。
今年は雪多かったんでしょうか?
さて3連休ですがねぇ…
僕は秋田駒の予定でしたが、
バスや新幹線が止まって帰ってこれなくなりそうなのでとりあえず取りやめに。
まぁ仕方ないですね(^_^;)
投稿: katsu | 2017年9月15日 (金) 21時29分
katsuさん>
いやはや、疲れました!
ハシゴ谷乗越から先がえらく長かったです(^^;
今年はどうやら雪が多かったようで、剱沢の雪渓も問題なく歩けましたよ。
こればっかりは毎年状況変わりますからね。。。
三連休は、台風がビンゴになっちゃいましたね~
安全第一、うちらも家でノンビリかな?と思ってます。
投稿: まきchin | 2017年9月15日 (金) 23時50分