2014/10/25-26 晩秋の白峰南嶺縦走(2日目)
1日目:奈良田~笹山~白河内岳
2日目:白河内岳~大籠岳~広河内岳~大門沢~奈良田
夜中、トイレに起きると外は満天の星。
こんなに近くて降るような星空は久し振り、思わずしばらくウットリ見とれちゃいました。
そして明け方、4時頃に起きるとテントの内側は結露でびっしょり。
凍ってないってことはあまり気温下がらなかったのかな、と思ってたら、やっぱりフライシートは凍ってバリバリ。
・・・そりゃそうだよね。
だんだん明るくなってくる空を見ながら、出発準備してテント撤収して。
雲海に浮かぶ富士山を眺めながら、出発。
この日は下り坂の天気予報ということもあり、朝時点で稜線に雲がかかってたらそのまま来た道を戻ろうと思ってたのですが。
頭上は晴れてるし、雲は高いところにしかかかってないし、てことで、広河内岳へ向けて縦走開始!
白河内岳へは、こんな岩ごろの道を登ります。
所々にある石積みを辿って歩きますが、これ、ガスってたら方向間違えちゃいそうね。
そうして岩ごろ地帯を登っていくうちに、この日の太陽も顔を出して。
朝日に照らされる塩見岳や荒川三山には雲がかかっちゃってますが。
茜色に染まる雲は、これはこれで美しい。
稜線の上で拝む日の出は、やはり格別ですな。
雲も空も稜線も、ほんとキレイ。o(*^▽^*)o
茜色に染まって岩ごろの道を登り上げて、平らに開けた白河内岳山頂に到着です。
お久しぶりの白河内岳。
また来たよ、と山頂標識にそっとタッチ。
塩見岳方面は相変わらず雲の中、そんならさっくり先へ行きますかね、と早々に稜線歩きへ。
前方には、これから歩く穏やかな南嶺の稜線と、その先に連なる農鳥岳や北岳が見えてますね~♪
いやはや、いい稜線だ。
さて、ここから大籠岳へは、ゆるやか~に稜線上を歩きます。
開けた岩ごろの稜線上の踏み跡はかなり薄く、所々にある石積みを辿って歩くのですが・・これまたガスってたら支尾根に入りこんじゃいそう。
この日の稜線上は晴れてるので、そんな道迷いの心配はないけれど。
展望に見とれていると、ついうっかり目印を見逃しちゃったりして。(;´Д`A ```
時折ハイマツをかき分ける箇所もあり。
そんな感じでゆる~り稜線を歩いて
大籠岳山頂(2,767m)、到着~
特に顕著なピークというわけではなく、穏やかな稜線上をノンビリ歩いてたらいきなり山頂標識が登場。
それでも、どか~んと近くに迫る農鳥岳や北岳が大迫力の山頂です(^^
いやぁ、いいねいいね。
前方には、緩やかにアップダウン繰り返しながら広河内岳へと延びる稜線。
この稜線上に登ってくるまでと、ここから下るのが大変な道なんだけどねぇ。
稜線は、ほんと穏やかで展望開けて素晴らしいトコです。
左後方には、塩見岳や蝙蝠岳、荒川三山に悪沢岳が控えてますが。
やっぱり雲がかかってますな。
大籠岳から広河内岳の間は相変わらず岩ごろだけど、所々にテント張れそうな窪地や平地もあり。
白峰三山から南下してきて、このあたりにテント張るのもいいかな、なぁんて思ってみたり。
稜線の東側を覗きこむと、大唐松尾根の斜面は、その名の通りカラマツの黄葉で真っ黄色。
あの斜面を見上げながら、大門沢を下るのかな~(o^-^o)
そしてのんびり稜線を歩いて行くうちに、広河内岳へと登り上げる最後の急坂に到着。
目指す山頂は、あの一番上のポコの向こう側。
ぐい~っと150m強、一気に登り上げます!
歩いてきた稜線を見降ろしつつ、ザレた急坂をぐい~っと。
ここもまたかなり踏み跡疎らだし、急坂だし、足元ザレザレだし。
ガスってるときには下りたくない道ですな。
とは言いつつも。
蝙蝠岳や荒川三山を眺めつつ、一気にぐい~っと登って
広河内岳山頂(2,895m)、到着~
ちょうどいい具合に、塩見岳も雲の中からお目見え♪
山頂はちょいと風が強いけど、ここもやっぱりぐるり360°の大展望。
そうなりゃ、やっぱりぐる~り眺めるしかないでしょう。(o^-^o)
先日歩いた、中央アルプス南部の空木岳、南駒ヶ岳、仙涯嶺。
摺鉢窪も見えてますね~( ^ω^ )
塩見岳に蝙蝠岳、荒川三山に悪沢岳。
大好きな南ア南部の山々です。
雲海に浮かぶ富士山。
・・・こんなにいい天気なのに、ほんとにお天気崩れるのかな?とか思ってましたが。
こんな富士山見ちゃうと、やっぱりお天気下り坂なのね、と思いますね。
鳳凰三山は、カラマツの黄葉で真っ黄色。
稜線が白いのは、花崗岩の白だと思うんだけど。。。雪じゃないよね。。
そしてどか~んと、農鳥岳。
さっきまでは晴れてた白峰三山にも、だんだん雲がかかってきましたな。
さてさて、天気が本格的に悪くならないうちに、さっくり下りますかね。
広河内岳から先は、地図上でも実線ルート。
ここまでの道とは段違いに踏み跡も明瞭な道を下り、大門沢下降点へ。
下降点へと向かう途中、この日(というか昨日も含めて)初めて人とすれ違い。
単独のおじさん、これから南嶺を南下するのか、それとも広河内ピストンで農鳥へ向かうのか。。
我らは緩やかにアップダウン繰り返しながら、大門沢下降点に到着。
ここから先は風もそんなにないかな、とフリース脱いで身軽になって。
さぁ、ここから奈良田へは2,000mの激下り。
気合いれて下りますよ~
黄葉の斜面を見降ろしながら、200mほど開けた斜面を九十九折りに下ります。
途中、ロープがかかった岩場や細い道もありつつも。
淡々と下って、林の中へ。
林の中に入ってからのほうが、なかなかキビシイ道でしたねぇ~
岩ごろの急坂なので、膝にはキツイ。
木の根がごつごつ出たところやザレたところもあり、浮石踏んで尻もちついちゃったり。
不定期にこんな標識が出てくるのをチェックしつつ。
針葉樹林の中の急坂を400mほどぐい~っと下って
沢沿いの開けた道に出た~
夏には色とりどりの花が咲き乱れていたこの道、いまはすっかり枯野原。
左手の沢を見上げると。。。
稜線には雲がかかってきましたねぇ~
やっぱりお天気下り坂か。
そして標高2,000mのこの付近から、ず~っと紅葉の道が続きます。
前方の山もふわぁ~っと明るくて、なんだかウキウキ。
沢向こうの斜面は、カラマツやカエデやらでとっても鮮やか。
このカラマツの黄葉が、イイ感じのアクセントになってるんだよねぇ。
沢沿いの斜面をトラバース気味に下り、途中で枝沢にかかる丸太橋を2つ渡ります。
なんか途中で折れてたりしますけど(^^;
ロープかかってるんで、まぁいいか。
そしてトラバース道から針葉樹林の中に入り、ゆるやか~に下っていくと
標高1,700m、大門沢小屋に到着。
もう営業終了してるけど、冬期は避難小屋として使えるみたい。
ここでちょいと大休止。
標高差的には、ちょうど中間地点かな。
でもここから先は斜度が緩くなるので、歩く距離はまだまだタップリあるんだよねぇ~
はぁ、やれやれ。
まだまだ道のりは長い。(;´Д`A ```
ゆっくり休みたいところだけど、あんまりノンビリしてると雨に降られかねないので。
腹ごしらえしたら、再び下山開始。
橋を渡っていったん左岸に移り、崩れた右岸を回避して再び右岸に戻ったら、あとはひたすら紅葉の斜面を下ります。
道が沢みたいになっているところもあり。
落ち葉踏みつつ、じゃぶじゃぶと。
いやぁ~、頭上もキレイだが足元もキレイ。
落ち葉フカフカですわ。
所々で木々の隙間から覗く向こう側の斜面も、色とりどり。
あっちから見ると、こっちの斜面もあんな感じなのかな。
そうして紅葉の斜面をトラバース気味に下っていくと、ほどなく沢を高巻く道へ。
登ってくる人もだぁれもいなくて、ほんと静かでキレイな道です。
勢いよく流れ下る沢と、鮮やかな紅葉の木々。
絵になりますねぇ~
ず~っとトラバースで下るのかと思いきや、こんな開けた道もあり。
踏み跡は落ち葉に隠されてすっかりわからなくなっちゃってるけど、これでもかというくらいピンクテープがついてるので迷うことはなし。
落ち葉をざっくざっく踏みながら下ります。
いやはや、最高!
こんなキレイな道なら、長くても赦しちゃう(ウソ)。
大門沢小屋からそんな道をゆる~りと300m下り、最後に100mほど、急な九十九折りの細い道をぐい~っと下って
ここから先、丸太橋が一つ、徒渉が1回。
沢沿いにゆる~りと下って
ここまでくれば、もう登山道はほぼ終了。
沢沿いにゆる~り下って
前回来た時は、この工事現場を高巻いて歩かなくちゃいけなくて、最後の最後にえらく大変だったのだけど。
今回はもうかなり工事も進んだためか、河原沿いの平坦な道を歩かせてくれて、かなりラクちん。
ありがたし。
下ってきた道はと見上げると、もうかなり雲が下りてきてますな。
稜線上を歩いてるときには晴れててよかった。
・・・そして登山道はここで終わりだけど、奈良田まではまだまだ長い林道歩きが残ってます。
この1時間ほどの林道歩きがキツイんだなぁ~(;´Д`A ```
紅葉見ながら黙々と。
時々工事の車が通りかかったりして。
あぁ、乗せてもらいたい。
いい加減ふくらはぎが張って足が棒になってきたころ、ようやく車止めのゲートを越えて奈良田第一発電所に到着。
タイミング良ければ、広河原から奈良田へのバスに乗れるんだけど、バスが来るまではあと30分もある。
・・・30分あれば、奈良田まで歩けちゃうしねぇ。
残念(?)だけど、歩きますか。
というわけで、車道をこれまた黙々と歩いて、ようやく奈良田バス停の駐車場に到着~
あ~、疲れた。
でも、心配してた雨に降られず、よかった!
下山後の温泉は、甲府南IC近くのみたまの湯へ(一人770円)。
甲府盆地を見下ろすロケーションに建つこの温泉、結構広いけど結構混んでましたねぇ~
でも、こげ茶色の温泉にノンビリ浸かって、ゆっくり足をほぐしました。
そして帰りは、大渋滞の中央道を途中で降りて、下道走って圏央道⇒東名へ。
さくさく走って20時過ぎには無事帰宅です。
今年の夏はなかなかガッツリ歩けなかったけど、代わりに秋に結構歩きましたねぇ~
そろそろ山には雪も降るし、さすがにこれが最後のテン泊かな。
そして今回、シメにふさわしく、天気も展望も紅葉も思う存分満喫、そして静かすぎるくらい静かな山歩きを楽しめて、いやぁ大満足です。
キッツイ道だけど、大充実の道でありました。
また来年来よう!今度は南下かな。
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コメント
おはようございます。
情報ありがとうございます♪
行きた~い\(^ー^)/
素晴らしい景色ですね(^O^)
笹山から白河内の間が難しいとは聞いてましたが…
晴れてたら何とかなるレベルのようで(^O^)
確かに夏ダメだった分秋に好天が多くて紅葉は満喫できました。
今週末は所用で盛岡へ行くので
ついでに早池峰へ行く予定でしたが、もちろん中止(^_^;)
来年は快晴の下、バッタリ&宴会ケ岳できる日を楽しみにしています。
投稿: katsu | 2014年11月 1日 (土) 05時39分
katsuさん>
白河内岳手前のテント張ったところから大籠岳までの間が、ふみ跡が薄くて迷いやすかったです。
視界がよければいいんですけどねぇ。。。
ガスってるときには、歩きたくないところですよね。
katsuさんは、今週末は盛岡でしたか!
美味しいものと温泉で、ノンビリしてきてくださいね~♪
来年は、また夏山でばったりお会いできるのを楽しみにしてます(^^
投稿: まきchin | 2014年11月 1日 (土) 13時00分
お久しぶりです!
実は奈良田でお見かけしていたんです(^^;)
ボクは白峰三山縦走のためバスに乗っていたんですが、ふと外を見ると「バスには乗りません」と車掌さんに告げている女性が…
よく見たらまきchinさんでした!!!
すぐにバスを降りて声をかけたかったのですが、なにぶん発車間際ということもあってそれもできず(涙)
だけどバスに乗らないということはきっと白峰南嶺だろうと思い、それなら明日は大門沢でお会いできるかも…と楽しみにしていました。
そして翌日、大門沢下降点でお話したおじさんから「30分くらい前に白峰南嶺を歩いてきた男女と会った」と聞いて、まきchinさんたちだと確信。
なんとか追いつけないかな~と下って行きましたが、途中で気付きました。
お二人とも健脚なんだから、ちょっとやそっとじゃ追いつかないと(^^;)
せめて駐車場で一息入れているところで間に合わないかと思いましたが結局ムリでした~。
ちなみにボクは大門沢下降点(10:25)~大門沢小屋(12:05-12:15)~奈良田(14:40)でした。
結果的にもう少しでしたね。残念っ!!
大門沢小屋でもう少しゆっくりしていてくれれば良かったのに(笑)
白峰三山も人が少なくて静かでしたよ~。
北岳山荘のテン場も9張りでした。
翌日は間ノ岳だけ終始ガスの中でしたが、あとは概ね天気は良かったです♪
それから、まきchinさんたちが途中で会った男性は少しですけど知ってる方でして、その方はまきchinさんたちとは逆ルートで日帰り縦走してました(汗)
ボクもこの週は白峰南嶺と両睨みだったんですが、日の短い時に未踏の破線ルートはどうかと思い、白峰三山にしておきました。日曜の天気も少し微妙でしたしね。
でも来年こそは歩きたいと思っています!
それではまたどこかでお会いしましょう^^
いや、たぶん会えるでしょう(笑)
投稿: ケン | 2014年11月 1日 (土) 22時33分
ケンさん>
なんと、あのバスに乗ってらしたんですね!!
そして1泊2日で白峰三山縦走とは、さすがケンさんです~
あ~、もうちょっとゆっくり歩いてればよかった(><)
実はその週末、私らも白峰南嶺と北岳とを天秤にかけておりまして。
北岳はなんだかガッツリ雪も降ったようだったので、それよりもちょっと標高の低い白峰南嶺にしていたのでした。
白峰南嶺は、ぜひ来年のお天気いいときに歩いてくださいませ!
水を担ぎあげるのがチト大変ですが、登り上げた稜線からの展望はピカ一ですし。
私もまた来年、行きたいと思ってます~♪
そしてまた来年。
マニアックなルートでお会いできるのを、楽しみにしてます!
投稿: まきchin | 2014年11月 3日 (月) 22時01分
始めてコメントさせてもらいます!
昔から気になってた白峰南陵が地図アプリを入れた時に破線になってる事に気付き、破線だけど一応登山道になったんだ!
と山行レポを事前調査してる時に、まきchinさんご夫婦が何回か歩いてるレポを見付け事前情報として勉強させてもらいましたf^_^;)
我々が登った時は残念ながら台風の影響で篠山南陵で幕営し、翌日そのままピストンで下山。
景色も真っ白で少し残念でしたが、好みのルートだったので、また、歩きたいルートの一つになりました!
ご夫婦も、かなり勢力的に山行されてるようですね(*^_^*)
我が家は相方が一緒に登るようになって、まだ3年程ですが若くは無いので順序を経て連れて上がり少しづつ相方のスキルアップを測りながらマイペースでまったりな山と宴で楽しんでいます。
まきchinさん達のblogも情報量多いし、これからもちょこちょこ覗かせてもらいますm(__)m
差し支えないようでしたら当方のblogにリンク貼らせてもらって大丈夫ですか⁉︎
先に書いたように今は相方に色々な山域を経験させようと、僕が今まで歩いたルートで相方のレベルでも行けると判断したところをメインに山行していますが、拠点が関西なのでベースは大峰や台高や比良山系等なんです。
でもアルプス方面もバンバン行きますので、どこかの山域でご一緒出来れば良いなあぁって思ってます!
長文になりすみません。
では、今後とも宜しくお願いします。
投稿: bp-hiro | 2014年11月10日 (月) 09時27分
bp-hiroさん>
初めまして、コメントありがとうございます♪
白峰南嶺は、私もかなりお気に入りの道でして。
キツイけど、あの長い登りを登り切ってどか~んと広がる展望と稜線が、もうナントモ言えず。。(^^
ぜひぜひ、天気のいいときにまた歩いてくださいませ!
bp-hiroさんのblog、拝見させていただきました~
バリバリ歩いてらっしゃいますね!
ウチとこは、最近は写真ばかり多くなってしまってて恐縮ですが。。リンクフリーですのでどうぞどうぞです。
そろそろ雪の季節、我らは山スキーモードにそろそろシフトチェンジとなりますが。
山でバッタリお会いできるのを楽しみにしてます!
今後ともよろしくお願いします。
投稿: まきchin | 2014年11月10日 (月) 21時25分