2014/10/25-26 晩秋の白峰南嶺縦走(1日目)
1日目:奈良田~笹山~白河内岳
2日目:白河内岳~大籠岳~広河内岳~大門沢~奈良田
さてさて、そろそろ紅葉の山歩きも終盤。
北アルプスの山小屋は軒並み営業終了だし、稜線上は晩秋通り越して初冬な雰囲気だし。
本格的に冬山シーズンに入る前に、もう一度テン泊でガッツリ歩きたい、と今年二度目の白峰南嶺へ。
ちょっと前に降った雪も融けたみたいだし。
今年7月(2014/7/12-13)に登った時は、2日目の天気が悪かったので縦走せずに下りてきていたので、今回は縦走したい!
横浜を22時過ぎに出発し、登山口の奈良田には2時前に到着。
夏山シーズンは大混雑の奈良田バス停の駐車場には、さすがに数台が停まるのみ。
余裕で駐車してしばし仮眠。
そして4時半ころ起きても、停まってる車はまだ数台。
5時20分発の広河原行きバスもガラガラ、そんなバスを見送って、薄明るくなってきた5時半過ぎに出発です。
まぁ当然のことながら、笹山ダイレクト目指して歩いて行く人なんて他にはおらず。
駐車場からてくてく歩いて吊り橋を渡ります。
飛び石伝って川を渡ったところの第三発電所は工事中?
ここで右に折れて歩いていきますが・・・見上げる前方の尾根は、なんだか紅葉がすごいことになっていそうですな。
こりゃ楽しみ。
はい、そしてここから急坂に突入。
2,000m登り上げる笹山ダイレクトへ!
杉林の中の九十九折りの道。
冬のテン泊装備のザックが、ずっしりと肩と足にきますねぇ~
夏場ほどじゃないけど水も結構担いでるし。
急斜面の九十九折りを150mほど一気に登って尾根上に上がり、さらにぐいっと登って山の神に到着。
さてさて、お参りしたらあとはぐい~っと行きますよ~
我ら以外には誰もいない静かな山道を、落ち葉踏み踏み登っていると。
やややっ。キジ登場!
しかも一羽だけじゃなく、後から後から何羽も出てきてビックリ。
みんな羽根をバタバタしてすごい音出してるんだけど、縄張り主張してるのかな?
このほかにも、リスはちょろちょろと木の上や地面を走ってるし、鹿は横切るし、猿も木の実を探してごそごそ歩いてるし。
冬ごもり前の大事な時期なんでしょうねぇ、でも熊は出てこないでね、と念じながら歩きます。
そして登っていくほどに、どんどん色鮮やかな紅葉の道へ。
頭上の木々も、色とりどり♪
足元も色とりどり♪
千代紙の上を歩いてるみたい。o(*^▽^*)o
こんな道ですから。
急坂の辛さもザックの重さも忘れちゃう(ウソ)。
木々の隙間から覗く向かい側の斜面も色とりどり、なんだかすごいことになってます。
もう紅葉は終わっちゃってるかと思っていたんだけど。
このあたりはちょうど今がピークなんですかねぇ。
青空に、黄色や赤の木々がまた映えるんだなぁ。
紅葉にはやっぱり青空ですな。(o^-^o)
夏山の時期は、滴るような緑に染まりながら登る道ですが。
晩秋のこの時期は、黄金色にキラキラ輝く道!
いやはや、素晴らしい。
山の神のちょい上、標高1,100mから2,000mくらいまで、ず~っとこんな紅葉の道でした。
山の神から550mほど緩急繰り返しながら細い尾根上をぐい~っと登り、そして開けた急斜面の九十九折りを登っていくと
標高1,600mの水場入口に到着。
ここでザック降ろして一休み~
もうすっかり晩秋で寒々とした道かと思ってたけど、予想外の紅葉で色合い鮮やか、そして気温もそれほど低くない。
日向ぼっこしながらノンビリ休んだら、まだまだ続く急坂へ。
標高1,800mを過ぎたあたりからは、だいぶ落ち葉も多くなり。
それまでの広葉樹主体の鮮やかな道から針葉樹交じりの道に、そして斜度もかなり急になってきた。
うぐぐぐ。急すぎてアキレス腱とふくらはぎが痛い。
道端の木をひっつかみながら登ります。
そして水場から600mほど登っていくと、標高2,250m付近で道は大崩落地の上へ。
ここで尾根の南側の展望が開けます。
紅葉の斜面の向こうには、とんがった北岳、そして鳳凰三山。
いいねぇ、すっか~んと晴れて展望もきいて紅葉もキレイで。
こんな道を歩いてるのが二人だけだなんて、もうほんとゼイタク。
そんな展望地を過ぎれば、幕営適地の2,320m窪地はもうすぐ。
ぐい~っと登って、焚火跡のある窪地に到着。
いつもは木々が鬱蒼と茂っていて薄暗い印象のある窪地も、木々が落葉したせいか、明るく居心地よさげな雰囲気。
ここまでくればゴールも近い、最後の急坂を前に一休みして、と。
ここから先は倒木も多く、そしてもちろん急坂で。
あと400m、されどその400mがえらく長い。。。
さっきまでスカッ晴れだった空にはちょっと雲が出てきたけど、まだまだ稜線は晴れている。
稜線に出ればきっと素晴らしい展望が広がっている、と思うと、元気も湧いてくるってもんで。
最後の一登り!と、元気を振り絞ってぐい~っと登って
笹山南峰(2,717m)、到着~
期待通り、白河内岳から広河内岳へと連なる南嶺や、その先の北岳もどか~んと見えてます♪
こうなりゃ、さっくり笹山北峰に登って大展望を楽しみましょ、というわけで。
荒川三山に悪沢岳、笊ヶ岳。
荒川・悪沢の北側斜面は、もう雪で真っ白。
富士山もキレイに冠雪してますねぇ。
そして山腹は紅葉中?ほんのり色づいてますな。
櫛形山に甲府盆地、その向こうには奥秩父の山々。
手前の尾根も櫛形山も、一面紅葉ですな。
そしてこちらは、これから目指す白河内岳。
その向こうには農鳥岳、北岳に八ヶ岳や鳳凰三山も。
いやはや、素晴らしい展望にウットリ(≧m≦)
槍穂に乗鞍、御嶽、中央アルプスもどか~んと見えてて、まさに360°の大展望!
2,000m登ってきたゴホウビですわ。
足の疲れも忘れちゃいます!(ウソ)
ぐる~りとこんな景色をしばらく眺めたら、白河内岳目指して最後の一歩き。
笹山からいったん50m下り、100m登る道。
林の中のトラバースあり、ハイマツやシャクナゲの枝が絡まる道あり、岩場あり。
ゴールは近いぞ、ファイト!と自分を励ましつつ、足を停めて景色を眺めつつ。
ゆる~りと登り上げて
白河内岳直下、標高2,740m地点に到着~
いやぁ、今回もガッツリ登りましたねぇ~、おつかれさんでした!
というわけで、さっくりテント設営したら、あとはもうノンビリ(^^
カラマツの黄葉の向こうには、蝙蝠岳に荒川三山、悪沢岳。
大好きな山々を眺めながら、静かな山を二人占め(結局この日は誰にも出会わず)。
あぁ、なんて贅沢。
そして今宵の夕食は、具だくさんの鶏肉キャベツ鍋。
外は寒いけどテントの中はほっかほか、そしてお腹のなかからほっかほか。
鍋をつつきながらテントから顔を出すと、雲海に浮かぶ富士山がほんのり夕陽に照らされて。
風はそんなにないけど、日が沈むと一気に冷え込んできた稜線。
翌日の天気予報はなんだかアヤシゲだけど、どうかお天気もってくれますように。。。
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コメント
紅葉、山岳展望、そして快晴(もちろんビールと鍋も、笑)、どれも素晴らしい!(まきchinさんが東から見ていた景色を私は南から見ていました)
自分たちだけの山というのもまた最高です。このうえない贅沢! もちろんお二人の実力がなせる技ですね。
私のひとりぼっちの山は…… 2年前の夏の終わりに東赤石山(さわら島ロッジで会った四国からの登山者に薦められました)に登ったとき。残念ながらお二人のような紅葉には会えませんでしたが。
投稿: ねも | 2014年10月29日 (水) 14時09分
こんばんは。
夏山シーズン最後にふさわしい景色ですね♪
南嶺は来年のシルバーウィークにでも
沼平からガッツリ歩いてみたいです。
前回のブログ見て笹山が紹介されてるのを知って昭文社地図買い替えたんですが…
今年はご縁がありませんでした(;_;)
3連休…天気荒れそうですね(>_<)
投稿: katsu | 2014年10月29日 (水) 18時54分
ねもさん>
東から見る景色と、南から見る景色。
見る場所は違えど、同じ山だったんですね~(^^
最近は、なるべく人が少なそうなところを選んであるいてばかりで。
そんな山を歩いた記憶は、これまた大事な記憶ですよね~
ねもさんの東赤石岳も、きっとステキな山でしたでしょうね♪
投稿: まきchin | 2014年10月29日 (水) 23時34分
katsuさん>
はい、夏山のシメにふさわしく、展望も紅葉もいろいろてんこ盛りのステキな山行でした♪
いつも北上してばかりの南嶺ですが、来年は南下したいなぁ、といろいろ計画は練ってたりして(^^
そんな機会はいろいろ練りつつも、来シーズンに持ち越しになった山行もいくつか。
それはそれで、また来シーズンが楽しみになりますよね♪
そして今週末。
せめて前半は、お天気もってほしい。。。
投稿: まきchin | 2014年10月29日 (水) 23時37分
ダイレクト尾根すっかりお気に入りのようですね
私は昨年の3月に初めて登りましたが、ダイレクト尾根とは誰が名付けたのでしょうか、正にぴったりのネーミングですね
ダイレクト尾根が再生される以前は笹山へは大門沢から往復したこともありますが、ダイレクト尾根を登り上げ、笹山南峰で塩見と蝙蝠が不意に目に飛び込んでくる感動は、縦走では味わえないものでした
水の問題がネックですが、逆にそれだからこそ登る価値があるとも言えますね
また登ってみたくなりました
投稿: 青空 | 2014年10月30日 (木) 22時14分
青空さん>
そうなんですよね。
あの長くてキツイ尾根を登り上げて、目の前に塩見や蝙蝠、荒川がどか~んと飛びこんでくるときは、ほんと感動しますよね。
青空さんは3月に登られたんですね、すごい!
真っ白な山並みが、ほんと美しかったでしょうねぇ。。
ぐい~っとまっすぐに登り上げて、達成感タップリのこのダイレクト尾根。
帰ってきたばかりですが、また登りたくなってしまってます(^^v
投稿: まきchin | 2014年10月30日 (木) 23時46分