2014/9/13-15 初秋の南ア南部、聖岳・赤石岳縦走(2日目)
1日目(9/13):聖沢登山口~聖平小屋
2日目(9/14):聖平小屋~聖岳~兎岳~中盛丸山~百間洞山の家
3日目(9/15):百間洞山の家~赤石岳~大倉尾根~椹島
たっぷり過ぎるくらい寝て、この日は3:40頃起床(というか、小屋のモーターが稼働したと同時に冬期小屋も点灯)。
外は満天の星空、そして吐く息真っ白の寒さ。
小屋の中で朝食を済ませ、そそくさと準備して出発です。
風はないけど気温低いので、歩き始めはフリース着用。
そしてまだこの真っ暗な時間帯でも、聖岳目指して登ってる人が結構いるのですが、その大半が空身orサブザック。
・・・てことは、みなさん聖岳往復?
てことは、その先は空いている?
ちょいと期待でわくわくしつつ、易老渡への道を分ける薊畑まで100mほど登り上げます。
東の空が、茜色に染まってきましたねぇ~
今日はいい天気になるかな?
夏にはマルバダケブキが咲き乱れる草原も、今はこのとおり枯野原。
夏の真っ黄色な草原を思い浮かべつつ、茜色の空を横目で眺めつつ。
そうこうするうちに5時半の日の出を過ぎ、どんどん日が昇ってきますが。
時を同じくしてガスが湧きあがってきて、なんだかアヤシゲな雰囲気。。。
そしてわたくし、日の出と時を同じくしてシャリバテで足が動かず。
最近、朝のアルファ米が喉を通らないもんで。
Sさんには「二日酔いじゃないの?!」と言われちまいましたが、違~う。。たぶん。。
というわけで、Sさんとごろ太君には先に小聖岳へ行ってもらいます。
私はゆっくり登って森林限界を過ぎ、ガレたトラバースを通って小聖岳へ。
あ~・・・ガスガス・・・(;´Д`A ```
ガスに朝日が乱反射して、あたり一面茜色で幻想的な雰囲気ではありますが。
晴天予報だったのに!!と、諦めきれずにあたりを見回していると。
おおおおっ!ガスが晴れて聖岳が!!
聖岳、こんな登場のし方って、アリですかねぇ~
カッコ良すぎます。(≧∇≦)
こりゃ、取りあえず早い時間帯の晴天は約束されたようなもんでしょう。
ただ結構湿度が高いので、いつまた雲が湧いてくるかわからない。
・・・気合入れて、一気に山頂を目指しますか!
小聖岳での晴れ待ちの間にしっかりエネルギー補充して、私も元気回復。
山頂目指してあと350m、行きますよ~(o^-^o)
小聖岳から150mほどは、ハイマツの中のヤセ尾根をえっちら登ります。
足元注意の道をぐい~っと登っていると
おっ、ブロッケン!
しかも虹が二重になっているような。
・・・こんな鮮やかなのは久し振りに見ましたね~
いやぁ~いいもん見せてもらった、と元気百倍。
頭上の空は早くもピーカン。
あの上まで登りきれば、向こうには赤石、荒川、そして南ア北部の山並みが広がってるはず!
振り返ると、上河内岳に茶臼岳、光岳の稜線と、南ア最深部の山並み。
ん~、ぴっかぴかの晴天ですわ。
こうなると、もう早く山頂から展望を眺めたくってたまらない。
気持ち足取りもちょい早めになり、ザレた九十九折りの道をぐい~っと登って
聖岳山頂(3,013m)、到着~
山頂標識の向こうには、期待通り赤石岳がどか~ん。(≧∇≦)
さて、山頂にザックをデポして、Sさんは奥聖岳へ。
我らはSさんが戻ってくるのを待ちながら、ノンビリ景色を眺めます。
笠ヶ岳に槍穂、表銀座の山々も。
その向こうには、立山に剱岳、後立山、妙高山塊も~
そしてこちらは、赤石岳に荒川岳、塩見岳、仙丈ヶ岳。
ん~、素晴らしい!!
ぐるり大展望、もう感涙モノの素晴らしさですな。
ず~っと眺めていても、全然飽きることはなし。
ふと足元を見ると、日陰のウラシマツツジにはびっしりと霜が。
日が当ってるので結構暖かく感じるけど、実はかなり寒い。
そして聖岳山頂には、切れ間なしに人が登ってきますが、ほとんどの人はまた引き返していくようで。
そのまま下山するのか、茶臼岳方面へ行くのか。。。
・・・ってことは、百間洞は結構空いてるかも?!
なぁんてワクワクしながら景色を眺めていると、奥聖岳からSさんご帰還。
ちょいと腹ごしらえしたら、いよいよ南ア屈指のM的ルートに出発~(o^-^o)
400mの激下りに200mの登り返し、あとは100m単位のアップダウンとなかなかシビレルMルート。
気合入れて行きますよ~
百間洞でトンカツが待ってるよ~
ハイマツの中のガレ道をゆる~りと歩いて行くと、そこから一気に400m下る急坂へ。
目の前の稜線を眺めると、アップダウンのある道が一望。
あそこまで下ってまたあんなに登り返すのか、とゲンナリしつつ。
でもこんなキツイ道のりも、この稜線のいいところなんですよねぇ~タマランです。
ミヤマダイコンソウ、ウラシマツツジ。
稜線上の高山植物達は、もう色づき始めてますな。
そしてその大きな兎岳を越えたら、その向こうには中盛丸山が聳えてるし。
昨年歩いた時は、この中盛丸山の登りでかなりグロッキーになったっけ。
・・・でもこれを越えないと、百間洞のトンカツにはありつけない!
そして右手には、どか~んと赤石岳。
聖岳には雲が湧いてきちゃってたけど、赤石岳はこの日ず~っと雲もかからず聳えていて、我らを励ましてくれていたのであります。
ガレた急坂やハイマツの中の道をひたすら下っていくと、真っ赤な岩がごろごろ積み重なった道へ。
この赤い岩がラジオラリアですな。
こんな真っ赤な崖の上の道を下ってきてるわけで。
そしてこの赤い岩が出てくると、400mの激下りもそろそろ終了。
標高2,600mの聖兎のコルを過ぎると、兎岳へ向けて200mの登り道へ。
崖っぷちの道あり、灌木の中のトラバースや急坂あり。
イブキジャコウソウ、タカネコウリンカ、イワインチン、シコタンハコベ
ちょっと標高がさがると、まだまだいろんな花が咲いてますな。
そんな花々を眺めながらぐい~っと登ります。
頭上に聳える兎岳を仰ぎ見つつ。
まだあんな上なのか~、とSさんゲンナリ。
とは言いつつも、ゆっくり一歩一歩登っていれば、いつかは着くわけで。
灌木の中の道を登り、再びハイマツの中の岩がちな道になると、山頂はもうすぐ。
避難小屋へと分岐する小さな広場を過ぎ、一登りで
兎岳山頂(2,818m)、到着~
兎だなんてカワイイ名前ついてるくせに、ここまで来る道は全然可愛くない。
それでも、山頂からの眺めは素晴らしい。o(*^▽^*)o
中盛丸山に大沢岳、赤石岳、荒川三山、塩見岳がずら~っと。
聖岳には雲がかかっちゃったけど、北部の山並みはまだキレイに見えてます♪
・・・そしてごろ太君は、山頂から10分ほど歩いたところにある三角点へ。
体力、余ってる?
ハイマツの中の踏み跡を辿っていくと、小さな広場に三等三角点。
しっかり標識もあるのね。
三角点から兎岳山頂を振り返ると、こんな感じだそうで。
いやぁ、いいトコですねぇ~
そして兎岳山頂。
聖岳から歩いてくる人はまだほとんどなく、百間洞からの人もちらほら、程度。
し~んと静かな山頂で、流れる雲を眺めつつ、山並みを眺めつつ。
あぁ、やっぱり晴れた静かな山はいいね!
こっちのルートにして正解でした。
さて、先に進みますかね。
まずは小兎岳へ向けて、150mほどザレた急坂を下ります。
疲れてきた足に、このザレ道が効きますねぇ~(;´Д`A ```
ぼつぼつと登ってくる人とすれ違いつつザレ道を一気に下れば、あとは小兎岳へ向けてゆる~りと登ります。
振り返ると、雲湧き上がる夏山の様相。
足元には紅葉した高山植物。
夏と秋の境目ですな。
そして小兎岳山頂からは、ますます近くなった赤石岳が目の前に。
あとは中盛丸山を越えれば、百間洞へ向けて下るのみ!
・・・で、これがその中盛丸山。
見るからに急坂でキツそう。。(;´Д`A ```
コルまでいったん100mほど下り、そこから150mの急斜面を登り上げます。
こんなガレ道もあり。
登り始めは岩ごろのガレ道だけど、登っていくにつれてザレた急斜面に。
ずるずる滑って大変。
最後の登り、と自分に喝を入れつつ登って
中盛丸山山頂(2,807m)、到着~
こんな標識、昨年まではなかったけどね。今年新設したのかな。
昼近くなり、山々にもだいぶ雲がかかってきたし。
あとは百間洞目指してさくさく下れば、ビールとトンカツが待っている!
というわけで、一息ついたらいそいそと出発。
前方には大沢岳が聳えてますが、もちろん寄り道はせずにまっすぐ下りますよ~
ザレた九十九折りの道を100m下り、ちょこっと登り返した百間洞下降点から百間洞へ。
ダケカンバと草原の中のトラバース道を下ります。
岩がごろごろしてたり、道に突き出たダケカンバの幹を越えたりしつつ。
ぐい~っと下って
谷間にひっそりと建つ、百間洞山の家に到着~
おつかれさんでした!
いやぁ、歩いた歩いた。
累積での登りは、昨日よりも多かったりするし。
早速宿泊の受付をして、まずは小屋の中へ。(素泊6,000円、夕食2,000円。寝具ナシの設定はなし)
我らに割り当てられたのは、4人用のスペース。
こんな感じで区切られた小部屋が、通路の脇に並んでます。なかなかいいね。
荷物を置いて寝床をこしらえたら、小屋の前で宴会、いきますよ~
この百間洞、ツマミも超充実。
こんな山の中で、餃子に春巻き、コロッケを肴にビールが飲めちゃうなんて。。。シアワセ!
日向ぼっこしながら、今日歩いた道、明日歩く道に想いを馳せながら。
なんて贅沢なんでしょ。
そして予想通り、小屋は結構空いていて。
到着する人もぼつぼつと疎ら、いやぁ静かでいいねぇ、なんてしゃべっていたら、ガチャガチャ音を立てながら沢を遡行してきた2人組が登場。
・・・なんと赤石沢を登ってきた、と。すごい!
そんなこんなありつつ、の~んびり。
夕方になって日が陰ってきたら、小屋の中でごろごろと。
そして17時、お待ちかねの夕食。
小屋の夕食なんて超久し振り、それにこの日は憧れの百間洞名物トンカツ!
じゃじゃ~ん
トンカツ、山菜の和えもの、お蕎麦、そしてご飯とお味噌汁。
お櫃に入ったご飯を各自でよそって早速トンカツをいただくと、いやもうサクサクで超美味~
付け合わせに、大根おろしやチキンカレーもあり。
それでちょっと変化を付けながら、あっという間にいただいちゃいました。
・・・百間洞のトンカツ、もう予想以上の美味しさでしたね。
今度来た時も、絶対小屋泊まりでトンカツだな。
は~、満足満足。
この日は500円で特別デザートもあり。
私はもうお腹イッパイだったので遠慮しましたが、ごろ太君はしっかりデザートも平らげてました。
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コメント
こんにちわ。
快晴の下バッチリしごかれてますね♪
やっぱりウサギさんと上河内からの景色は最高ですね(^O^)
そうです…
普通の登山者は聖往復、
縦走は一部のマニア…
リピーターはやっぱり゛ヘ○タイ゛でしょうか(^_^;)
とはいえ、
ここは本当にいいルートですよね♪
次はウサギさんに泊まってみたいと思ってます。
百間洞のトンカツ惹かれますね~
荒川小屋と併せたら豪華ツアーになるかも(^O^)
僕は針ノ木山頂でご来光を見てから、
蓮華経由で船窪へ。
船窪もテン場満員で、
やっぱり3連休恐るべし…
来年のシルバーウィークが怖いです。
さすがに2週連続の4連休は難しいので、
今週末を4連休にしてみたもんの…
裏目に出たっぽいです(;_;)
投稿: katsu | 2014年9月19日 (金) 12時34分
katsuさん>
そう、やっぱり兎岳からの眺めはいいですよねぇ~
南ア南部からのこの眺め、そうそう見られるもんではないですし。
・・・そしてこのルート、やはりヘン○イルートですね。
でもだからこそ、静かでマニアックで、なんともイイ!
歩いてる時は辛いけど、過ぎてみればまた行きたくなってしまう、そんな道です♪
先週は船窪のテン場も満員だったんですね。
北アの中でも割と空いてる?と思ってたのですが、どこも混んでるんですねぇ。。。
投稿: まきchin | 2014年9月19日 (金) 22時44分
兎岳・小兎という山名がコースのハードさと合ってないのが、ブラックユーモア。兎の三角点にも行かれたのですね、さすがです。私はパスしましたよ。
静かで天気良く歩きがいもあるルートで、実に羨ましい! この飛び石連休にここらを再訪しようかと思っていたのですが、厳しそうな天気予報と仕事の都合で残念。
3日目も楽しみにしています。
投稿: ねも | 2014年9月22日 (月) 10時23分
体調不良が解消されて何よりでしたね
百間洞の小屋は空いていて快適でしたね
混雑している赤石小屋まで足を延ばさなかったのはさすがです
南ア南部の山小屋でトンカツとは驚きです
このルートはへン〇イルートなんですか
そういえば、一昔前に聖から大沢まで往復した時に、縦走する人しかいなかったような記憶があります
投稿: 青空 | 2014年9月23日 (火) 07時22分
ねもさん>
そうそう、兎岳なんてかわいらしい名前の割には、キツイ道ですよねぇ~
でもまたそこもいいところなんですが(^^;
ようやく歩きごたえのあるルートを歩けて、ほんと楽しかったです。
3日目、ちょっとレポが遅れてますが、アップお待ちくださいね。。。
投稿: まきchin | 2014年9月23日 (火) 23時47分
青空さん>
はい、この連休、聖~赤石周りのルートは比較的空いてたみたいです。
特に聖~赤石間は、さすがに人が少なかったですねぇ。。
結構キツイルートですもんね。
百間洞のトンカツは、ほんと驚きの美味しさです。
あんなに山の中なのに、こんなに美味しい料理がいただけるなんて、もう有り難い限りですよね~
今度行った時も、また小屋泊まりでトンカツいただこう、と決心しました。(^^
投稿: まきchin | 2014年9月23日 (火) 23時49分