2012/8/4-5 白峰南嶺、静かな稜線歩き(2日目)
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2日目の朝、4時前に起きてテントの外に出てみると、空には満点の星!
しかもほぼ満月の月がすっごく明るくて、影ができるほど。
ん~、こりゃ、今日の天気はよさそうだ。
そそくさと朝食を済ませて片付けたらいざ、日の出タイム♪
まるで絵に描いたような富士山。
茜色の空に、青く高く浮かび上がってます。
笹山の向こうは笊ヶ岳、そしてその右には悪沢岳、荒川岳。
あっちの稜線でも、朝日を眺めてる人がいるんだろうな。
雲海の向こうに連なる、道志や奥多摩、大菩薩の山並みから朝日が昇り。
音一つしない静かな日の出。
最高の朝。o(*^▽^*)o
さて、ゆっくり日の出を堪能したら、いよいよ稜線歩きに出発!
まずは幕営地のすぐ横の白河内岳へ。
ハイマツと岩場が混じる開けた道なので、うっかり目印を見落とすとヘンな方向に歩いて行ってしまいそう。
小さなケルンを見落とさないように、注意しながら歩きます。
が、振り返るとこんな眺めが広がってるわけで。
全く足が進みません(≧∇≦)
山頂に付けば、すんばらしい展望が広がってるに違いない。
ワクワクしながら、岩ごろとハイマツの中の道をゆる~りと登って
白河内岳山頂(2,813m)、到着!
そして、まきchinの視線の先に広がるのは、なな、なんと・・・
いやはや。ここまで見えるとは思わなんだ。(*≧m≦*)
すばらしいではないですか!
塩見岳と蝙蝠岳、悪沢・荒川の山並み。
歩いてみたい稜線と、また歩きたい稜線。
笹山の向こうには、笊ヶ岳や安倍奥の山々。
なかなか行きづらいとこですな。
富士山と道志の山並み。
いやぁ~、こりゃもう一幅の絵ですな。
富士山はやっぱり絵になりますわ。
そしてこちらは、道志の山並みに連なる、奥多摩、大菩薩、奥秩父の山々。
この方面から見ることってほとんどないので、なんだか新鮮。
鳳凰三山の向こうには、ギザギザの赤岳も顔をのぞかせておりまして。
でもって、これから歩く南嶺の稜線と、広河内岳、農鳥岳、間ノ岳、北岳!
(広河内岳と農鳥岳が重なっちゃってるけど。。)
これだよ、これ。(≧∇≦)
夏山はやっぱり、こうこなくっちゃ。
山の神様、素晴らしいお天気と展望をありがとう!!(*≧m≦*)
景色にうっとり見とれちゃいますが。
今日の行程もまだまだ長い、そして稜線歩きもまだまだ続くし。
次、いってみよー!
ここからは、もうほんとに気持ちの良い稜線歩き。
小さな岩がごろごろ転がる道には、ここもまた所々に小さなケルンが立ってるので、それを追って歩きます。
ガスってたら、迷いそう。
でも今日は、こんなピーカンの青空だし。
そよそよ吹き抜ける風も涼しくて。
何度も振り返って眺めちゃう塩見岳も、クッキリ。
ごろ太君とまきchinの影も、クッキリ。
こんなに素晴らしい大展望の稜線には、まきchin隊のみ。
ああ、なんて贅沢な夏山。こんなとこ、他にないよねぇ。
すばらしすぎて鼻水でちゃう。
・・・あ、洟が出るのは風邪っぴきだからか。失礼しました。。
岩だらけの稜線の所々には、小さな花々の群落も。
ゆるやか~にアップダウンを繰り返しながら歩いて行くと、前方の小ピークに標柱が。
あれが大籠岳かな?
大籠岳の手前には、膝丈くらいのハイマツ帯もあり。
わしわしかき分けてゆるりと登って
大籠岳山頂(2,767m)、到着!
いやぁ、農鳥岳と北岳、大迫力ですな。
この大籠岳山頂も、ば~んと360°開けていて気持ちのよいトコです。
富士山バッチリ、塩見も農鳥・北岳も大迫力。
ごろ太君、塩見岳カッコいい~~と写真を撮る手が止まりません。
いったいさっきから、どんだけ塩見岳撮ってるんだか。
(いや、まぁ、たしかに間近に眺める塩見岳はカッコいい)
次に目指すは、この稜線の向こうの広河内岳。
一番左のまあるいピークが、広河内岳ですな。
ここからはゆる~いアップダウンを繰り返す道。
ハイマツの中のザレ道は、踏み跡もしっかり。
地図上では点線ルートなので心配してたけど、さすがは南嶺、歩く人もそこそこいるんでしょうな。
歩いてきた道を振り返ると、こんな感じ。
ステキな稜線でしょ~、ね?!(o^-^o)
稜線上のコルや小ピークには、テント張るのに良さげなスペースもいくつかあり。
こんなとこでのんびりテン泊なんてしたら、もう最高でしょうねぇ。
なあんて思いながらゆる~りと歩いて行くと、目の前には広河内岳への最後の登りが。
ハイマツの中のザレザレの道は、それほど急なところはないけれど。
踏み跡を見失わないよう、登ります。
広河内岳への登り道には、これまでなかったお花達も。
花に癒されつつ、ザレた道を登ります。
蝙蝠岳や悪沢岳、荒川岳の眺めにも癒される!o(*^▽^*)o
ザレ道を登りきると、今度は岩がちの道に。
そして前方には山頂標識が見えてきた!
こうなりゃ俄然テンションアップ、最後のガレ道を一登りで
広河内岳山頂(2,895m)、到着!
いやぁ~、ようやくこの山頂を踏むことができました。感激。(≧m≦)
そしてこの山頂も、360°ぐるりとすんばらしい展望。
塩見岳と蝙蝠岳、荒川三山。
荒川岳の向こうには、ちょこっと赤石岳も見えてるかな。
今日一日、すんばらしいお姿を拝ませていただきました。
そしてその、すんばらしい展望を楽しませてくれた白峰南嶺。
ここはまた、ぜひ来なくちゃ。
富士山も道志の山並みも、もうだいぶ雲が湧いてきちゃいましたねぇ。
鳳凰三山と八ヶ岳・赤岳。
こっちはまだまだ、すっきりクッキリ。
北アや中アの山並みにはだいぶ雲が上がってきてるけど、稜線はまだ辛うじて見えてました。
ん~、今日は南アで大正解♪
こんな景色を眺めながら、広くて誰もいない山頂でしばし一休み。
なんとも贅沢なひと時です。
30分ほどのんびりして、大門沢下降点から単独の方が登ってきたのを機に、いよいよ下山開始。
ちょいガレ気味の道を、2つほど小ピークを越えて下っていくと、大門沢下降点に到着。
農鳥岳方面から下ってくる方も多く、ここから先はしっかり踏まれた登山道ですな。
一息ついたら、大門沢へ向けて急な九十九折りの道を下ります。
これまで風が吹き抜ける快適な稜線歩きだったのが、ここからは灌木の中の暑い道。
でも、道沿いにはいろんなお花達が咲いていて、目を和ませてくれます。
ハクサンイチゲ、ヨツバシオガマ、エゾシオガマ、ホソバトリカブト。
タカネグンナイフウロ、シナノオトギリ、タカネコウリンカ、チングルマ。
他にも、ウサギギク、ハクサンフウロ、クルマユリ、タカネヤハズハハコ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマカラマツ、アオノツガザクラなどなど。
そしてこの急坂を登ってくる方とすれ違いつつ。
ここ、下るのも大変だけど、登るのもかなり大変だよね。。。
急な九十九折りを下っていくと、道はほどなく林の中へ。
お日様が遮られてちょっと涼しくなったけど、道は相変わらず急なわけで。
石がごろごろしてたり段差があったりと、足場もちょい悪い。
こんな林の中の九十九折りをひたすら下っていくと、左手に沢を見下ろす道に。
ここもまだかなりの急坂。
しかも木立が切れて道が乾いてるせいか、ザレザレで滑る。
道沿いには、シナノオトギリやタカネナデシコ、シモツケソウ、センジュガンピの花畑。
急な道を下っていくと、どんどん沢に近くなり。
小屋の前では、たくさんの方が一休み中。
まきchin隊も、ここでしばし腹ごしらえ&足休め休憩。
ここまでかなり下ってきたつもりだけど、まだまだあと標高差で800m強、3時間ほど下らなくちゃいけないんだよねぇ。
うう。道のりは長い。
・・・とは言いつつも、歩かなくちゃ帰れない。
一休みしたら、気合入れ直して下山開始。
沢を渡るところにはしっかりと木橋がかかってます。
手すり?代わりのロープもかかってるので、安心。
(前回通った時は、ロープはなかったような気が?!)
しばらく沢沿いに下っていくと、ほどなく沢を左手にして高巻く道へ。
沢から吹き上げる風が、涼しくてイイ気持。
が、このあたりからもう二人とも疲労困憊の極み。(;;;´Д`)ゝ
緩やかだった道がいきなり九十九折りの急坂になったり、ちょい登り返したり、と歩けど歩けど終わらない山道を黙々と下ること1時間半。
ようやく、発電所取水口の吊り橋に到着。
はあぁ。。。長かった。。。
が、ここからの道もまだまだクセモノでありまして。
あとはゆるりと下るだけ~♪と思いきや、2つ目の吊り橋と3つ目の吊り橋の間の登山道が工事中のため通行止め。
代わりに高巻く道が作られてたのですが・・・最後の登りが、へたった足にキク。。。
そんなわけで、ヨレヨレになってようやく林道に降り立ったまきchin隊。
ここから駐車場まで、1時間ほど続く林道&車道歩き。(;;;´Д`)ゝ
30分ほど歩いて林道ゲートを抜けたところで、奈良田から広河原へ通じる道に出てきました。
ここにバス停があり、管理の方によるとあと30分でバスが来るよ~、とのこと。
激しく惹かれたまきchin隊ですが、同じ30分なら歩くか!と、奈良田へ向けてGo。
・・・が、やっぱりこの最後の30分がほんとにキツかった。
二人ともすっかり無口で写真を撮る余裕もなく。
黙々と歩いて、ようやく奈良田バス停の駐車場に到着、です。
ここから奈良田温泉まで歩いて行く元気はもう到底なく、下山後の温泉は、車でちょいと下った雨畑湖のほとりにある、VILLA雨畑の立寄り湯へ(一人500円)。
ここ、小中学校の跡地に建てられた温泉施設で、宿泊もできるそう。
小さな温泉だけど、ちょっとアンティーク調でオシャレに整えられてるし、なにより空いててカイテキ。
ゆ~っくり、足の疲れをほぐしました。
帰りの中央道はいつものとおり渋滞してたので、この日も道志みちで横浜へ。
21時前には帰宅、です。
<今回の山行>
ず~っと歩きたかった白峰南嶺。
はからずも夏山第一弾となったアルプス稜線歩き、笹山ダイレクトを登り上げて歩いてきました。
奈良田から笹山へまっすぐ登り上げる笹山ダイレクト尾根は、聞きしに勝る直登っぷり。
それでも歩く人は割と多いようで、しっかり踏まれた道は迷うこともなく。
・・・が、ほんとアキレス腱が攣りそうになるくらいの坂道で、いやはや参りました。。。
これまで登ったどの急登よりも、ここが一番大変だったんじゃないか?とか思ったり。
早月尾根や読売新道のほうが、まだ楽だった気がする。
それとも今回は、まきchinが体調不良だったからかしらん。。。
テン泊装備+2日分の水で、重荷担いでの登りだったからかしらん。。。
そして憧れの白峰南嶺でのテン泊と、翌日の稜線歩き。
もうこの開放感と大展望、そしてすれ違う人も全くないというこの静かさ。
堪りませんね。。。こんなとこがアルプスにもあったのか!!と感動しっぱなし。
今回の山行でかなり参考にさせていただいた、atsu510さんの山行記録(感謝!)にあった一言、「南嶺、ここは無限のフリーダム」。
もうまさにその通り。激しく同感。
その言葉をかみしめながら、心が解放されていくような心地を味わいながら、大展望の稜線歩きを大満喫、です。(*≧m≦*)
今年は、春の飯豊や朝日に始まり、人が少ないところばかり歩いてるので。
涸沢とか合戦尾根とか新穂高とか、人が多いところはもう歩けなくなりそう。
帰りの大門沢は、やっぱりかなりキツかったですが。
白峰南嶺、またぜひ歩きたい。
(って、笹山ダイレクトを登ってるときは、もうこんなキツイとこ二度と来ないぞ~とか思ってましたが)
そしてせっかくここまで登り上げるんだから、今度はもっとゆっくり、ぐる~りと歩いてみたいですねぇ。
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コメント
まきchinさん ご無沙汰です。
いつも綺麗な写真入りの楽しいレポありがとう。
やっぱり行かれましたね!白峰南嶺
昨年の秋に同じコースで歩きました。
懐かしく、一緒に歩いているみたいで、ワクワクしながら拝見しました。ありがとうございます。
白峰南嶺 手ごわいけど素晴らしい所ですね!
次は私も蝙蝠狙いです。くたびれたおばさんですが、まきchin隊からパワーをもらい、頑張ります。
投稿: ヘッタン | 2012年8月 9日 (木) 22時45分
ヘッタンさん>
お久しぶりです!
ヘッタンさんが昨秋に歩かれた白峰南嶺、ようやく行ってきました(^^
秋はいったいどんな風景だったのかな、と思いながら歩いてましたよ~。
白峰南嶺、なかなか行きつくのが大変だけど、また歩いてみたい稜線です。ほんと素晴らしいですよね♪
この夏休みは蝙蝠岳、とか思っていたのですが、どうやらお天気がイマイチそうなので、また次回。。。
ヘッタン隊、ファイト!です!!
投稿: まきchin | 2012年8月10日 (金) 16時42分
ご無沙汰しております!
参考に、、、なりましたでしょうか。不安な記事ではありますが。
しかし、よいですねー。
私も、また行きたいです。
がっつり山に行けるのは、いつになるやら、わかりませんので、
バーチャル登山させていただき、ありがとうございます。
最後の写真に、大笑いしてしまいました!!
すんごい、共感します。
投稿: atsu510 | 2012年8月12日 (日) 23時30分
atsu510さん>
勝手に、超参考にさせていただいてました。
そうかぁ、ここがメイちゃんの道かぁ、とか思いながら歩いてましたです。
ありがとうございます!
それにしてもほんとに、よい道でした。
(キツかったけど)また歩きたい道です。
下山してきたときには、もうほんと、写真のようなよれよれヘロヘロ状態でしたけど。。。(^^;
共感していただけてヨカッタ(笑)
投稿: まきchin | 2012年8月19日 (日) 23時19分