2012/5/26-27 残雪の飯豊本山、静かな稜線へ(1日目)
前週、二王子岳から眺めた飯豊連峰。
来週くらいには歩けるかな?な~んて、冗談で話してたのですが。
登山口情報を調べてみたら、どうもこの週末から大日杉までの除雪が完了し、登山口まで車でアクセス可能になる、らしい。
・・・週末の天気もよさそうだし。
こりゃもう、行くっきゃないっしょ!( ^ω^ )
てなわけで、横浜を1時頃に出発し、東北道福島飯坂ICで下道へ。
米沢を抜けて下道を走ること、約80km。
登山口の大日杉には6時頃到着。
※登山口脇の大日杉小屋の手前に6~7台駐車可能なスペースあり。その手前には、20台くらいは停められそうな駐車場もあります。
※トイレは、大日杉小屋の中。
まきchin隊は、小屋手前の駐車スペースに駐車。
既に6台ほど停まってて、何組か既に山に入っている模様。
・・・が、あとでわかったことだけど、この車はほぼみんな山菜採りの方だったみたい。
だけど、この時はまだこんなことを知る由もなく。
こんなにたくさん歩いてるなら安心ね~、といそいそと準備して出発。
ここから、飯豊本山目指して長~い道のりが始まります。
気合入れ直して、行くぜぃ!
ヒノキ林の中、残雪とぬかるみの入り混じる道を歩いて行くと、ほどなく九十九折りの急坂へ。
樹相はヒノキからブナに変わり、鮮やかな緑の中の道。
緑が目に沁みるねぇ。(o^-^o)
落ち葉をがさがさ踏みながら、汗をかきかき急坂を登っていくと
急斜面を一直線に登るザンゲ坂に到着。
坂に残るちょい硬めの雪を踏みつつ避けつつ、坂をよじ登り。
鎖がかかる上部には雪はなく、一気によじ登って尾根上へ。
鎖がかかっている上に足がかりもしっかりしていて、割と登りやすい。
さて、ここからはブナの新緑の美しい尾根歩きですよ~。
傾斜も少し緩やかになり、ナカナカ気持ちのよい道であります。
尾根を登り始めてほどなく、長之助清水に到着。
登山道から少し下ったガケの中ほどにあるこの水場、残念ながら足場が崩れて辿りつけず。
ああ、登山道からも、じゃばじゃば水が出てるのが見えるのに。無念。
・・・まあ、今回は水を多めに持ってきたし、いざとなれば雪を溶かせばいいしね。
※この後、本山に至るまで、水場は全て雪の下。
※切合小屋のすぐそばまで水が引かれてきてたので、そこはそろそろ開通かも。
というわけで、長之助清水を後にして先に進みます。
いや~、気持ちいいね。上から下まで、ぜ~んぶ新緑!
いろんな緑で、キラッキラ。(o^-^o)
尾根上の道をゆる~りと登り、大きな一本杉が聳える御田を過ぎてさらに登ります。
足元は、木の根と落ち葉が重なる歩きやすい道。
木立が切れたところでふと左手を見ると
新緑のブナ林の向こうには、残雪の稜線♪
三国岳と、地蔵山、牛ヶ岩山の稜線ですな。
右手に仰ぎ見る稜線も、これまた美しい♪
新緑と残雪と青空のコントラストが、なんとも言えないねぇ。(≧∇≦)
尾根の下から吹き上げてくる涼しい風でクールダウンしつつ、まとわりついてくる虫を払いつつ登ることしばし。
標高1,200mを越えたあたりから、本格的に雪の道。
ここで、先行のご夫婦と後続のご夫婦とまきchin隊、3組が前後しながら登ります。
(いや、まきchin隊は一番後から、だったか。。。)
やや硬めの雪は、アイゼンなくてもざっくざっくと登れますが。
まきchinは念のため、軽アイゼン装着。
木立を抜けて息をつきつつ、ちょい急な斜面をがしがし登って、だまし地蔵の小ピークを過ぎると
だまし地蔵からちょこっと下ると、あとはゆるりと登る道。
ふと左手を見ると
おっ! あれに見えるは、飯豊本山ではないですかっ!
地蔵岳から延びる尾根の向こうに、ひときわ高く聳えるお姿の、雄々しく美しいことといったら。
空は真っ青、山は真っ白。
こりゃ、テンション上がりますねぇ。(≧∇≦)
雪の斜面を100mほど登っていくと、所々に夏道が出てまして。
ここはもう、カタクリロード♪
道の両側を一面、薄紫のカタクリが埋め尽くしていて、壮観。
そしてもっと壮観なのは、やはり間近に眺める飯豊の稜線。
大迫力の山並みを眺めつつ、雪の斜面を登りつめて
地蔵岳、到着。
真正面に聳えるのは飯豊本山。迫力ありすぎでしょう、もう。(*≧m≦*)
そしてまきchin隊に先行していたご夫婦2組は、本日はここまで、だそう。
山頂直下で休憩されてたご夫婦とおしゃべりしてたら、バナナいただいちゃいました♪
ゴチソウサマです。
今日は天気も展望も素晴らしいから、ゆっくり行っといで、と見送っていただき。
行ってきます!
地蔵岳直下の下り斜面を、ごろ太君はグリセードでしゃ~っと。
まきchinは一歩一歩ざくざく下って、切合小屋へと延びる尾根道へ。
それにしても、切合小屋の遥か遠いことよ・・・(右上の矢印)。
地蔵岳から100mほども下ると、ゆるやかにアップダウンを繰り返す尾根道。
夏道も所々で出てるけど、道のほとんどは分厚い雪の下。
しかもその雪は、尾根の左側の沢へと崩れ始めていて、なかなかにキンチョウしますな。
まだまだ雪は分厚く、ほどよいザラメで歩きやすいけれど。
こんな感じで、人の背丈はあろうかというほどの割れ目がざっくり走っていたり。
何とも荒々しい、早春の尾根。シビレます。
あ、もちろん、こんな荒々しい尾根道ばかりではなく。
木立の中、穏やかに広がる雪原もあり。
ブナの木々の間をゆる~り歩くのは、なんとも心楽しいものですな。( ^ω^ )
そして雪が融けた後の夏道には、春の花々がた~くさん♪
オオバキスミレ、ミツバオウレン、キクザキイチゲ、シラネオアイ。
こちらもカタクリの花が咲きまくり。
道ばただけでなく、道のど真ん中にも咲いていたりして。もうビックリ。
尾根の右手、木立の間からは、目指す飯豊本山がど~ん。(*≧m≦*)
あそこまで行くのか・・・と若干萎えつつ、それでもこの眺めには心躍りますな。
足元に気を配りつつ、尾根上の雪をざくざく踏んで、緩やかにアップダウンを越えて。
途中、腹ごしらえ休憩をはさんでゆる~りと歩いて行くと
小さな祠の立つ、御坪に到着。
ここまでくると、稜線上の切合小屋がだいぶ近くに見えてきた。
さて、あと一登り!
だがこの一登りがナカナカ大変だったりする。
御坪を過ぎてちょっと下ったところに、尾根道と沢道の分岐があり。
登りは取りあえず尾根を行ってみよう、と尾根道を辿ります。
それにしてもこの尾根道、なかなかキンチョウを強いられる道ですな。
あちこちに亀裂が入りまくった雪は、一瞬、どこを歩けばいいんだ?!と思う箇所もあり。
中途半端に雪融けが進むと、もっと怖いことになりそうですが。
しばらくこんな尾根を登っていくと、種蒔山を巻いて沢上部をトラバースする雪道へ。
歩いてきた稜線を背に、雪の急斜面を登ります。
こちらもまたキンチョウする道。
ごろ太君はノーアイゼンでざくざく登っていきますが、まきchinは軽アイゼンつけてへっぴり腰。
稜線近くには、雪庇やらざっくり割れたクラックやらが。(lll゚Д゚)
どんだけ割れてるんだか。
近づきすぎないよう、横目でにらみながらがしがし登って
ようやく稜線上の登山道に合流。やれやれ。(;´▽`A``
そしてこの稜線に上がると、目の前に聳えるのは
出た!大日岳!!
ちょっと雲が出てきてしまったけど、いやぁ、カッコいいねぇ。(*≧m≦*)
大日岳を眺めつつ、ちょこっと稜線を歩けば、ほどなく切合小屋に到着。
※非水洗のトイレが使用可。
地蔵岳からは遥か彼方に見えていたこの小屋に、ようやく到着。。。
遠かった・・・が、目指す本山小屋はまだ先。。。
稜線上はさすがに風が吹き抜けてちょい寒い。
小屋前でフリースを着込んで一息ついたら、いざ、本山小屋目指して最後の登りへGo!
小屋のすぐ横から草履塚(を越えてちょい下)まで、雪の大斜面を登ります。
斜度はそれほどでもないんだけど、この斜面、結構長いですな。
そういや夏道は、色とりどりの花が咲き乱れる道だったよなぁ、とか思いながらひたすら直登。
こんな感じで、ざっくざっくと。
広大な雪の斜面には、下ってきた人の踏み跡がわずかに残るのみ。
・・・それにしても、新しい踏み跡がないんですけど。(@Д@;
もしやこの日、本山小屋に泊まるのって、ウチらだけだったりする?!
いやいやそんなはずないでしょ、だって飯豊だよ、本山だよ?!とかしゃべりながら登ってたら、標高差150mほどの斜面もあっという間。
夏道の右手の雪を辿って登っていたら、草履塚もいつの間にかスルーしてしまい。
ここから夏道に合流、です。
姥権現まで下って、御秘所過ぎて、最後に御前坂を登れば、目指す本山小屋。
・・・って、まだまだ遠いな、おい。(;;;´Д`)ゝ
そしてここで、なぜかごろ太君のカメラが突然故障。(´;ω;`)
シャッター押しても撮れたり撮れなかったり、とかな~り怪しげな感じ。
まだまだこれからなのに!!と哀しげなごろ太君に、まきchinのカメラを進呈しまして。
さあ、先へ進みましょ。
石ごろの九十九折りの道を下ると、石積みに囲まれた姥権現。
明日の好天と無事の山行をお祈りします。
そして姥権現から少し登ると、岩場の御秘所。
急なところには鎖がかかっているし、すべりにくい岩なのでそれほど怖いところはなし。
御秘所を過ぎれば、最後の御前坂の九十九折りであります。
岩ごろの急な九十九折りを、200mほどもぐい~っと登る道。
・・・いい加減疲れてきた足に、堪えますな・・・。(;´▽`A``
何度も立ち止まって息を整えつつ。
岩ごろの道は、へんてこな方向へ行かないよう、赤ペンキと緑ロープで目印が付けられているので迷うことはなし。
標高差200mは長いよね~、まだかな~、と一歩一歩、重たい足を進めて登ることしばし。
本山小屋手前の一王子に到着! 急坂、終了!!
いやぁ、疲れた。
ここから本山小屋までは一歩きで
と~うちゃ~く!
いやはや、長かった。さすが飯豊は遠いよ。。。
まずは小屋に入って一休みしましょ。
し~んと静かな小屋に、もしや・・の思いが頭をかすめ。
こんにちはぁ・・・とドアを恐る恐る開けてみたら。
う~、まさかの貸し切り。
この時期の飯豊本山は、空いてるのね。
登山口まで除雪完了して初めての、しかも好天の土日なので、絶対何組か来てるだろうな~、と思ってたのですが。
さぁて、そうとなったら、2階の一角に陣取って。
日の入りの18:50まで、の~んびり荷物広げてくつろいで。
小屋貸し切りなら、もうちょいビール担いでくればよかったか?!なぁんて言いつつ。
プレモルも白菜鍋も、疲れた体にじんわり沁み渡りますo(*^▽^*)o
日の入りが近くになるにつれ、風がどんどん強くなり。
しっかり着込んで、強風吹き抜ける稜線へ。
久しぶりの、日の入りショータイム♪(≧∇≦)
彼方に見えるのは朝日連峰ですかね。
夕闇にふわぁ~っと浮かんでます。
いやぁ、山の上で夕日を眺めるのは、いつぶりかしらん。
この空の色と山の色。ドキドキするねぇ。
そうそう、これこれ。
茜色に染まる雪の斜面、これが見たかったのだ。
ほんのりと染まる雪、そして夕日の沈む主稜線もほんのり染まりつつ、夕闇色に沈みつつ。
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コメント
お、飯豊だ、さすが飯豊だけあってまだ雪多いですね~。
しかも本山小屋を二人占めとは、夕焼けもきれいだし良いですね~。
あ~飯豊行きたい(笑)。
僕も今シーズン最初のお泊り登山を先日飯豊の北側でやって来ました。(レポがんばります。) やはり小屋独り占めでした。
投稿: IK | 2012年5月30日 (水) 06時24分
速報見て、びっくり!!
いざ~♪ 道が開通したらそく飯豊とは・・・(@@:)
でも、この天気・・・ドンピシャ!でしたね^-^
凄すぎま~す!!
美しすぎま~す!!
それも、貸切~!やなんて。。。^-^
このルートは、以前、歩いた(もちろん夏ですが・・・)
コースなんで、懐かしく・・・^^v
いや~♪ しかし、美しい景色0^^0
でも、相変わらず体力あるな~(拍手)
投稿: みい | 2012年5月30日 (水) 10時03分
飯豊かぁ…
速報見てから楽しみにレポ待ってましたよ。
こんないい天気で本山2人占めなんてビックリですね。山形の天気よい予報だったからちょいと悩んだんですけどねぇ。
ほんとによい天気で、夕焼けばっちりなんて、最高ですね。これならプレモルもお鍋もうんまいでしょうねぇ。いやぁ、いいなぁ。そろそろ飯豊かなぁ。
でも本山小屋に高橋さんがいないのもちと寂しい(^皿^)
投稿: Toby | 2012年5月30日 (水) 23時26分
IKさん>
草履塚から先の稜線は雪ナシだったんですけど、地蔵岳から切合小屋までの尾根道は、まだまだ雪がたくさんでした。
もっと雪が緩んでくると、歩くのも結構めんどくさそうな感じ。
いやぁ、さすが飯豊です。
雪、まだまだ多いですよねぇ。
2年ぶりの飯豊は、静かで展望も素晴らしくて。
いやぁ、かなり大満足です♪
・・・飯豊の北って、まさか朝日?
レポお待ちしてま~す(^^
投稿: まきchin | 2012年5月30日 (水) 23時51分
みいさん>
登山道の状況はちと不安だったんですけど。
この天気予報見たら、もうこりゃ行くっきゃないっしょ、と。
いやぁ、静かで大展望で、アタックして良かったです♪
久しぶりの重荷&長丁場で、足にかな~りきちゃいましたが。
やっぱりいいですねぇ、飯豊。大絶景♪
このコース、夏に歩かれてたんですね。
や~、夏はまた緑濃く花咲き乱れ、美しい道でしょうね♪
投稿: まきchin | 2012年5月30日 (水) 23時55分
Tobyさん>
石転び沢あたり、Tobyさん隊は登ってるんじゃないか?!とか思ってたんですが。
こんないい天気だし、いつも人でいっぱいの飯豊本山なので、この週末は二人占めでビックリでした。
本山小屋も、管理人さんはいらっしゃるんじゃないかと思ってたんですけどね~。
そろそろ飯豊の季節ですね♪
投稿: まきchin | 2012年5月30日 (水) 23時57分
1日で本山小屋まで登っちゃうとは・・
まきchin隊、あいかわらずのタフさですっ。
しかも本山小屋が貸切とはっ・・、
百名山とはいえ、GWと花期の間の週末は
意外と穴場なのでしょうか。
うらやましいー!
続きを楽しみにしてます。
投稿: ぽっか | 2012年5月31日 (木) 12時22分
大迫力ですね!さすが飯豊!
雪道と夏道が交錯するこの時期って、アイゼンを付けたり外したりってのが面倒で…ノーアイゼンで登れちゃう人はいいですけど、私はどうも苦手のようで、歩き方が下手なのかな~アイゼン様様です(^^;)
日帰り装備と違ってシュラフなど荷物が増えてますから、長丁場の登山、お疲れ様でした。
そして、飯豊山独占おめでとうございます(^^)/
投稿: こまち | 2012年5月31日 (木) 13時31分
ぽっかさん>
いやいや、2日目はなんと、同じコースで本山日帰りの方に二人もお会いしてしまいまして。
スゴイ方もいらっしゃるものです。。。
本山小屋、貸切でビックリでした。
飯豊山頂も貸切で、いやはや、ゼイタクな週末でありました♪
花の時期にはちょいと早いので。
ちょうど谷間の空いてる時期なんでしょうねぇ。
続きは、また週明けに!(これからまた山へ。。)
投稿: まきchin | 2012年6月 1日 (金) 23時33分
こまちさん>
さすがに大迫力ですよねぇ。
残雪の稜線は、ほんとすごかったです。
今回、地蔵岳への登りと切合小屋直下の登りはアイゼン付けましたが、他はざくざくノーアイゼンで歩けました。
雪がちょっと硬かったり、急斜面だったりすると怖いですよね。
私は腰引けまくってしまうのがどうもイケナイらしい。。。
投稿: まきchin | 2012年6月 1日 (金) 23時36分