2011/8/6-13 表銀座~裏銀座縦走!(3日目・赤岩岳、西岳)
1日目(8/6):合戦尾根~燕山荘~大天荘(小屋泊)
2日目(8/7):大天荘~横通岳~東天井岳~大天荘(小屋泊)
3日目(8/8):大天荘~喜作新道~赤岩岳~西岳(テン泊)
4日目(8/9):西岳~東鎌尾根~西鎌尾根~樅沢岳~双六小屋(テン泊)
5日目(8/10):双六小屋~抜戸岳~双六小屋(テン泊)
6日目(8/11):双六小屋~双六岳~三俣蓮華岳~三俣山荘(テン泊)
7日目(8/12):三俣山荘~鷲羽岳~野口五郎岳~烏帽子小屋(テン泊)
8日目(8/13):烏帽子小屋~ブナ立尾根~高瀬ダム
この日の夜も、時折ざあっと雨が降ったりして不安な天気。
それでも早目に起きて外の様子をうかがってみると。
お。雲海に浮かぶ槍穂が、明け方の空にクッキリ。
北穂の小屋、槍の肩の小屋、涸沢の小屋の明かりがキラキラ、まぶしいっす。
雲海の端っこ、アップ。
谷間にもけもけと溜まって、ゆらゆらと形を変えていく雲は、見ていて飽きません。
・・・と、東の空も徐々に飽きない眺めに。
昇りくる朝日に、オレンジと青のグラデーションに染まる空。
さあ、出発しますかね。
いつも憧れの目で眺めていた、喜作新道へ向かう道へ、いざ。
大天荘から大天井ヒュッテまでは、大天井岳をトラバースしながら下る道。
石ころゴロゴロのちょいガレ気味の道を、ヤリホ眺めながらゆるゆる下ります。
お、雲が茜色に染まってきた。
大天井岳の向こうの東の空から、朝日が昇ってきましたかね。
この道からは、大天井岳の稜線が邪魔して日の出は見えないのですが。
ガレのトラバース道は、所々に木のハシゴもかかっており。
あんまりよそ見をしてると谷に落っこちそうになるので、注意注意。
とは言いつつも。
目の前の、朝日に輝く槍穂に目が奪われる。。。
日が昇る一瞬のこの色、この輝きには、美しいを通り越して荘厳さを感じます。(o^-^o)
そんな景色をウットリ眺めつつ、滑りやすいハシゴを登り降りしながらトラバース道を下っていくと
ど~ん!朝日に輝く鷲羽岳!!
いやあ、お美しいですわぁ。(*≧m≦*)
三俣蓮華と水晶は、雲をかぶってますな。それもまた、なんともイイ感じの景色。
鷲羽が見えるあたりで、表銀座からの道と合流し、九十九折りに下っていくと、大天井ヒュッテに到着。
大天井ヒュッテ、上から見るとこんな感じ。
3階建ての大きな小屋。
さて、小屋でトイレ借りたりフリース脱いだりして身支度整えて、いざ、喜作新道へ。
林の中をゆる~りと下る道沿いには、お花がたくさん。
いや~、いいね。
そこかしこに花々が咲く木立の中の道は、なかなかに気持ち良い。
いったんゆる~りと下り、登りに転じる道をゆるゆると登っていくと
ビックリ平に到着。
林の中から、稜線上に出てきました。
そしてここで、黒部方面の山並みが一望!
双六、三俣蓮華、鷲羽、水晶、裏銀座。裏銀座方面は雲かぶってますが。
まきchinの大好きな山域が一望。ああ、シアワセ。(≧m≦)
さあ、こんな景色を背に、稜線を歩きましょ。
稜線上の道は、緩やかに白く長くのびていて、なかなか気持ち良い。
槍ヶ岳も、大迫力の大きさ。
いつも遠くから眺める槍ヶ岳が目の前にど~んと聳えてて、なんだか距離感覚がおかしくなりそう。
槍ヶ岳を眺めながらゆるゆると歩く稜線上には、チングルマのほわほわもそこかしこに。
さっき林の中にたくさん咲いてたお花達も、所々に群落を作ってたくさん咲いてます。
青空の下、展望の素晴らしい稜線歩き。
いやはや、やっぱり青空の下の展望はよいですねえ。
岩ごろの道をゆる~りと登って小ピークにたどり着くと、前方に百高山の一つ、赤岩岳の山頂が。
右の緑のピークが赤岩岳。
歩いている道の少し先に「赤岩岳山頂」の標識があるにはあるけど、そこは実は山頂ではないんですね~。
ほんとの赤岩岳はコチラ。
小ピークから先、赤岩岳山頂の標識を過ぎて一旦下ったところから、道なき急斜面をよじ登ったところが三角点のある山頂。
青線が登山道、赤線がよじ登りルートです。
さて、さすがにたくさん人が通る中で道なき斜面をよじ登るのは気がひけたので。
あとからやってくる何組かをやりすごし、ザックをデポして、いざ、急斜面へ。
取付き地点から見上げると、こんな感じ。
う~ん、踏み跡らしき踏み跡もないし(急斜面過ぎて)、いったいどこをよじ登ればよいやら。
最初、右側のひらけた斜面をよじ登っていったのだけど、ひっつかむ草は引っこ抜けそうだし、ごろごろころがる岩は崩れるし。
危うく斜面をずり落ちそうになり、ほうほうの体で左側の藪沿いに移動。
ハイマツやら灌木やらをひっつかみかき分けて、ひたすらよじ登り。
こんな感じ。
急斜面の藪登り。いやもう、マジで、急斜面。
こんな思いするなら、百高山なんてもういいよ~~と弱音吐きつつよじ登ること20分弱。
三角点の転がる(!)狭い山頂に、到着!!
百高山80座目、赤岩岳(2,768m)です。
三角点は、三等三角点。
狭い山頂はどんどん崩れているようで。
この三角点も、設置された場所が崩れてしまってたのを、誰かが引き上げたみたい。
崩れゆく狭い山頂からは、大展望の山並みが。
槍ヶ岳。
翌日歩く東鎌尾根の急なアップダウンっぷりに、早くも萎え萎え。
ちとひいてみた。
右側には、今にも雲に隠れそうな大天井岳、そして左側には裏銀座。
ん~、苦労して急斜面をよじ登った甲斐ありまくりの眺めですな。
・・・ここに再び来ることはないだろうな~と思いつつ、展望を目に焼き付けて。
下りも灌木の茂み沿いに、木をひっつかみつつ足を滑らせつつ急斜面を降りて行きます。
いやはや、百高山やってる方って、みんなこんなとこ登ってらっしゃるんですね。
こりゃ~、かなり、大変。
途中でトリカブトをつかみそうになってビビりつつも、なんとか無事に下り切り。
再び登山道上の人に。
花でいっぱいの斜面をゆるゆると、アップダウン繰り返しつつ小ピーク越えつつの~んびり歩いて行くと、ほどなく西岳への分岐に到着です。
ここも百高山の一つでもあり。
またまた、ザックをデポして山頂アタック(今度はちゃんと道ついてます)。
西岳山頂(2,758m)、到着。
百高山、81座目♪
ここからも槍穂が大展望と思われるのですが。残念ながら、雲に隠されちゃいましたね。。。
てなわけで、早々に退散し、西岳直下のヒュッテ西岳を目指します。
赤い屋根の小屋がヒュッテ西岳、その先の茶色い更地がテン場。
岬の突端みたいなとこがテン場なのね。ロケーション的には最高。
ヒュッテ西岳に到着したのは9時半前。
早速テン場の受付をして(もうテント張るの?!と小屋のオヤジさんには言われてしまった)テントを張って、と。
目指すは本日のメインイベント、赤沢山!
事前の情報によると、テン場のさきっぽの大岩の下に踏み跡あり、とのことで。
ありますねぇ~、踏み跡。
赤テープも付いてるし、ばっちりじゃん。
快調快調、とハイマツの中の急な踏み跡を下っていくと。
あり?! 踏み跡の先には、大規模ながけ崩れ・・・。∑(゚∇゚|||)
大きな岩がごろごろ、そして木も根こそぎ倒れてたりして尋常ではない様子。
ごろ太君がちょこっと偵察してみましたが。
この先のハイマツの中にも、どうにも踏み跡は見当たらない。
眼下に見える、山頂手前のコルと登り返しの斜面にはわずかに踏み跡が望めるのですが。
どうもこっち側の斜面を下るには、踏み跡もないハイマツの中を手さぐりで下るしかない模様。
(踏み跡があったところが、がけ崩れで流れてしまったっぽい)
一旦登り返してみたりして、しばらく逡巡してましたが。
こりゃ~私らには無理じゃ、ってことで。
残念ですが撤退。
ま、あと2~3年もすりゃ、どなたかが踏み跡をつけてくださるのではないかと。。。(超他力本願。オハズカシイ)
はあぁ。
赤沢山登頂が、今回の縦走の目的の一つでもあったのですが。
こんなんじゃ、しょうがない。安全第一。
てなわけで。
テン場に戻って、小屋で仕入れたビールで乾杯~♪
この時点でまた11時半。会社の皆さま、昼からゴメンナサイ。
※ヒュッテ西岳は、水場はないけど小屋で天水(消毒済)購入可。(1L200円)
※トイレは宿泊者・テント泊者とも1回100円。トイレットペーパー完備・洋式のキレイな(山にしては)トイレです。
の~んびりビールを飲むうちに、テン場のテントもだんだん増えてきて。
そしてこの日も、13時半ころから1時間半ほど、雨がざあっと襲来。
まきchin隊はテントの中でお昼寝タイム。
16時過ぎにのんびり起き出して夕飯を食べると、山はいよいよ夕焼けタイム。
1日目、2日目と夕焼けが見られなかったので、お待ちかねの景色です。o(*^▽^*)o
槍ヶ岳方面は、残念ながら雲の中にて。
でも油絵で描いたような雲の色と形がすごい。印象派みたい?!
テン場も真っ赤っか。
まるで、赤いセロハン通して見てるみたい。
これ、ウソみたいだけどほんとの色。
日が沈むにつれ、小豆色になっていく空。
蝶ヶ岳もだんだん、小豆色の空に沈みつつ。
そしてこの頃になると、常念岳の向こうの安曇野方面では雷がゴロゴロ鳴りだして。
こちらから見ると、稲妻がジグザクピカピカ光って、谷間に雷鳴がごろごろ響いてちと怖いですが。
しばらく鳴り続けた雷も、それ以上近づくことはなく、ようやく穏やかな夜を過ごしたまきchin隊でありました。
| 固定リンク
「◇登山」カテゴリの記事
- 2024年の山歩き(2024.12.25)
- 2024/12/1 山梨初冬山歩き・三ツ峠山~本社ヶ丸周回(2024.12.05)
- 2024/11/30 山梨初冬山歩き・赤鞍ヶ岳~菜畑山周回(2024.12.03)
- 2024/11/17 山形山城歩き・長谷堂城(2024.11.22)
- 2024/11/16 山形晩秋山歩き・徳網山(2024.11.20)
コメント
赤岩岳・・・大変でしょ~(汗)
よじ登りましたよ~~!
下りるのがまた、大変で、うちらは逆歩きやったんで
もっと先に下りようとしたら、ハイマツに。。。
そうれでも無理やり下りて、気がつけば、ザックにつけて
あった新しいスリッパが・・・いずこ~~(笑)
100高山やってる人は・・・そう、みなこんな事しました(笑)
もうひとつの難関、赤ちゃん・・・崩壊ひどい!ですね0--0
ココでは、逆にテープに惑わされ プチ滑落で怪我(軽い)したとこです(苦笑)
ハイマツにも、古いのから新しいのからテープがあり(@@:)
一旦、どんと下るんでそこがミソ!でも、そこが崩壊なら当分無理かな?
でも、名文句=山は逃げない!・・・から^-^
西岳のテン場は、1日いても飽きませんよね~^^
贅沢な1日を過ごされましたね^^v
あっ~♪また、行きたいなっ!
週末の天気の馬鹿野郎~~♪
投稿: みい | 2011年8月19日 (金) 10時48分
みいさん>
そうそう、みいさんも登ったんですよねぇ~。
みんなこんなことやってるんだ。
ワタクシ、途中で「もういいよぉ~」と半分泣きが入りました(^^;
逆歩きだったなんて、そりゃ大変ですわぁ。
そして赤沢山。む~ん、残念。
ペンさん、滑落ですかっ?! そりゃまたキケンな。。
行って行けなくもないのか?!とも思いましたが、そう、「山は逃げない」!
また機会があれば来るでしょ~、と今回は撤退デス。
西岳のテン場。ほんとヨイですね!
静かだし展望も素晴らしいし、携帯の電波も入りまくり。
思いもかけず、ここでの~んびりすることになりましたが。ヨカッタ♪
週末。。天気イマイチですねぇ。
短い夏が、終わってしまう! うぅ
投稿: まきchin | 2011年8月20日 (土) 16時15分
いやぁ、まきchin隊が9:20に行動終了って、いったいなにが起こったのって感じですが………
でもいいですね、ちょっとワタクシ先日の北アで急ぎすぎてしまいました。せっかく遠くに来たんだから目一杯歩きたいと思ってしまう貧乏性がでてしまいました。いけませんね。
それにしてもこのテン場ほんとよいですね。槍さまにガスがかかってなかったらぼくなら失神してますよ(^_^)
投稿: Toby | 2011年8月20日 (土) 22時32分
Tobyさん>
いやいや、今回は超ヘタレでオハズカシイ。
ほんとはこっから、2時間ほど赤沢山への往復があるはずだったんですが、撤退したため、事実上9時20分で行動終了。。。(さっき、撤退の記録も追加しましたが)
昼過ぎからまた雷雨になりそな予報だったので、あっさりテント張ってマッタリでした(^^;
北ア。よいのです。
急いでどんどん歩いても、のんびりあるいてもよいのです!!
Tobyさん隊のガッツリ歩きっぷり、よいではないですか♪
また歩きましょう。気絶しそうな景色でいっぱいの北アルプスを。ぜひ!!(^^V
投稿: まきchin | 2011年8月20日 (土) 22時50分
はじめまして。
僕も息子と100高山をやっているのですが、
赤岩岳の登り方、とても参考になります。
それにしても赤沢山、非常に困りました。
まさか崖崩れとは・・。
投稿: 夢追人 | 2011年10月 6日 (木) 17時28分
夢追人さん>
初めまして、コメントありがとうございます!
息子さんと100高山ですか・・・すごい!!夢イッパイですね♪
赤岩岳は、西岳から稜線を辿っていく方もいらっしゃるようですが、そちらからだとキレットに阻まれて三角点には到達できないようです。
我々の直登ルートも、かなり崩れやすい急斜面でしたので、ハイマツや灌木沿いに、木をひっつかみかき分け登ることをお勧めします。。。
赤沢山。どうも、崩れてるところを超えてさらに下っていくみたいですが。
我々、ザイルも持ってなかったので、諦めました。
あと何年かしたら、踏み跡もできるかしらん、なんて(;´▽`A``
息子さんとの100高山、完登。楽しみですね!
これからもよろしくお願いします♪
投稿: まきchin | 2011年10月 6日 (木) 23時00分