2011/7/15-18 読売新道から赤牛岳へ(2日目・読売新道~赤牛岳~水晶岳)
1日目(7/15):黒部ダム~平ノ渡~奥黒部ヒュッテ
2日目(7/16):奥黒部ヒュッテ~読売新道~赤牛岳~水晶岳~水晶小屋
3日目(7/17):水晶小屋~野口五郎岳~南真砂岳~竹村新道~湯俣温泉晴嵐荘
4日目(7/18):湯俣温泉晴嵐荘~高瀬ダム
さて、長丁場の一日。
明るくなり始めた頃に出発するぞ~、と気合だけは十分だったものの。
・・・のんびりしてたら、やっぱり4時半過ぎちゃいました。
小屋の前の林をゆるりと歩くと、道はすぐに急坂に。
鬱蒼とした林の中の急坂は、風が通らず暑い。
まきchin、どうにも調子が上がらず、登り始めて40分もしたところで早速おにぎり休憩。
朝食をお弁当にしてもらってたのをイタダキマス(ってか、そんなら行動開始前に食べとけ、って話ですが)。
お弁当に添えられた一言に、ホッと和みます♪
卵焼きが添えられたおにぎり弁当で、エネルギー補給して元気復活。
さあ、木の根っこがゴツゴツ出ている尾根上の急坂を登りますよ~。
尾根の右手には上ノ廊下、左手には東沢谷が流れ、すごい沢音が立ちのぼってくる中、細い尾根道をぐいぐい登ります。
足元にはコマゴマと、でもみっしりと小さなお花達。
急坂に息をつきつつ、足元の花を見て和みつつ、山並みを仰ぎ見て元気づけられつつ。
300mほど登ったところで
ふう、ようやく「1/8」の標識登場。
・・・それにしても、なんで分母は「10」じゃなくて「8」なのかしらん。
※この標識、奥黒部ヒュッテから山頂までの距離を8等分した箇所に設置されてるっぽい。
標識を通り過ぎ、ガケの上の階段を登っていくと
お、木立の切れめから覗くのは、薬師岳サマのお姿!!
うう~、なんともお美しい、そして大迫力(≧∇≦)
やっぱりアルプスはいいねぇ。
暑っつい木立の中の登り坂も、こんな眺めをちらりと拝みつつなので苦にならないよねぇ。
苔むした石に足を滑らせつつも、岩や木の根をつかみながらよじ登り。
標高2,300m辺りで、ふっと木立が切れて4/8の標識が登場したところで振り返ると
おお! 左手には立山、右手には針ノ木岳、そして一番奥には白馬三山!!
大展望ではないですか(*≧m≦*)
いやぁ~、テンション上がりますな。
そしてここから先、一旦林の中へ入るもすぐに開けた尾根道へ。
ここもさすがの大展望。
しかも足元には、いよいよ満開のお花達♪
アオノツガザクラ、ミネズオウも。
そのほかにも、コメバツガザクラ、コケモモなど小さなお花達も満載♪
前方には、目指す赤牛岳の山頂とくればもう。
アドレナリン湧きまくり、テンション上がりまくり!(*≧m≦*)
風がそよそよ吹き抜ける稜線歩きは、これまでの樹林帯の中の急坂からやや緩やかな尾根道になり、しかも涼しくてイイ気持♪
6/8の標識を過ぎたあたりから、大きな岩がごろごろした大展望の尾根歩きへ。
こんな景色を眺めつつ、岩を伝って登ることしばし。
7/8の標識から先は、砂ザレの滑りやすい急坂をきゅ~っと登りつめて
そして、まきchin隊以外には誰もいない静かな山頂からは、ぐるり360°の大展望。
相変わらずお美しい、薬師岳。
真っ白なカール、谷筋の残雪も、何とも言えず美しい。o(*^▽^*)o
そして遥か眼下に光る黒部ダムと、雄山、後立山、針ノ木岳。
あそこから登ってきたんだねえ。
いやもう、言葉もなし。素晴らしすぎて泣けてくる。
北アルプスど真ん中から眺める、四方に連なる青い山並み。
峰々を眺めては、そこを歩いた時のことを思い出してみたり。
立山~薬師の稜線から見ても裏銀座から見ても、どっしり聳えて存在感ある赤牛岳からの眺めは、ほんと天下一品です。
今までで一番ゾクゾクしたかも。(*≧m≦*)
絶景を楽しみつつ、のんびり腹ごしらえしていたら、水晶岳方面から歩いてこられたご夫婦連れが。
これから温泉沢ノ頭へ戻って高天原へ下る、というお二人としばしおしゃべりしたら、そろそろ出発です。
名残惜しいのはヤマヤマですが。
目指すは、目の前の水晶岳のその向こうの水晶小屋。
まだまだ道のりは長い。
右手には、黒部五郎岳、雲の平と、高天原。
あ~、雲の平も高天原も、またゆったり行きたいところです。
赤牛岳を背に、いくつものアップダウンを越え。
それほど大きなアップダウンはないんだけど、読売新道を登ってきた足には堪える・・。
赤牛岳から水晶岳、意外とキツイ。。。
目の前にのびる稜線の先には、黒く聳える水晶岳。
ヤリホも顔をのぞかせてますね・・・雲が湧く前に、水晶岳につけるかな・・・。
そんな花々を眺めつつ歩く岩だらけの稜線は、前方の水晶岳に向かってずぃ~っと伸びており。
細かなアップダウンを繰り返しつつも、一歩一歩水晶岳に近づいていく道は、もうほんと心湧きたつ道。
・・・が、水晶岳、すぐそこに見えててもなかなか遠い。。。
この稜線、長いぞ!
途中の雪渓で雪をかいて水補給しつつ(お腹の弱い方にはおススメしません)。
温泉沢ノ頭を過ぎて稜線を歩いて行くと
おお。遠かった水晶岳が、ようやく目の前に。
しっかし、真っ黒な壁ですかね、こりゃ。
ここから先は、再び岩伝い&ザレた道。
岩がごろごろ積み重なった道、こりゃいったいどこを登るんだ?!と思いつつも、ちゃんと踏み跡はついてるわけで。
もうさすがにかなり疲れてきたまきchin隊、一息つきつつ岩の道をよじ登り
どこまでも連なる稜線を見るってのは、いいねえ。
しかもそれが、鷲羽岳に続く稜線ときたら、もうタマリマセン。(≧m≦)
・・・道はどこまででも通じてて、行こうと思えばどこまででも歩くことはできて。
日々、いろんな面で限界を感じつつお仕事してるまきchinですが、こんな景色に出会ってしまうと、まだまだ頑張れるような、道が開けてるような。
きっと、道はどこまででも続いていて、それでも限界を感じてしまうのは自分の心持ちのせいに違いない。うむ。
ちと哲学的な想いに浸りつつも。
こんな素晴らしい景色を見りゃ、心も晴れて、山頂に居合わせた方とのおしゃべりも弾むってもんです。
これから三俣のテン場へ戻る(!!)というその方を見送ったら、もう時間も時間なので、まきchin隊も山頂を後にし、一路水晶小屋へ。
他にも、タカネツメクサ、イワツメクサ、ミヤマキンバイ、ハクサンイチゲ、ミヤマダイコンソウ、などなど、道沿いには花がいっぱい♪
道はこんなで、結構岩々ゴツゴツ。
所々にハシゴもあったりして、なかなか気が抜けない道ではありますが、岩を越えてゆるりと下って
よう~やく、水晶小屋に到着!
はぁ~、やれやれ。さすがのまきchin隊も、疲れました。。。
そして小屋の前にはこんな貼り紙が。
そういや、赤牛岳山頂でお会いしたご夫婦連れも、水晶小屋で止められて読売新道を下るのをあきらめた、っておっしゃってたっけ。
まあ、「不通」と言っても間違いではない、荒れっぷりでしたしね。
山行前に照会した先では、通れるんじゃないですかね~というお返事だったのですが、まあいろいろなんでしょうかね。
(通れなくはないが、キケンであることは確か。私らはたまたま通過できましたが、おススメはしません。これから行く方は、直前に現地にご確認を。)
この日の小屋は、やや混み。
2枚の布団に3人で寝る、という感じでしたが、まあ夏の最盛期に比べりゃ、そんなのなんでもない。
シロウマオウギ、ミヤマオダマキ、コイワカガミ、シナノキンバイ
小屋の周りにたくさん咲く花々を眺め。
そして夕暮れ時、小屋の前から夕空を眺め。
さあ、明日もいい天気でありますように。
<オマケ>
ごろ太君、夜中に起きだして小屋の外へ。
折しもこの日は満月、月明かりに照らされた水晶岳が、クッキリと夜空に浮かんでおりました。。。
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コメント
いやはや、たまりませんなぁ~アルプスの稜線歩き♪
あの日は最高の夏山日和でしたもんね。
9時15分には薬師岳から下山を始めていたので、どうやら
山頂で見つめ合ってたって事はなさそうですが(笑
黒部の谷を挟んで歩いていたんですね~!
投稿: しょもも | 2011年7月21日 (木) 09時28分
今更ながら、一日目の荒廃ぶりを、
よくぞ無事で乗り越えましたよね。
すごい勇気と渡りっぷりでさすがです。でもくれぐれも無理なさなないでくださいね!
読売新道、比較的静かそうで やはり惹かれます。
いつか。
と思いました。
もちろん下りで(笑)
カレーおかわり自由も素晴らしいですね。
投稿: ぽっか | 2011年7月21日 (木) 23時41分
しょももさん>
ほんと16日は最高の夏山日和でしたね!
朝早くの薬師岳山頂からの展望は、雲もなくスッキリと、さぞや素晴らしかったでしょうね~~(^^
9時過ぎころといえば、薬師岳を右手に仰ぎつつ、赤牛岳目指して大展望の尾根を登ってた頃かな。
黒部の谷を挟んでの山行でしたが、いやはや、お互い大満喫ですね♪
投稿: まきchin | 2011年7月22日 (金) 00時35分
ぽっかさん>
いやはやほんと、無事でよかったです。
既に何人も歩いてて踏み跡はついてましたが、慎重に行かないと危ないところばかりで。。。
はい、無理せず、気をつけます!
読売新道。
下る人のほうが多い道ですが、それでもとっても静かで雰囲気ある道ですよ~。
水晶小屋は夏は激混みですから、ちょっと人が減り始める(と思われる)秋がよさそうですね。
その頃なら、黒部ダム沿いの道も整備されてますし、ネ。
カレー、美味でしたよ。
肉もジャガイモもニンジンもちゃんと入ってて、王道のカレーです。
ご飯もルーも、おつゆもおかわりできるなんて、ほんと太っ腹♪(まきchin、ルーおかわりしちゃいました(^^)
投稿: まきchin | 2011年7月22日 (金) 00時39分
そうか~、晴れていればこんなすごい景色なんですね~。
昨年は写真を撮ったのは赤牛岳山頂だけで、それ以外はザックの中だったからな~。(泣)
読売新道リベンジするぞ~!
投稿: IK | 2011年7月22日 (金) 06時47分
やっぱり一日目のルート不通だったんだ(lll゚□゚)ガーン
あれじゃね。よくぞご無事で。
そしてちょっと安心。あれは普通の状態ではないんですよね(^_^)
それにしてもアルプスすげえなぁ。こんなの見せられたらもういてもたってもいられませんよ!あぁいいなぁ。行きたいなぁ。今年は雲ノ平に行ってみたいなと思っているんですけど。行けるかなぁ。あぁ〜〜〜!!!!!!
夏休みっ♪夏休みっ♪夏休みっ♪
まだかなぁ。
投稿: Toby | 2011年7月22日 (金) 16時06分
IKさん>
そうなのです。
北アど真ん中、もうすんばらしい展望でした。
IKさんには、是非ともリベンジしていただきたい!
赤牛からの絶景、待ってます(^^
投稿: まきchin | 2011年7月23日 (土) 09時00分
Tobyさん>
事前に確認したら、「行けるんじゃないですかね~」ってことだったのですが。
まあ、7月中はやめといたほうが無難な道ですね。
崩れてるところの手前には、丸太やら針金やらが積まれてたので、8月に向けて鋭意修繕中と思われます。
工事の方には、ほんと感謝ですよね。。。
そしてアルプス。
いやもう、ぜひ!!雲の平なんて、ウットリしすぎて気絶しちゃいますよ。
薬師、黒部五郎、雲の平、三俣のあたりは、1週間ウロウロしててもまだ足りないくらいです。
行きましょう!ぜひ!!
早く来い来い、天気の良い夏休み~♪
投稿: まきchin | 2011年7月23日 (土) 09時05分
まきchin様
初めて書き込みさせていただきます。atomと申します。
まきchin様の読売新道のblog記事を参考にさせていただき、先日の2015年7/29-7/31の2泊3日で、読売新道を登ってきました。多くの情報、ありがとうございました。
奥黒部ヒュッテのご主人によれば、黒部湖沿いの道は毎年雪により崩れてしまうので、関西電力が費用を負担し、7月末期限で修復しているとのこと。7/29は、ほぼ完成でした。奥黒部ヒュッテは読売新道を下ってきた方3名と、これから上る私1名の合計4名で静かでした。
投稿: atom | 2015年8月 4日 (火) 19時26分
atomさま>
コメントありがとうございます。
赤牛岳のレポ、参考にしていただきまして恐縮です。
やはり7月末で修復されているんですね、atomさんが歩かれた時は問題なかったようで良かったです!
29日~31日もすばらしいお天気でしたでしょうねぇ。。
静かで眺めもよく、さぞや素敵な山行だったのでは。羨ましい!
私らは8/1~2に黒部ダムから針ノ木古道を登っていましたが、赤牛岳があまりにも美しく、また歩きたいなぁと懐かしく思い出していたところでした。
投稿: まきchin | 2015年8月 4日 (火) 23時28分