2009/8/5-7 日高の稜線を幌尻岳へ・2日目(北海道6日目)
青い青い空の下、なが~い緑の稜線を歩いて幌尻岳へ。
憧れの稜線は、激しいハイマツの藪歩きでありました。
戸蔦別岳から眺める幌尻岳。
七つ沼カールも、北カールも、水がたっぷり。
===幌尻岳(百名山94座目)===
2009/8/6(木):1967峰(5:35)~▲1856峰(6:40-6:50)~▲北戸蔦別岳(7:45-8:00)~▲戸蔦別岳(9:05-9:15)~▲幌尻岳(11:20-11:45)~七つ沼カール(12:45-13:40)~▲戸蔦別岳(14:30-14:35)~▲北戸蔦別岳(15:30-15:40)~▲1856峰(16:20)~1967峰(17:35)
累積登高:1,610m
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幌尻1日目:伏美岳登山口~伏美岳~ピパイロ岳~1967峰
幌尻2日目:1967峰~北戸蔦別岳~戸蔦別岳~幌尻岳(往復)
幌尻3日目:1967峰~ピパイロ岳~伏美岳~伏美岳登山口
ビクビクしながらの夜が明け。
静かな美しい夜明けです。
1967峰からしばらくは、岩場の稜線歩き。
稜線とはいえ、ハイマツがすごい。
細~い道を、ハイマツかき分け進みます。
細かいアップダウンを越えつつ、小さなカールを横切ってると・・・
てんこもりの熊フン発見! しかも掘り返し跡も多数!!
うぎゃ~~(lll゚Д゚)
ちと怖いのでそそくさと通り過ぎ、1856峰への登りへ。
う~、ハイマツ、歩きづらい。
道に思い切りかぶさってるのと、結構太い枝が道に張り出しててバシバシ当たりまくり。
そしてひざ丈のハイマツの道を一登りで、1856峰に到着!
開けた山頂からは、戸蔦別や幌尻が一望!!
テントも数張り、いけそうです。
さてさて、一息ついたら北戸蔦別に向けて、いったんカールへ下ります。
そしてこれが、ものすごいハイマツ。
なんせ道幅が狭いし、ハイマツに覆われてるし、急坂だし、滑る!
枝にバシバシたたかれながら下っていくと、カールその一。
そして、再び藪をくぐっていくと、カールその二へ。
このカール達、何気にかなりの花畑!
ナガハキタアザミ、ミヤマキンポウゲ、トウゲブキ、ムカゴトラノオ。
ほかに、ウメバチソウ、トカチフウロ、ウサギギク、エゾシオガマなどなど。
も~う色とりどり。(*゚∀゚)=3 ムッハー!!
う~む、我々の腕だとなかなか、この花畑っぷりをキレイに撮るのは難しい。
ここのカールも掘り返し跡が多数。
今はクマの気配はないけど、さすがは日高ですな。
カールはさくさく通り過ぎ、北戸蔦別への登りにかかります。
う~、ここも狭い道のハイマツ急登。歩きづらい。
もういちいちかき分けるのがめんどくさくなってきて、枝にガシガシ当たりながら登ることしばし。
だいぶ登ってきた。
振り返ると、おうち(=テント)のある1967峰と、そこにつらなる稜線が。
ああ、おうちがどんどん遠くなる・・・。
ハイマツの急坂を120mほども登っていくと、ほどなく緩やかな道になり、しばし歩くと北戸蔦別岳に到着!
北海道って乾燥してるのか、晴れるとカラッと暑く、すごく喉が渇くのよね。
でも例によって飲み水を節約してるので、水分不足気味でなかなか疲れが回復しない。
しかも水場があまりないときたもんだから・・・。
というわけで、控えめに水分補給しながらちょいと一休み。景色を眺めます。
それじゃあ、ま、出発しますかね。
とんがった戸蔦別岳とその奥の幌尻岳。
まだまだ道のりは遠い。
だがココから先は歩く人も多いためか、これまでよりもだいぶ道がしっかりしていて心強い。
そしてここからいったん、戸蔦別カールの上を100mほど下ります。
斜面にはシナノキンバイ、ハクサンボウフウ、トカチフウロ、トウゲブキなどが咲き乱れ。
カールの底には残雪があり、さらさらと小川が・・・。
あ~、あの水飲みたい。
下りきったら、幌尻山荘分岐に向けてちょいと岩場の登りです。
岩場になったら、咲いてる花もちょっと変わってきました。
エゾミヤマアケボノソウ、タカネナデシコ、エゾノタカネツメクサ、タカネオミナエシ。
アケボノソウは初見です。渋い。
岩場を登り切ったところで、本日(というか昨日も含め)初の、ヒトとの遭遇。
みなさま七つ沼カールに二連泊して、これからヌカビラ岳のほうへ下山するところ、とか。
いやあ、なんだか、同じように山中テン泊で歩いてる方々に出会って、ホッとしました。
いただいた七つ沼カール情報によると、水はまだまだ豊富に出ているそうな。
この情報を聞いたまきchinとごろ太君、余計に時間がかかってもいいから、帰りに七つ沼で水ゲット!!の方針を即・決定。
そうと決まれば、手持ちの水はじゃんじゃん飲んじゃおう。
(意外と暑くて水の消費が激しく、ちと焦ってた)
なんか元気出てきた。
情報いただいた皆様に感謝しつつ別れ、再び岩場を歩いて行くと、幌尻山荘分岐に到着。
この幌尻山荘分岐のところは、なぜか岩山を一つ越えなきゃいけないんだよね。
これ、巻いて欲しかったな~・・・とかぶつぶつ言いながら岩を越え、戸蔦別岳への登りに取り掛かります。
うむ。幌尻岳がだいぶ近くなった。
カールから流れ落ちる白い沢筋が何本もついててすごい。
そして目の前に聳える戸蔦別岳の登りに、若干げんなりしつつも歩を進め・・・
カムエク、エサオマントッタベツなどなど、日高の渋いお山たちも一望!
さて、一息ついたら幌尻岳に向けてGo!
幌尻から流れ落ちる沢の音を聞きながら、いきなり200mほどもガッツリ下り。
七つ沼カールへ降りる道を過ぎるとギザギザの稜線歩き。
意外と、細かいアップダウンが続いて足にくる~。
しかもまだまだ続く激しいハイマツ漕ぎ。
細かいアップダウンを過ぎ、再び七つ沼カールへの道を過ぎると、再び200m近い登り返しです。
ムキ~! このハイマツはいったいどこまで続くのじゃ~!!( ゚皿゚)キーッ!!
だいぶやけくそになってきて、覆いかぶさるハイマツに体当たりしながら登ることしばし。
ようやく幌尻岳山頂からのびるゆるい尾根に出た!
花畑を過ぎ、一山越えてガレた道をゆるゆる歩き・・・
しっかし、眺めはサイコウ。
歩いてきた稜線。真ん中の奥のトンガリが1967峰。遠くまで来たねえ。
札内岳、エサオマントッタベツ、カムエク。深い深い日高の山々。
は~、いくら眺めても飽きませんな。
でも、あまりのんびりもしてられないのが残念なところ。
絶景をたっぷりゆっくり眺めたら、さあ、戻りましょ。
帰りは、水を調達しに七つ沼カールへ寄り道。
すんごい急なカールの壁を下ります。100mくらいかな。しかもザレててちと滑る。
15分ほど下ると、カールの底に到着。
そこには雪渓がまだ残っていて・・・
喜び勇んでデリオスで漉しつつ、冷たくておいしい水を直飲みゲット!!
プラティパスも満たして、大満足~。うま~。
やっぱ水って重要だね。
残雪の状況によっては、この時期は水が涸れてたりするらしいのだけど、今年は雪解けが遅かったのかまだ雪渓も大きく、水も豊富でありました。
たっぷり水を飲んで元気回復、カールの底を横切って戸蔦別岳に向かいます。
アオノツガザクラ、ハクサンチドリ、ミヤマキンポウゲ。
ほかにも、トカチフウロ、エゾコザクラが満開! いやあ、夢の世界。
そして戸蔦別に向かう稜線に出る道はなかなかキビシイ。
ここも100mほどの登りだけど、上部はかな~りザレザレ。
しかもクマの掘り返し跡も多し。
注意しながら登ること20分ほどで、稜線に戻ってきました。
さて、まだまだ登りは続くよ~。
戸蔦別の山頂から幌尻を振り返ると、もうだいぶ雲が出てきてました。
帰りはもうサクサク歩きますよ~。
途中、ヌカビラ岳方面へ下るご夫婦連れに追いつきました。
お二人とは、幌尻岳直下ですれ違って、その時にあとで追いつくかも~、とおしゃべりしてたのでした。
お二人も、七つ沼カールで水を汲んでたそう。
いやはや、お互い、水ゲットできて良かったヨカッタ。
まきchin隊はお先に失礼して北戸蔦別へ。
山頂直下には、一張りテントが張ってありました。
さぁ~、お家へ帰るぞ! おうちは、あのギザギザを越えてさらにその向こう。ふぁいと!
まずはテントの周りをぐるっとまわり、怪しげな足跡もないことを確認して安心。
いやぁ~疲れた、やれやれ、と思ってたら・・・
落ち着いてから足を見てみたら、なんと脚の前面が大きな痣だらけ。
知らない人が見たら、勘違いして警察呼んじゃうくらい、すごい。とほほ。
ハイマツの枝攻撃にやられたか。
しかもズボンが松ヤニで真っ黒・・・再起不能だ、こりゃ・・・。
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コメント
うわ~素晴しい天気ですやん^^
美しい~♪
あの七ツ沼にテント張りたかったよぉ~!!
しっかし、ホント、よく歩かれましたね~^^
すごい!!
水場がないって、ホント不安ですよね~(--:)
我らも、よく水を飲む・・・違うもん飲みすぎで
喉が渇く・・・とも・・・(苦笑)
とにかく、お二人の頑張りに天気も見方~
そして、熊も避けてくれたんだぁ~^-^
投稿: みい | 2009年8月21日 (金) 09時02分
みいさん>
コメントありがとうございます~♪
おかげさまで、2日目はいいお天気でした!
いいお天気すぎて暑かった・・・おかげで水も消費しまくり・・・。
暑くてグダグダだったので、時間もかかっちゃいました・・・(^^;)
みいさんたちも、日帰り幌尻、スゴイです~~
七つ沼で水が出てて、ホント助かりました~!!
我らが行ったときは、テント一張りはってありましたよ~。
今度、のんびり行かれるときは、七つ沼でのんびりテン泊なんてよさそうですね!
(私らも、次回行くとしたら、額平川からの渡渉コースかな~)
投稿: まきchin | 2009年8月24日 (月) 01時11分
初めてカキコミします。私たちは七つ沼に連泊したグループです。日付と条件が一致し、おそらく青空の下でお会いした方に間違いないと思います(勘違いでしたらお許しを)。東京に戻りパソコンで山を検索しいたら、偶然にもここでお会いできるとは!うれしいかぎりです。
また、随分とパワフルに行動されいい刺激になります。
どうぞお元気でご活躍されてください。ほんとにいい天気に恵まれ最高でした。
投稿: みっちゃん | 2009年8月26日 (水) 18時36分
みっちゃんさん>
コメントありがとうございます!
そしてようこそです!
まさに、戸蔦別と北戸蔦別の間でお会いした二人組です。
七つ沼の水場情報をいただいて、本当に助かりました。ありがとうございます!
それに、山に入ってから初めて出会った「人」だったので、ほんとに心強かったことを思い出します。
あそこでおしゃべりしたことで、とっても元気づけられました。
またここでこうやってお会いできて、ほんとにうれしいです~
みなさん、ほんとに仲良く楽しそうに歩かれてたのが印象的でした。
幌尻には4日間いらしたんでしょうか、お天気に恵まれ、最高でしたね!
今度はどこのお山に行かれますか~?
また皆様とどこかの山でお会いできますように!
投稿: まきchin | 2009年8月27日 (木) 01時17分