2009/6/13-14 朝日連峰・ガスと残雪の山歩き(2日目)
金曜日の夜に見た天気予報では、日曜日の天気は晴れのち曇り。
ってことは、ご来光が見られるかも?!と淡い期待を抱いて3時半頃に起きてみたら、外は相変わらずのガスガス・・・。
(ちなみに3時に目が覚めたら、もうご飯食べ始めてる人が何人も。
結局4時にはほとんどの人が起きてごそごそやってました。
もちろん、そんな中でも鼾かいて寝てるツワモノもいましたが)
のんびり待ってみたが、ガスは晴れず。
というわけで、出足の早い皆様が出発した後も、まきchinたちは小屋でうだうだとしてましたが天気は回復せず。
小屋の裏にある石段の道を登っていくと、10分ほどで大朝日岳の山頂に到着。
記念写真、というか、証拠写真。
お天気よければ大展望なんだろうけどね。また来なくちゃ。
写真を撮りつつのんびり下り、小屋でトイレを済ませたら、朝日主脈のぐるりっぷに出発~!
金玉水に向けてはゆる~い下り道。
こんな池塘もありまっせ。
霧の中、イワイチョウの葉が青々として幻想的。
しばらく歩くと、金玉水の標識にぶつかりました。
金玉水へは、ここからちょいと下るみたいなんだけど、水場はおそらく雪渓の下。
さて、道はここから中岳に向けてゆる~い登りに。
ちょいと急で長い雪渓は、アイゼン(6本爪)つけてざくざくと。
雪渓と土の道とが交互に出てくるので、アイゼン着脱がめんどくさい!!
大朝日岳からの主稜線は、まだあまり歩いている人もないらしく、踏み跡がほとんどなし。
ガスで視界も悪く、雪渓上では迷いそうなので、尾根側の笹薮に沿って歩いてました。
ササには巨大なかたつむり君。
ごろ太君曰く、「うわ~、子供のころこんなの欲しかった!!」と。
・・・大きすぎて怖いです。
登山道は中岳の山頂を巻いてるらしく、山頂と思しきピークの下を過ぎると、細かなアップダウンの道に。
そして再び、アイゼンつけての雪渓の登り。
GPSもあるし、迷うことはないと思うんだけど、長い雪渓だと不安になりますな~。
・・・と不安になりつつ歩いてたら、雪渓の端っこで昨日のお兄さんに遭遇!
そう、お兄さんは早くに小屋を出て、西朝日岳まで往復してたのでした。
これから大朝日小屋まで戻って古寺鉱泉へ下る、とのこと。
この先の登山道の様子を聞き、またどこかでお会いしましょう~と別れました。
ここから西朝日岳へは、いくつか雪渓を越えての登り道。
そしてっ、雪のないところにはハクサンイチゲの大群落!
まるで、夢の世界。
こんなです。重厚な葉といい茎といい、透き通るような白といい。
ハクサンイチゲ、LOVE!!
ほかにもこんな花々が。
ツバメオモト、ミツバオウレン、ミツバノバイカオウレン。
道端には、オオカメノキ、ヤマザクラも満開。
てな感じで、もう花に気を取られすぎて全然足が前に進まない。
写真を撮りつつゆるゆる歩いてたら・・・
西朝日岳への最後の登りの手前で、お兄さんからのメッセージが! 「ファイト、あと15分」と。
いやあ、この心がうれしいじゃないですか。
おねえさん、泣けちゃいます。
メッセージに勇気づけられて、気合入れなおして西朝日岳への登りへ。
とはいっても相変わらずのハクサンイチゲの大群落に心奪われ、歩みは遅々としたまま(なので15分じゃ着かなかった)。
石がごろごろした急登を登っていくと、
西朝日岳山頂に到着!
晴れてたら、大朝日岳や主稜線の大展望なんだろうけど、本日はガスガス。
さて、一息ついたら竜門山目指して出発。
そしてここから竜門山までの稜線が、花満開ですごかった・・・!!
もうこんな感じで、普通に道端に咲いてるもんで、かなり興奮気味。
ほかにもこんなお花たち。
イワウメ、ミネズオウ。
コイワカガミ、チングルマ、ミヤマキンバイなどなども咲いてます。
いやほんと、風が強くてちと辛いけど、夢の世界~~。
ガスで展望ゼロなのも手伝ってか、足元の花々に気を取られつつ歩いて行くと、いつの間にか細々したアップダウンを越えて竜門山に到着!
はっきりした標識はなかったけど、ま、このへんで(寒江山、以東岳への稜線との分岐)。
ここで、狐穴小屋の管理人さんとご同行。
日暮沢方面へ下り始めてすぐに、大きな雪渓が登場。
管理人さんはグリセードですいすい降りちゃいましたが、まきchinはへっぴり腰・・・。
というわけでここから先、灌木をかき分け、いくつか雪渓を下りながら管理人さんとおしゃべり。
管理人さん、金曜日に山に入り、日曜日に下るそうな。
山道の刈り払いとかもされてるそうで、こういう方たちのおかげで我々が楽しく歩けるんだなあ・・・と感謝しきり。
熊の話とか山の話とか。話は尽きません。
こんな山の恵みもゲット!
こしあぶらの若芽。天ぷらにしたらおいしいよね~。
さくさく下り、ちょいと登り返すとユーフン山に到着。
おじさん曰く、ここは漢字で書けば「熊糞山」らしい。
ちとイメージが・・・ってことで、カナで「ユーフン」となったみたいですが。
そっして~♪ 昨日歩いた稜線も見えてきた。
まずは小朝日岳、ですな。大朝日岳はまだ雲の中。
主脈の稜線も見えてきたけど・・・まだすっきり晴れたとは言い難い。
でも山肌の残雪模様がいい感じに美しい。
ユーフン山からしばし下り、ちょいと急な道を登っていくと・・・
清太岩山、到着! ちょい先を歩いてた竜門小屋の管理人さん御一行が一休み中。
おじさんによると、ここは昔、清太という人が槍で熊をやっつけたところ、だそう。
熊にまつわる話が多いのねえ。
そしてここでようやく、昨日歩いた尾根が姿を現してくれました~♪
ああ、もうちょい早く雲がとれてくれてればなあ。明日はいい天気なのかな。
サラリーマン山ノボラーは辛いっす。
ここでちょいと腹ごしらえして、いよいよ下山です。
相変わらずスッキリ晴れませんが、残雪の斜面、いい感じですな。
途中に何度も現れるカタクリの群生地では、白いカタクリを発見。
・・・まきchin、白いカタクリよりも、後ろのカタクリのつぼみのほうが気になって仕方がない。
咲きかけのカタクリとか蕾のカタクリとか、べろ~んと長くて、なんか面白い・・・。
そしてこれまた何度も現れる雪渓では、グリセードの練習(ごろ太君のみ)。
雪もかなりゆるんできてるので、練習には最適。
標高1,000m近くなり、雪渓の雪解け水が流れるあたりになると、リュウキンカの大群落。
この鮮やかな黄色、元気になりますな。
しばし下って行くと、先行していた管理人さん御一行に合流。
細かなアップダウンを繰り返しながらの急な下り道、結構足が疲れます。
がっつりがしがし下り、沢の音が近くなってきたころ、ようやく道が平坦になり、日暮沢の小屋に到着!
6台分の駐車場は当然のように満車で、林道には何台も路駐されてました。
水場で靴やスパッツを洗い、いざ、お風呂へGo!
途中の道路からは、スッキリ雲が晴れた朝日連峰が一望。
うあ~、今度はスッキリ晴れた尾根を歩きたい!!
そしてお風呂は、柳川温泉へ。
普通の日帰り温泉(大人300円)なんだけど、どうもアトピー、糖尿病、動脈硬化症に効くらしく、意外と混んでました。
お風呂の中でおしゃべりしたおばさんは、仙台から毎日来てるとか。
う~、仙台からだと結構遠いよね。それだけ効くんだろうなあ。
そしてここから延々と東北道を爆走。
渋滞はあったけどノロノロ運転に捉まることもなく、日付の変わらないうちに帰宅です!
そしてさっそく、山の幸で一杯。
下山途中でゲットしたコシアブラで天ぷら。
深夜にも関わらず、天ぷらしちゃいました。採れたて、めちゃウマ!!!
ばんざい!!
<今回の山行>
天候には恵まれなかったですが、いろんな出会いもあり、花も満喫し、大満足です。
この時期(山開き前)は、地元の方が多いのね。
避難小屋に泊ってた方も、ほとんど東北の方ばかりで、油断してると方言を聞き取れないことしばし、でありました。
そして大朝日小屋に泊ってる人は、古寺鉱泉や朝日鉱泉からの人が多かったみたいです。
花は、ミヤマウスユキソウやハクサンイチゲがすごかった~。
狐穴小屋の管理人さんによると、この時期のハクサンイチゲはとても大きいのだけどすぐに散ってしまうそう。
散った後にもうちょい小さな花が咲いて、それは8月くらいまで長持ちするそうです。
7月にはヒメサユリも咲くっていうし、また来たいな~。
今度は、狐穴小屋に泊って、以東岳方面に歩きたい。
| 固定リンク
「◇登山」カテゴリの記事
- 2022年の山歩き(2022.12.26)
- 2022/12/18 沼津アルプス縦走(2022.12.21)
- 2022/12/4 山梨晩秋山行・竜ヶ岳(2022.12.08)
- 2022/12/3 山梨晩秋山行・曲岳、黒富士(2022.12.06)
- 2022/11/27 山梨晩秋山行・高ドッキョウ、貫ヶ岳(2022.11.30)
コメント
ガスガスなこの時期ですと晴れの日を
ゲットするってムズカシイですね~。
このコース、2年ほど前に歩きまして
最高に感激したのを今でも鮮明に覚えております!
お花てんこ盛りで次から次へと
出現するお花の数々にイチイチ感銘を受けていたら
先に進めなくって(;^_^A
これも実際に歩かれた人しか
その良さ、味わえませんから
そういう意味でも貴重な山ですよね。
あ~また行きたくなりました~
投稿: ここあパパ | 2009年6月23日 (火) 05時16分
さすが朝日連峰、まだ稜線もこんなに雪が残っているんですね。ただ雪が消えたところはもうこんなに花が咲いているんですか、すごいですね。
昨年7月に行っているんですが、その時もガスガスで晴れたのは半日だけでした。ただ稜線はずっとお花畑で「天気の良い時にまた来るぞ~」って思いました。そうそうヒメサユリも咲いていましたよ。
次はぜひ以東岳まで、寒江山付近のお花畑はすごく良かったですよ。
朝日と飯豊連峰は稜線のお花畑はすごいですね、また行きたいし東北で一番お気に入りの山です。
投稿: IK | 2009年6月23日 (火) 06時28分
んー。下山途中にコシアブラ摘んで帰るなんて
うらやましいです。
コシアブラの天ぷらうまいですよねえ~。
大好きです。ヨダレでる。。
ウスユキソウやハクサンイチゲの出会いも
よいですね。んー、この時期は飯豊や朝日連峰
よいのですねー。
土の伝言板も おもしろい!(笑)
盛りだくさんの山行でしたね。
投稿: ぽっか | 2009年6月23日 (火) 10時59分
いや~♪ガス・ガスでも~雨でも~
いいじゃ~ないですかぁ~!!
もう、感動もんですよ~^-^
色んな面で~~0^^0
出会い・・・お花の素晴しさ~♪
ミヤマウスユキソウも見れたんですね~^-^
あのメッセ(15分)、みいも感動~♪
いや~素晴しい山行でしたね~0^^0
投稿: みい | 2009年6月23日 (火) 11時37分
グリセード、実際には見たことありませんで、このまえ映画「剱岳 点の記」の中で初めて見ました♪
立ったまま滑って行っちゃうんですね、すごいな~とオドロキでした。
コシアブラ美味しそう♪
自分ではなかなか見つけるの難しいですが、一度だけ木にコシアブラって札がかかっていて収穫したことがあります^_^;
展望無くてもお花がとても素晴らしいですね。
この時期の満開のハクサンイチゲしばらく見てないな・・・
露に包まれたウスユキソウ素敵!(^^♪
投稿: sanae | 2009年6月23日 (火) 11時37分
>まきchin
コシアブラ美味しそう~~。
深夜帰宅してから揚げるなんて、本当にタフー。
天候は残念でしたね。
日暮沢からのグルリ一緒です。
日暮沢からハナヌキ峰分岐までの急登が辛かったのを思い出しました。
私も会津駒ヶ岳でグリセードしてみました♪
でも足首がグラグラするし、
滑るスィートスポットが狭い。難しいですねぇ。
狐穴小屋もキレイだし、以東岳の存在感もステキですヨ。
レポを読んでまた行きたくなってしまいました(^^)
投稿: のんすけ | 2009年6月23日 (火) 20時46分
あぁぁぁ、頭の呼び捨てお許しくださいませ(><)
投稿: のんすけ | 2009年6月23日 (火) 20時47分
ここあパパさん>
ほんと、お花てんこ盛りで、全然前に進めませんでした。(^^;A
ガスガスだったのもほとんど気にならないくらいの花畑でした~。最盛期はいかほど・・・?!
ここあパパさんも歩かれたルートなんですね。
ほんと、何度でも行きたいヤマですね!!
投稿: まきchin | 2009年6月23日 (火) 23時13分
IKさん>
地元の方によると、今年は残雪が多いようです。
ただ、もうけっこうゆるんでざくざくになってきているので、歩きにくいことはない、かな・・・?
それにしても雪の解けた跡には一面の花畑、野の花の生命力はすばらしいですね。
元気に美しく咲く姿を見て、私も元気をもらいました。(^^)
西朝日岳と竜門山の間の尾根は、残雪もなく一面の花畑でした。
寒江山のあたりもすばらしいのですね。
あ~、次回は絶対そのあたりを狙います!!
投稿: まきchin | 2009年6月23日 (火) 23時18分
ぽっかさん>
コシアブラ、むちゃウマ~(* ̄ー ̄*)
採れたての山菜って、ほんとなんとも言えない味ですよね。
自然の恵みをたっぷり、いただきました!
飯豊と朝日のすごさは、人に聞きこそすれ行ったことなかったので、今回はほんと、大満足&盛りだくさんの山行でした。
花にも人にも癒されましたわ。
ぽっかさんも、ぜひ!
まきchinたちも、近いうちにまた行きたいです。
投稿: まきchin | 2009年6月23日 (火) 23時23分
みいさん>
ほんと、ガスガスでも、色んな面で感動~♪
美しいハクサンイチゲ、かわいらしいミヤマウスユキソウ。大感激。
お兄さんの伝言板、ヤラれますよね~。まきchin、これもまた大感激しちゃいました。
あ~、また行きたい!
投稿: まきchin | 2009年6月23日 (火) 23時25分
sanaeさん>
私はどうも腰が引けてしまって、グリセードはなかなかうまくできません。
ごろ太君はすいすいやっちゃうのですが。
コシアブラはやっぱり天ぷらがおいしいですね!
刻んでいためてしょうゆ味をつけて、ご飯と一緒にいただくのもおいしいよ~、とのことでしたが。
それもまたゼイタクな食べ方ですよね~。
ハクサンイチゲもミヤマウスユキソウも、素敵でしたよ~、sanaeさんたちもぜひ!
投稿: まきchin | 2009年6月23日 (火) 23時33分
のんすけさん>
全然OKですよ~(^^)
テクののんすけさんが難しいというグリセード、私ごときにすいすいできるわけもなく。
ちょいと滑ってはびびりまくり、でした。
そうそう、のんすけさんも日暮沢から大朝日をとおって、かな~り長距離歩かれてましたよね。
まきchinたちもあわよくば・・・と思ってたのですが、突然の雷雨とたくさんの雪渓にメゲて、おとなしく普通にぐるりっぷでした。
あ~、以東岳、行きたい! しばらくは、虎視眈々と天気を狙っちゃう日々が続きそうです。
投稿: まきchin | 2009年6月23日 (火) 23時39分
うわぁ、お花なんて可憐なんでしょう。
快晴の山とはまた違った趣の魅力的な世界ですね。
ミヤマウスユキソウのふんわりしていながら、透き通るようなあの不思議な質感に、私は魅せられてしまいました。
そして、かたつむりに遭遇したごろ太くんの目の輝きが浮かんできましたよ。
しかし帰宅して深夜に天ぷらって…。
すごすぎる。
私ももっとまじめに生きようと思います。
投稿: kauri | 2009年6月24日 (水) 23時25分
kauriさん>
そうそう、太陽に輝く山や花も素敵ですが、霧の中の花や露を抱いた花も、透明感が美しいんですよね。
ううむ、つたない写真で伝わるかどうか。(^^;)
ミヤマウスユキソウは、大きさにして2cmくらいの小さな花なんですけど、ほんと不思議な質感ですよね~。
ふんわり綿毛につつまれていて、群生しているところは、あたり一面ほんわり白いんですよ~。
あ~、kauriさんに実物をお見せしたい・・・。
そうそう、天ぷらは、食い意地に負けただけです。。。
普段は、超・不真面目ですよぅ。
投稿: まきchin | 2009年6月24日 (水) 23時51分