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2008年9月16日 (火)

2008/9/14 早月尾根から剱・立山へ(1日目)

連休はまたもイマイチな天気予報・・・
と思いきや、2日目以降は天気回復の予報!

そこで行ってきました、一気の登りとしては日本一、標高差2,355mの早月尾根を登って岩と雪の殿堂、剱岳へ。
折りしも、今年は剱岳測量から100年。新田次郎氏の「剱岳 点の記」の登場人物に想いを馳せながら、の道でありました。

200809140
前剱から見た剱岳。
そして翌日は立山にも登ってきました。さすがのまきchinも、全身筋肉痛でござる・・・。

===剱岳(百名山68座目)===
2008/9/14(日):馬場島(5:00)~1,000m展望台(5:30)~早月小屋(9:15-9:30)~▲剱岳(12:55-14:00)~前剱(15:10-15:15)~一服剱(15:45)~剣山荘(16:00)
累積標高差:2,400m
======

今回は速さ重視のため、テントは止めて小屋泊装備(でも金欠なので素泊まり・食料持参・・・)。
横浜を前日の18時半に出発し、環八渋滞に巻き込まれながら関越・上信越・長野道・北陸道と通って富山へ。
早月尾根の登山口、馬場島に着いたのは1時半ころでありました。富山、遠いのう。

馬場島にはキャンプ場やバンガローがあったり、市営の馬場島荘(宿泊施設)があったりで整備されてて(トイレも水場もあるし、なかなかヨイ)、駐車場もかなりキャパがあるのだけど・・・すでに満車・・・。
早月尾根登山口近くの道路脇のスペースに、なんとか停められました。

しばし仮眠して、5時ころ出発。
200809141
同じ頃、周囲の車からテントから、ヘッデン着けた人が続々と出てきて出発、です。剱岳、恐るべし。てか、早月尾根を登る人って、こんなにたくさんいるのね。

暗い山道、いきなりの急登。
200809142
蒸し暑い林の中を、黙々と登っていきます。あぢ~。

しばし登ると、ちょっと開けた展望台着。
200809143
標高1,047mであります。

ここからしばし平らな道を進んだ後、再び急登の始まり始まり。15分で100m弱の登りを、ぐいぐい登ります。
そしてこのあたり、ここは屋久島か?!てな感じの杉だか松だかの巨木がにょきにょき生えてました。
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こんなんとか。でで、でかい!!

道は結構急なんだけど、段差には土嚢や石が積んであったりして、整備されてて歩きやすい。
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200m登るごとに、こんな標識もあり。
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かなり励まされますわ~。
なんせ単調な登りなもんで、目安がないとキツい・・・。

標高1,920m地点には、「剱岳 点の記」で柴崎測量官が設置した三等三角点がありました。
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すっかり角がとれて丸くなってしまった三角点。100年前に、大変な苦労で設置されたのね。

そして2,000mを超えた辺りから、登山道脇にはこんなベニバナイチゴの実が満載。
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前後して一緒に登ってたご夫婦に、「これおいしいんだよ~」と言われて食べてみると・・・

うまいではないですか!!(だからおいしいって言ってたじゃん)
甘酸っぱくてジューシーで、潤いますわ~。柘榴みたいな感じかな。
しばしご夫婦と4人、イチゴ狩りに興じてしまったのでありました。

さ、イチゴに元気をもらって、早月小屋まで一登り。
200809148 えい、やあ。

ところどころ鎖がかかってたりするけど、使わずによじ登ることしばし・・・
200809149

標高2,200mの早月小屋到着!
ちょうど雲が切れてきて、目指す剱岳の山頂方面が見えてきました。
・・・まだかなり上なんですけど・・・もうかなりお腹いっぱいなんですけど・・・。

ここで小休止した後、いよいよ剱岳に向けてしゅっぱ~つ!

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秋の草花の向こうには、小窓尾根。

お花もまだまだ咲いてます。
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キヌガサソウ、ツバメオモト(実)、タテヤマリンドウ、マツムシソウ。

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そして森林限界を越え

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岩をよじ登って・・・

2,800m地点から、やっと剱岳が間近に!!
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すんごい岩山。まだかな~り上ですな・・・しんどいよ~。

そしてここからが岩の殿堂の所以たる道へ。

2008091418 こんなのとか

2008091419 こんなのとか。
よ~く見ると、足もとは断崖絶壁だったりします。

でも鎖はしっかりついてるし、ペンキ印を見逃さないように三点保持で登っていけば大丈夫。
下手に鎖に頼りすぎると、かえって怖い。

そして鎖場が続く急な岩場を抜けると、いよいよ山頂直下!
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おお!頭上には別山尾根との合流点!!

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山頂の祠がすぐそこに・・・足取りも軽くなり・・・

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ようやく、到着! 憧れの剱岳山頂!! わ~い!!
このお社、今年新しく建て替えられたみたいです。

山頂には、源次郎尾根や八ッ峰などの岩場を登ってきた人たちがわんさかいました。
さすが剱岳。

2008091423
これが八ッ峰。すんごいぎざぎざです。これを登る人がいるのね・・・しかもたくさん。
八ッ峰の後には、雲の中から時折顔をのぞかせる後立山連峰が聳えてます。

2008091424
別山尾根の向こうに、剱沢と立山も一望! 立山の向こうには、槍が見え隠れしてました。
裏銀座、表銀座も雲の合間にのぞいてます。

いやあ、すばらしい。昔は登ってはいけない針の山だった剱岳、今は登れるようになったけど、神の山たるにふさわしいこの眺め。

そして山頂には、一昨年設置された三等三角点。
2008091434
剱岳測量100周年を記念して、当時は背負い上げられなかった三角点の標石を設置、とのこと。
柴崎測量官はじめ、当時の測量に関わった人たちの想いがこもってますね。ちょっとしみじみ。

しばし眺めを満喫した後、別山尾根を下山します。
ガレ場の下りをちょこっと降りると、いきなり出ました、カニの横バイ!

2008091425 最初は垂直降下気味。
垂直降下後に「横バイ」の段差まで降りるのだけど、段差に降りる第一歩がわかりづらい。(段差が岩に隠れてて、上からだと見えないのよね)
先に下りてたお兄さんに「もっと右!」「もうちょい下!!」と声を掛けてもらって、無事、移動です。

2008091426 はい、横バイです。鎖がないと無理です。
横に移動した後は、またも垂直降下の下り。いやはや、キンチョウした。

2008091428
横バイを過ぎると、前剱に向けてこんな岩稜帯を超えていきます。
よ~く見ると、岩場に人がへばりついてるんだけど・・・こんなとこ、パンピーが通ってだいじょぶなのかしらん。

2008091427 そして平蔵のコルへ降りる長~いハシゴと鎖。
こんな感じで、鎖のアップダウンがしばらく続きます。

2008091429
岩場を進みつつも振り返ると、剱岳。青空を背に、鋭く聳えてます。かっこいい~!

さて、さくさくと前剱を越え、正面に立山を見ながら長いガレ場を下ります。
2008091430

浮石も多くて急な道で、気を抜けませんな。

ガレ場を下りきり、またちょいと一登りで一服剱。
直下には剣山荘、一目散に下って本日のお宿に到着!
2008091431

剣山荘は、一昨年くらいに建て直されたばかりだそうで、とってもキレイ。
シャワーもあるし、トイレも水洗でびっくりです。

本日は混んでるとのことでしたが、お布団は3人で2枚、意外と結構ゆったりでした。

そして小屋についたらやっぱこれでしょ、生ビール!
2008091432
夕暮れの後立山連峰と剱沢、別山を見ながら、外のテラスで夕飯作ってカンパイ!
(外でしかコンロ使えないみたいなんだけど、雨の日とかはどうするんだろう・・・)
いやはや、オツカレサマでした・・・なんとか歩けたね・・・。

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コメント

すごい~。早月尾根、登ったんですね~。北アルプス三大急登・・でしたっけ?

天気が良さそうだから、別山尾根、怖かったでしょ~。
私が行ったときは、ガスの中だから思ったほど怖くなかったので、また行きたいなぁ~
最近、山登ってないなぁ~

投稿: ころ | 2008年9月16日 (火) 20時07分

わぉ~!
さすがまきchinさん、早月尾根から登るなんて~!
私もちょうど今、点の記を読んでいて、もう一度(今度は早月尾根から)登りたいなぁ~なんて思ってたんですよ!
そして、またもや晴天なんて…ついてますねー。
剣山荘、もう泊まれるんですね!一昨年はまだ工事中でしたよ。とても快適そうですね~。
続きも楽しみです☆

投稿: えどりん | 2008年9月16日 (火) 22時30分

早月尾根からの剱岳、一度は行ってみたいルートです。
まきchinさんはMですね(笑
カニのヨコバイは最初の一歩ビビリますよね。
前を歩いていたオニーサンは10分以上立ち往生(^^;
(なんでこんな人を連れて来たのかと驚きました)
私も足が届かず(涙)
結局鎖にしがみついてブラーンでした。

剣山荘のトイレは借りたことありますが、
あまりのキレイさ度肝を抜きました。
そういえば、モツ煮ありませんでしたか?
美味しかったなぁ。

投稿: のんすけ | 2008年9月16日 (火) 23時37分

ころさん>
別山尾根、怖かったですよ~。眺めがいいのはよかったんだけど、足元が見えすぎて・・・だんだん自分の高度感がオカシクなってってる気が・・・。

そろそろ秋山ですよ~、紅葉でも眺めに行きましょう!!

投稿: まきchin | 2008年9月16日 (火) 23時40分

えどりんさん>
そうそう、点の記につられて登っちゃいました。
気分は、香川照之さん扮する長次郎に案内されてる測量官・・・ってか?!(はい、実は香川さんファンだったり)
でもね、さすがに、テント担いで早月尾根登って1泊2日する体力はなかったです・・・(で、小屋泊に)。

秋は空気が澄んでていいですね、翌日は展望もバッチリ!でした。
えどりんさんたちもぜひぜひ~!

投稿: まきchin | 2008年9月16日 (火) 23時52分

のんすけさん>
うふ、やっぱ自分でも思っちゃいました、Mだよな~、と。
でも早月尾根、標高700mの樹林帯から山頂直下の岩稜帯まで、いろんな登りが満載で面白かったですよ・・・って、登り終わった今だから言えるんですけど。
しばらくはゴチソウサマです・・・。

剣山荘、異常にキレイですよね。トイレやシャワーの排水たちはどこに行ってしまうんだろう、と心配しちゃうんですが。
(そこまでキレイさ、便利さは求めてないですが・・・これも登山客の増加が影響してるんでしょうかね)
モツ煮は見あたらなかったんですが、その代わり、鮎の一夜干しは大人気でした。
モツ煮、あったら食べたかったですぅ~。

投稿: まきchin | 2008年9月17日 (水) 00時03分

横ばい、すごい所登るんですねー。

噂や、記事では見るのですが、
ブログだとリアリティあってよいですね。
山容も格好いい。山荘も良いところにあります。


いきたい。
この辺、今年行けるかな・・・。


投稿: atsu510 | 2008年9月24日 (水) 09時16分

atsu510さん>
剱岳。山容といい山頂までの道のりといい、山ノボラーの心をかきたてる山ですよね。

横バイは、横移動の段差にうまく最初の一歩がかかりさえすれば、あとは普通に慎重にいけばオッケーですよん。
たしかにすごい絶壁&高度感でしたが、しっかりした鎖が整備されてるので。

そろそろ紅葉の時期で混雑してそうですよね~。うまく混雑を外せるといいんですけどね。(別山尾根から剱岳山頂を目指す行列が、朝からすごかった・・・)

投稿: まきchin | 2008年9月24日 (水) 22時20分

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